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第3話・彼女にとっては真実で~その結論に絶望す~


★本日(12:00)より、番外編第2弾の連載を開始しました!


本編で話題に上がった「廃離宮での調査隊撤退」や「魔物騒動」。


ジャンヌたちが噂としてしか聞いていないその裏側で、一体何が起きていたのか?


皇宮呪師たちが直面した戦慄の真実を描く番外編第2弾は【お昼の12時】に更新です!


夜の本編更新とあわせて、ぜひお楽しみください!


【番外編・第2弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞②~滞留するのは魔力ちからの残滓~

(https://ncode.syosetu.com/n6684lr/)


第4章 それでも彼女は希う



       第3話・彼女にとっては真実で~その結論に絶望す~



 インスは、何を言っているのだろう?


 わたしが、カルロスの傍に、居ない?


 ずっといるわ。毎日お見舞いに行って、話もして……



 そう。漸く話ができるようになったのだから、毎日、話をしているじゃない。



 あとは、ちゃんとその目の力(ひかり)を取り戻してくれれば、完全に呪いは解けて()()()になるはずなのだから……



 だから、問いかけられた言葉の意味が分からない。



 じっと見つめてくるインスを……ジャンヌの答えを待つ周囲を……不思議そうに見つめ返して、瞬きを繰り返す。



 首を傾げる様子に、ファンが一瞬顔を顰めたことに気づいたのはインスだけか……いや、恐らく、インスと同じ方向から向き合っていた者には見えただろう。



 けれど、ファンに背を向ける形で椅子に座っているジャンヌや、ジャンヌの斜め後ろに立っているリオン、その隣のクロードなど、そちら側にいる者には見えなかっただろう。



 そして、そのジャンヌの反応に、ファンの様子に、インスは絶望感を抱いて絶句した。



(……信じられない……!)



 これだけ、はっきり言っても、まだ『理解(わか)らない』のかと。


 それが分かって絶望する。



「……居るわよ? 毎日……?」



 困惑しているのを一切隠さない……事実困惑しているのだから当然だろう……ジャンヌの答えに、室内の空気が凍り付く。



「……え? ……どうしたの……?」



 口に出されたことでリオンも、クロードも目を見開いて絶句し、全員からまじまじと見つめられてジャンヌは焦ったようにその顔を見渡す。



「……分かりました……」



 ジャンヌが言葉にするよりも一足早く、その答えに気づいていたインスだけが、ただ静かにそう告げた。



「……それが、皇女殿下のお考えであるのなら、もう、これ以上申し上げることはありません……」



 言い方を変えるのならば、諦めた。


 あるいは、覚悟を決めた。とも言える。



「じゃあ!」


「ですが……」



 喜色を浮かべたジャンヌを遮る。


 その声音が、冷ややかさを帯びていることにジャンヌは気づかない。



「私は皇宮呪師です。知っての通り、皇宮呪師が使える魔法は攻撃的なものばかり……。皇子殿下の目の()()をお望みであるのなら、侍医の皆様や……呪師をお望みならば治療魔法の使える神官呪師の皆様に()()()ください」



 私にできることはありません。



 それは、明確な拒絶の宣言だった。



「……え……? インス?」



 不思議そうに、キョトンとして首を傾げるジャンヌに、インスは鮮やかな笑みを浮かべてみせる。



「だって、そうでしょう? 皇宮呪師は、()()()()には立てませんから」


「でも……!」


「かといって……」



 食い下がるジャンヌを遮って、胸に手を当て、軽く一礼する。



「何処かにお出かけになりたい。ということでしたら、先に皇帝陛下の勅許(ちょっきょ)をお取りください……()()のご下命でしたら、何処へなりとお連れ致しましょう」


「……インス……?」



 他人行儀。あるいは慇懃無礼。


 これまでにないインスの態度に、戸惑うばかりのジャンヌを置いて……



「インス=ラント。流石に不敬が過ぎる。――下がれ」



 厳しい声でファンがそう命じた。


第4章第3話をお読みいただきありがとうございます。


ジャンヌ以外の全員が、彼女の答えに「絶句」する……。


どこまで言葉を尽くしても、ジャンヌに届かない。


本人だけが理解できていないという、あまりにも残酷な温度差が描かれました。


自分は尽くしていると信じて疑わないジャンヌと、その「善意」が孕む決定的な欠落に気づいてしまったインス。


鮮やかな笑みの裏で、明確に線を引いたインスの「拒絶」。


慇懃無礼な態度で一礼するインスの姿が、これまでのどの叱責よりも冷たく心に刺さります。


騎士たちが沈黙し、インスが「諦めた」その先に、どのような結末が待っているのか?


次回もお楽しみに!


【第1部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第1部・レッド・フレイムの呪い】

(https://ncode.syosetu.com/n1170lj/)


【番外編・第1弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞①~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~

(https://ncode.syosetu.com/n5697ln/)


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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