幼少期 新しい家
かれこれ4時間馬車に乗る事、進んで来て新しい家が見えて来た。
母は道中会話する事なく、少々むくれっつらでオーラを出していた。
僕は鼻の穴の中の塊を指で追っていたが、取ろうとすればするほど鼻の穴の奥に行ってしまい、とうとう取れないほど奥に行ってしまった。
そうだな、こんな時は手鼻しかないなと、僕は思ったが、馬車の中で手鼻をすると汚いので、手鼻は馬車から降りてからにしようと思った。
「ママ、あの家がそうかな、かなり大きいね」
「アレックス、やっと話しかけてくれたわね、ママ、少しおかんむりだったのよ?ずーっとママを無視していて・・・そうね、多分あの家がそうなんじゃ無いかしら」
僕はあの家がそうだろうと目星をつけて母に話し掛けたら、母がむくれっつらの原因がわかってホッとし、多分あの家がそうだろうと母は言う。
そしてその大きな家の庭には馬車が入って行くと、1人の初老の男性が馬車を迎える様に立っていて、その 隣りに若い女性が3人立っていて、4人ともこうべをたれて礼を取っていた、その1人の男性は70歳ぐらい だろうか、いかにも執事という様な感じでタキシードを着ていて、若い女性は年齢は15〜18歳ぐらいだろうか、メイド服を着ていた。
そして庭の一画で馬車は止まり、僕達は庭に降りた。
執事らしき人物とメイドらしき人物はこうべを下げた礼をやめた。
「ようこそお越し下さいました、新しいご主人様、私はこの館の管理などをしている執事のセバスチャンと言います」
「私はメイドの長をしております、キャサリンと言います。
向かって左がアメリ、その隣がメリーと言います、どうぞよろしくお願いします」
立っていた70歳ぐらいの男性は見た目通りやはり執事の様で、その隣立っていた3人の女性も、見た目通りメイドだった。
「私はカーマイン、これからはカーマイン・キッザニアと名乗るのかな?そして妻のマチルダ、息子のアレックス、長女のリタリア、次女のリタルダだ、これからよろしく頼む」
「私が紹介に預かったマチルダ・キッザニアよ、キッザニアを名乗るのは慣れないわね、よろしく頼むわね」
「僕がアレックス・キッザニア、よろしくお願いします」
父と母が普通に自己紹介した後、僕も自己紹介をしたその瞬間、僕は手鼻を発動した。
しかし僕が放った手鼻は、4才の幼児の力では、すっと放たれる事はなく、中途半端に顔についてしまった為、僕は慌ててそれを手で拭い自らの服で拭うと、若干セバスチャンとキャサリン、アメリ、メリーは笑顔が引き攣った。
手鼻は放たれる事なく、鼻垂れになってしまった。
「アレックス汚いわ、なんでそんな事するの?今までそんな事した事ないじゃ無い、私がリタリアよ、よろしくお願いね」
リタリアは僕が不発に終わってしまった手鼻を汚いと言い、自己紹介をした。
ちなみに手鼻とは、指先で片方の鼻の穴を塞ぎティッシュを使わずに飛ばす方法で、成功すると汚れる事もなく、地面に鼻水や鼻由来の塊を落とすことが出来る。
「アレックスお兄様、汚いです、私がリタルダです、よろしくお願いします」
リタルダも、僕が汚いと言って自己紹介をした。