表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しと清く正しい逢瀬(デート)生活 ーこっそり、隣人推しちゃいますー  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/151

隣人だもの。……気になるでしょ。(14)

 Scorpio(スコルピオ)のメンバー四人が横一列に並び、互いに手を繋ぐ。高く手を挙げてから四人揃って深い礼をした。彼らのライブの最後はいつもこうして締めくくられる。スコッコたちの拍手と歓声の中、頭を上げたScorpioの四人はもう一度頭を下げてから、大きく手を振りながらステージ袖へと消えていった。


 こうしてライブの生配信は終わり、私は思わずため息をついた。


 なんだか、現地参戦したときよりも疲れた気がする……。


 そんなことを思っていると、スマホがメッセージの着信を知らせた。由紀さんからだ。


“結局、何の発表もなかったね。なんか大騒ぎしてごめんね”


 そんな由紀さんからのメッセージで、ライブ前に不穏なメッセージを受け取っていたことを思い出した。


 そうだ! Scorpioの解散発表でもあるのかとビクビクしていたのに、思いがけない人の登場で、途中からそんなことはすっかり忘れていた。


 私は由紀さんへ返信を打つ。


“SNSに解散とか出てたから、正直慌てましたけど……。何事もなくて良かったですね~”


 私の返信に、由紀さんが“だよね”と返してくる。


“むしろ、蓮なんていつもより気合い入っている感じだったもんね。千紘ちゃん、家で発狂してたんじゃない?”


 ネコがニヤリと笑うスタンプと共に、茶化すようなメッセージが由紀さんから届く。返信をしようとしていた私の手が止まる。


 今日の蓮?


 私はライブの様子を振り返る。そして、思わず固まった。


 確か、蓮はライブ開始からいつも通りたくさん汗をかいていて、一生懸命で……。ソロの時は楽しそうで……。樹との伝説のユニット曲にみんな盛り上がっていて……。曲終わりに三人でピースなんかして……。あれ? それで? MCでどんなことを話していたっけ? そうだ。涼と優磨がデビュー秘話を話して……。あれ? 蓮は? 蓮はなんて言ってたっけ?


 自分が全くライブ内容を覚えていないことに愕然とする。成瀬さんが画面に映ったあの瞬間から、私は彼のことしか頭になかったのだ。


 私……蓮のこと何も見てなかった?


 とんでもない失態にショックを受けて項垂れる。


 成瀬さんが出てくる前は、どんな重大発表があるのかと戦々恐々で完全に上の空。成瀬さんの姿を見つけてしまってからは、彼の姿を確かめようと夢中になるあまり、今日のライブでの蓮を全く見ていなかった。


 強火影山坦と名乗っていながら、推しを全く追えていないなんて……。


 私は自分の不甲斐なさに思わず頭を抱えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ