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第3話・身元不明の幼き見習い~悲劇の記憶を振り返り~

第1章 それは泡沫の歓びに過ぎず



       第3話・身元不明の幼き見習い~悲劇の記憶を振り返り~



 アインと言うのはまだ五歳ほどの幼い少年。


 本来なら十三歳以上の者にしか許されない、呪師じゅし学校への入学を特別に許された……記憶喪失の迷い子。


 ジャンヌが神剣を手に入れようと主神殿に忍び込んだ時に遭遇し、どういう訳か神剣の中の一振りに使い手となることを強要されている。



(……あの子を巻き込んじゃったのは、悪かったとは思うけれど……)



 怯えて、震える小さな子供を思い出して、ジャンヌの胸に苦い思いが広がる。



 先の事件……ジャンヌが神剣の封印を解いたことで蠢動し始めた魔族による事件が連続して起きた。



 まず、呪師の家柄の、就学前の子供たちが全部で十三人も連続で行方不明になった事件。



(せっかく神剣を手に入れたのに、ディアスってば、全然探しに行かせてくれないから……!)



 苛立ちと焦燥が募ったジャンヌは深夜に寝室へやを抜け出し、リオンと二人、皇都に魔族を探しに行った。


 そこで初めて、そんな事件が起きていることをジャンヌは知った。


 まさか聞いたその時は、それが魔族によるものだとは思いもしなくて……



(監視され、管理されている筈の呪師の家柄の子供がどうやって神隠しにあうのか? とか、のんきなこと考えてたわね……)



 バカだったと今なら思う。



 もっと早くに、その可能性に気づけていたら、その後の悲劇は起きなかったかもしれない。


 いや。気づいたとしても、止めようはなかっただろうが……それでも可能性を考えてしまう。



(もう少しだけでも、ディアスの言うことを聞いておけばよかったのかしら? でも、じっとなんてしていられなかったから……今だって、本当は……!)



 一瞬、すぐにでも部屋を飛び出したくなるけれど、ぐっとこらえる。


 だって、前回――それで大変なことになったのだから。



 目的地も手がかりもなくウロウロしていた夜の皇都で……安全なはずの街の中で魔物に襲われた。


 斬れば斬るほど数が増えていって……下手に反撃もできなくなって……そこにファンたちが救援に駆け付けて……



 自分たちが結界に閉じ込められていて、そこで無限増殖する魔物と戦っていたのだと知ったのはその後。



(……そういえば、どうしてディアスはわざわざアインを連れてきたのかしら?)



 そこに居たのはファンと、神殿護衛官を兼任している護衛騎士のクロードの他にもう一人。


 それが見習い呪師であるアインだった。


 夜中に見習いの、しかも就学年齢に達していない子供をわざわざ連れ出した理由がジャンヌにはわからない。


 呪師が必要だというのなら、素直にちゃんとした皇宮呪師なり、神官呪師なりを連れ出せばよかったのだ。



 実際に、その後の救援には皇宮呪師のインスが呼ばれていたのだから。



 更に、実は神剣の力をちゃんと引き出せていないようだ、ということが分かって……


 その訓練をすることにしたら、インスが使った訓練用の影人形という、疑似的に魔物を作り出す魔法が乗っ取られて暴走し……何とか倒した。



(おかげで神剣の使い方も何となく分かったけど、インスもアインも倒れちゃったのよね……)



 そしてその三日後に、インスとアインが姿を消したことで魔族の関与が疑われ……


 ジャンヌの部屋に血まみれのインスがいきなり降ってきた。



(あの時は、本当に驚いたわ……。だって、アインが攫われそうになったところに、インスが居合わせたのなら、解決して帰ってくると思っていたから……)



 なのに、現れたのはインスだけで……更に酷い怪我をしていて……どうやって、どこから来たのかも何もわからなかったけれど……



 駆けつけたファンとクロード。そして、ジャンヌと話をしていたリオン。


 神剣と契約を結んでいるその四人が、赤い光の描き出した魔法陣によって強制的に別の場所に連れ込まれた。


 そこには……


 探し求めていた魔族、アーグが待ち構えていたのだった。


第1章第3話をお読みいただきありがとうございます。


今回は、ジャンヌの視点で第1部の出来事を振り返る回となりました。


そして、多少は反省したように見えても、やっぱりジャンヌはジャンヌと言った思考も透けて見えていますね(笑)


そうは言っても、すぐさま部屋を飛び出さないだけの思慮深さは身に付いたような?


ジャンヌの我慢はいつまで効くのか……


次回もお楽しみに!


【第1部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第1部・レッド・フレイムの呪い】

(https://ncode.syosetu.com/n1170lj/)


【番外編・第1弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞①~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~

(https://ncode.syosetu.com/n5697ln/)


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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