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音のない音楽室で  作者: ku-ro
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音楽室2

ガチャ 音楽室のドアを小谷はあけた。教室には誰もいない。初めて教室に入った時の緊張感は今は全くない。机に鞄を置き席に座った。鞄からCDを取り出した。今日はこのCDを原に教えようと持ってた。すると原が教室に入ってきた。

「お疲れー」原も挨拶をして鞄を机に置きイスに座った。

「このバンド聞いてー」原はスマホから音楽を流した。

小谷は先をこされたと内心思ったが、原の流す音楽に耳を傾けた。

三学期、三年も卒業して二人だけになった。部員不足といえば否定できないがそんな事は二人とも気にしていない。

「かっこいいですねー、今日は僕も持ってきましたよ」二人は音楽について話し合い出した。自分たちの思い通りにクラブ活動をしている。大木と上條が教えてくれたような気がした。初めて部員4人が集まった時に顧問の戸口先生が言った言葉が印象的だった事を小谷は覚えている。

「鉄は鉄によって研がれ、人はその友により研がれる 」

そのあと何を話していたかは忘れた。ただ覚えいることは、良いことや悪いこと趣味などは、近くに存在する家族や友から学ぶことが多い。家族、友達の関わりが自分の成長に大きく関係することだ。

この吹奏楽部では大切な友と出会えたと小谷は思っている。三年生と行動したのは8ヶ月だけだがその間にいろいろ学んだことがある。練習に追われて必死になることもなく、自由に放課後を音楽室ですごす。自分の将来にこの吹奏楽部の経験がどういかされるのかは分からない。しかしけっして無駄ではないと思う。四月になれば誰か入部するこがあらわれるかもしれない。そしてまだ自分たちのクラブは続く。楽器を演奏することはなく原との会話が続いた。三年生がいた時とほとんど同じだ。

音のない音楽室。この教室が居心地よく楽しい空間だ。

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