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第4話・反省すれども改善はなし~情報遮断を告知され~

第6章 決壊の予兆



      第4話・反省すれども改善はなし~情報遮断を告知され~



「はあっ!? また入院した!? 何で!?」



 その知らせに目を剥いたジャンヌの大声が周囲に響き渡る。



 耳を塞いでやり過ごしたリオンは「知るかよ……」と、口の中で呟く。



 つい三日前に主神殿の医務殿から退院したばかりのインスが、昨日の夕方、今度は皇宮医務殿に入院したらしい。


 その情報を持ってきたリオンは、ジャンヌのこの反応は予想済み。


 そうは言っても、辺り一帯に響き渡るほどの大声を出されるとまでは思わなくて、一瞬耳を塞ぐのが遅れたせいで頭が痛い。



 ジャンヌの声は綺麗な高音なのだが、そのせいで大きな声を出されると頭に響く。



「……詳しいことは分からないけど、昨日、医務殿に担ぎ込まれるのを見た奴がいるって話だ……本当に入院中なのかも、容体とかも不明だな」



 片耳に指を突っ込んで、少し顔を顰めて言うリオンに心底不思議そうにジャンヌは首を傾げる。



「え? 昨日、会った時は元気そうだったし、アインの授業に出るとか言ってたのに……っていうか! アインも退院して、授業に復帰できるくらい元気になってたのね……良かった……」


「……あ~。みたいだな……」



 ホッとして笑顔を見せるジャンヌに、リオンは曖昧に頷く。



 アインに関する情報はリオンもなかなか掴めず、昨日、皇宮で授業が行われたことも断片的な噂しか分からない。


 とりあえず、帰りには寝ていたらしく、神殿護衛官に抱かれていたのを目撃されている。


 けれど……



(……何でアインが黒い服? 見習い呪師の制服って、グレーだろ?)



 なぜか、目撃証言ではアインは黒い服を着ていたことになっていて、実は別人と間違われていないか? という疑問があった。



「とにかく、インスは皇宮医務殿に居るっぽいのね? じゃ、行きましょう」


「え? 行くって、どこに?」



 ガタガタと音を立てて立ち上がるジャンヌの言葉に目を丸くするリオンは、高速で頭を回転させる。


 冷たい汗が背筋を滝のように流れているのは気のせいか?



「どこって、医務殿に決まってるでしょう? インス、そこなんだから」


「いやいやいや! 待て待て待て!!」



 さも当たり前のように言われて慌てたリオンがサッと視線で訴えかけると、静かに女官兵が一人部屋を出る。


 周囲の近衛騎士や、残る女官兵と侍女らの間にも緊張感が漂っていた。



「本当に入院してるなら、いきなり押し掛けるのはまずいって! まずはちゃんと確認しろ! あと、勝手に行ったら怒られるんだろう? 昨日もファンにどやされたって、言ってたばっかりだぞ!?」



 若干早口になって、進行を止めるように回り込む。


 咄嗟のことでファンの名前に敬称を付けるのを忘れたが、それどころではないので目こぼしして欲しい。



「え? でも、倒れて運び込まれたんでしょう?」


「そういう噂があるだけで! 本当に今も入院中かは分からないって!! もしかしたら夜のうちに帰ってるかもしれないし、別の任務で出かけてるかもしれないし、オレが集めてるのは噂の範囲であって正式な報告内容じゃないんだぞ!?」



 キョトンとするジャンヌにまくしたてれば、そうかもしれないけれど……と、一定の理解を示される。



「……とりあえず、ジャンヌが直接動くと大ごとになるから、誰かに聞いてきてもらったらどうだ?」


「う~ん……」



 そこに、現実的な手段を提示すれば、少しは考えてくれるようなので、もう一押し、とリオンは言葉を続ける。


 見守る周囲も無言でごくりと喉を鳴らし、ジャンヌが飛び出すか、踏み止まるかを固唾をのんで見守った。



 内心でちょっとリオンを応援していたりもする。



「行って、いなかったら無駄足だぞ?」


「……それもそうね……」



 一度息を吐いて、真面目に言ったリオンに、ハタと気付いたジャンヌも同意し……



「じゃあ、誰か、皇宮医務殿に行って聞いてきて」


「かしこまりました」



 頷いたジャンヌの命令に、ホッと胸を撫で下ろして女官兵の一人が応えた。



 その後、インスが本当に皇宮医務殿に入院中なのが分かり。


 容体を聞きに行かせ。


 意識がないままだと知らされて。


 いつ頃気が付きそうなのか?


 いつなら話ができそうか?



 などなど、いちいち問い合わせを、それも別の者に言って聞きに行かせ。

 


 リオンやクロード、それにファンと……話を聞いたジョンまでもが皇宮医務殿に問い合わせた結果。



 数日後に皇宮医務殿から業務妨害に付き、問い合わせには応じない。


 という通告が成されたのは……まあ、当然のことと言えた。


第6章第4話をお読みいただきありがとうございます。


退院したばかりのインスが、なぜか再び入院。


リオンの必死の説得により、ジャンヌの「直接突撃」は回避されたものの……。


ジャンヌ、リオン、クロード、ファン、果てはジョンまで。


みんなが代わる代わる「容体はどうだ」「いつ目覚める」と聞きに行った結果、医務殿からまさかの『業務妨害』認定を食らいました。


心配なのは分かりますが、さすがに医務殿の我慢も限界だったようです(笑)


医務殿からの「問い合わせ拒否」という前代未聞の事態に、ジャンヌはどう出るのか?


次回もお楽しみに!


【第1部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第1部・レッド・フレイムの呪い】

(https://ncode.syosetu.com/n1170lj/)


【番外編・第1弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞①~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~

(https://ncode.syosetu.com/n5697ln/)


【番外編・第2弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞②~滞留するのは魔力ちからの残滓~

(https://ncode.syosetu.com/n6684lr/)


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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