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推しと清く正しい逢瀬(デート)生活 ーこっそり、隣人推しちゃいますー  作者: 田古 みゆう


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隣人だもの。……気になるでしょ。(11)

 涼×優磨の曲が終わり、暗転したステージ上には私の予想通り蓮と樹の姿。彼らは背中合わせに立ち、次の曲のイントロを待つ。


 そして、流れ出したイントロに会場中のスコッコたちが物凄い歓声を上げた。その曲は、スコッコたちの間では伝説になっているユニット曲。蓮と樹がまだScorpio(スコルピオ)になる前の研究生時代に一度だけ披露したことのある曲だ。当時はこの曲でユニットデビューするのではと噂になっていた。


 しかし、結局彼らは四人組のグループとしてデビューし、それからこの曲は一度も歌われたことがなかった。


 二人が歌う伝説のユニット曲の存在は、Scorpioファンの間ではとても有名だった。いつかライブで観たいと度々ファンの間で話題になっていたけれど、実現したことはこれまでなかった。それが、今回念願叶ってのライブ披露だ。


 だからだろう。会場中のスコッコたちの興奮が凄い。私も一緒に盛り上がりたいが、今の私の関心はそれ以外のところに向いている。私は画面の中のステージ上に視線を彷徨わせた。残念ながら、彼の姿はない。


 イントロが終わり、Aメロを蓮と樹の二人で交互に歌い分けていく。会場中が割れんばかりの歓声に包まれた。二人の優しい歌声と甘いハーモニーがスコッコたちの心を鷲掴みにする。歌い手の二人は背中合わせのまま歌い続ける。


 二人の美しい立ち姿と歌声に会場中から終始歓声が降り注いでいる。だけど私は、画面に視線を注いだまま、どこか上の空だった。


 あのダンサーは? 出てこないの?


 私の意識はそれだけに集中していた。推しと一緒に曲を口ずさむこともせず、じっと画面を見つめる。


 一番のサビが終わる頃、ようやくステージに動きがあった。蓮と樹がパッと離れて正面を向く。同時に二人が立っていた場所にスッともう一人が姿を現した。二人の陰に身を潜ませていたのだろうか。それはまるで魔法のようで、私は思わず身を乗り出した。


 画面には、蓮、樹、そしてもう一人の顔がしっかりと映る。私は、画面に映ったその人を食い入るように見つめた。心臓がバクバクと大きく脈打つ。


 やっぱり、成瀬さんだ!


 二番の歌詞をそれぞれの立ち位置で歌い上げる蓮と樹の後ろで一人ダイナミックに踊るその人は、早朝に出かけたきりの隣人だった。


 私は驚きに目を見開いたまま、彼の姿を捉えようと必死に目で追いかける。これまでの曲と違い、カメラアングルが固定されていて、二人の間で踊る成瀬さんの姿がよく見える。

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