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第4話・それでもやっぱり ~演習棟での遭遇~

第7章 皇女殿下の覚醒



        第4話・それでもやっぱり ~演習棟での遭遇~



 ジャンヌが皇宮医務殿に突撃してから半月。


 インスが退院して、呪師寮の部屋に戻ったことをリオンが調べてきた。


 

「……そう。分かったわ……」



 そのまま、すぐにでも呼べ! 会いに行く!! と騒ぐかと思ったジャンヌは静かに頷いて、部屋にこもって色々な資料をまとめている。



(……ジャンヌらしくない……)



 その様子に、ホッとしている周囲と違い、リオンはムッとした表情。



 考えなしで猪突猛進と思われがちだが、ジャンヌは別にバカではない。


 それを、リオンは知っている。



 ジャンヌなりに色々としっかり考えて、その上で行動していて……その結果、想定していなかったような事態も起きてしまうだけで……理解が足りないわけではないと知っている。



 機密に関しての認識は若干薄いけれど、それだって、話す相手は選んでいると本人が言っていたように、いうならば、相手に対する信頼の表れでもあるのだ。


 聞かされた相手がどうなるかまで考えが至らないというか、それで何か罰をとなれば守る気でいるから話してしまうだけ。



 気持ちと実態が乖離しているだけで、本人はきちんと考え、相手を選び、実行に移している。



「……何だ? 今回は呼ばないのか?」



 だからだろうか? ジャンヌらしからぬ大人しさに、つい、嫌味のように口に出してしまったのは。



 途端、周囲から視線の圧がかかる。


 いや、圧どころか、近衛騎士やら女官兵からは殺気が出ていた。


 流石に、侍女たちは殺気というほどにはなっていないが、それでも非難するような視線がリオンに突き刺さる。



「……呼ばないわよ?」



 けれど、手を止めずに答えたジャンヌの言葉に、あからさまにホッとした気配が漂う。



 リオンに対する視線も、殺気は納まり非難するようなものだけになったが……



「……へぇ……」



 にやりと、リオンの唇が面白がるように弧を描く。



 ジャンヌの返答に含まれた、別の意味を読み取る。



「……いつ?」


「二日ね」


「了解」



 呼ばない、と言うことは、会いに行く、と言うこと。


 ではいつ? と聞いたリオンに、ジャンヌは答え、頷いたリオンとのやり取りに周囲が困惑したように眉を顰める。



 漸く皇女らしい落ち着きを身に着けてくれたと思っている周囲の考えを裏切って……ファンやジョン、そしてリオンとクロードが気づいていた通り……ジャンヌはやっぱりジャンヌだった。




 ジャンヌが宣言した通り、インスの退院の知らせから二日後。



「「お待ちください! 姫様!!」」


「うるさいわね! ちゃんと時間空けたでしょう!!」



 たったか、たったか足早に歩くジャンヌとリオンを、護衛騎士二人が追いかけていた。


 追いつくことは可能だし、捕まえることができないわけではないのだが、そうは言っても相手は皇孫皇女。


 前に回り込んでその歩みを止めることも、不用意に触れることもためらわれて、少し後ろを歩きながら言葉で止めるのが精一杯。


 必然、ジャンヌの隣を、さも当然そうに歩いているリオンを睨むことになる。



「無理だって……あれだけ我慢してたんだぞ? むしろ、どうして動かないと思ったんだ?」



 そんな護衛騎士達……一応同僚……に対して、若干呆れたように告げるリオンは、さっさとファンを呼んで来いと目で告げる。



((もちろん報告している!!))



 ギっと、きつい眼差しで答えられて、なら大人しく付いて来ればいいだけじゃないかとリオンは肩を竦めた。



 リオンは軽く考えているが、そんなわけにはいかないというのが騎士たちの考え。


 だから、待て、止まれ、戻れ、を丁寧な口調で繰り返し、ジャンヌにキレられていた。



 ジャンヌが住まう皇女宮から、皇城の回廊を経由し、皇宮呪師殿へ。


 そこからさらに、インスが向かったと聞きだした呪師殿演習棟へと移動する。



 流石に演習棟までは距離があるので馬車を出して、たどり着いた演習棟の入口で……



「「……あっ……!!」」


「…………っ!?」



 ジャンヌとリオンは、先の事件以来初めて、アインと顔を合わせた。


第7章第4話をお読みいただきありがとうございます。


結論:ジャンヌはやっぱりジャンヌでした。


ジャンヌが選んだのは、大人しく待つことではなく、自ら情報を掴み取りに行く「正攻法(物理)」!


必死に止める騎士たちを振り切って突き進む姿は、まさに覚醒した皇女殿下といったところでしょうか。


そしてたどり着いた演習棟での、予期せぬ遭遇。


久しぶりの再会が何をもたらすのか?


次回もお楽しみに!


【第1部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第1部・レッド・フレイムの呪い】

(https://ncode.syosetu.com/n1170lj/)


【番外編・第1弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞①~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~

(https://ncode.syosetu.com/n5697ln/)


【番外編・第2弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞②~滞留するのは魔力ちからの残滓~

(https://ncode.syosetu.com/n6684lr/)


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【番外編第3弾、公開開始!】


明日、12時から、番外編第3弾の公開を開始いたします。第2弾に続く物語をよければお楽しみください。


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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