プロローグ1
初投稿になります。勢いだけで書き始めたので酷いできだとは思いますが読んでいただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
「一体俺は何がしたいんだろうな......」
誰かに対して話すわけでもなく吾妻亘は呟いた。
平日の昼間だというのに亘は公園のベンチに座りながら空を眺めている。周りにいるのは子供を連れた近所のおばさん連中くらいのものであり、公園という中で亘は見事に浮いていた。時折視線が向けられ気まずそうな雰囲気になるものの亘はまた一人呟き始める。
「俺のしたいことってなんなんだろ?それ以前に俺にできることなんてあるんだろうか。定職に付かずにもう2年か......言い訳をあげたらきりがないけどバイトも受かんないじゃな。いい加減母さんの視線が痛いんだよな。」
そう言い亘はため息をつきうなだれた。
それからどれだけの時間がたったんだろうか、もうあたりは薄暗くなっていた。
「とりあえず帰るかな。」
そういって亘は歩き出した。今日のバイトの面接の結果を聞いてくるであろう母を思い浮かべる亘の足取りは重い。
「俺の将来......か。」
これからの自分についていろいろなことを考えながら歩いていた亘は不意に大きな音によって思考を中断される。音の方向を見るとトラックがクラクションを鳴らしながら突っ込んで来ていた。
「えっ!?」
自分でも間抜けだと思うような声が出た。亘は考え事に集中するあまり車道に出ていたようだ。
自分に突っ込んで来るトラックを見つめ亘は時間が止まったような不思議な錯覚と昔のことを思い出していた。
「何だこれ?あー走馬灯ってやつか。昔を思い出して見ても人様に迷惑掛てばっかだな。さっき色々と考えたけどバイトすらも受かんない俺の人生じゃ結果は目に見えてるか......。つまんねー人生だったけど、まあこれで楽になれるんだからどーでも」
ドンッッ!!
自分の最後を考え半ば、気づくと誰かに亘は誰かに突き飛ばされていた。
そして後ろから聞こえて来た衝突音。亘は後ろを確認しようとして気が付いた。突き飛ばされた自分のいる場所を。亘は突き飛ばされて反対車線に出ていた。そして......反対車線の車に轢かれた。
亘は倒れたまま身体中の鈍い痛みに耐えながら目だけで周りを見た。そして見えたのは人だかりと、おそらく自分を助けようとしたであろう女子高生らしき人物だった。パッと見でもこれは助からないと思えるようなそんな状態だった。その子を見た亘は小さな声で
「最後の最後がこれかよ。本当に救いようのない人生だな。」
そう呟いて亘の意識は途絶えた。