フレイアストの工場見学 Part 6
ここまでで第一部の主人公サイドは終わりです。
次回で区切りとし、一旦、毎日投稿は終わります。
次回19時頃投稿予定です。
「E=mc²これは相対性理論の公式ですね!? エルピー様から教えていただきましたが、それが空間魔法にも適用されると?」
『ええ、物理法則。それは絶対的に不変の法則でしょう。空間魔法には魔力の直接消費という点で関わってくるのに対して、使役魔法には間接的に関わっていると言えます』
「使役魔法には魔力消費の点でE=mc²は適用されるものの、直接、物理的なエネルギーには変換されない。しかし、使役魔法の対象が行う攻撃等の物理的なものには適用される。これが間接的と称した部分。この解釈で間違ってはいないでしょうか?」
『その通りです。すみません、少々説明を割愛しすぎていたようです。マッド様の解釈で間違いはありません』
「よしッ!」
マッドが大きくガッツポーズをしている……よっぽど嬉しかったのか?
「魔法の根底にも科学が適用される! 科学による力は偉大です! E=mc²これを導き出した方には深い尊敬の念を抱きます。きっとエルピー様に並ぶ存在なのでしょう!」
『……私よりもはるかに偉大な方です。科学の根幹をなす存在でしょう。その発見が無ければ私も存在しなかったでしょうね』
「なんと!? ではその方は全ての頂点に立つ、神の中の神! 何ということでしょう……」
『……彼が神になってしまうとは、……不思議なことです』
マッドの科学への狂信っぷりは極まっているな……
「マッド。気は済んだか?」
「ええ、フレイアスト様。あなた様とエルピー様の会話はとても興味深く、ところどころ私の理解が及ばぬ高度なやり取り。やはりあなたも神だということを再認識しました!」
「……まぁいいか」
マッドはもう、こういうものだと捉えて割り切ろう。
「それより、マッドはクロガネについて詳しいのか?」
「いえ、それほどではありませんがエルピー様からマナバッテリーの開発を託されております。マナバッテリーにはクロガネが必要不可欠なので研究を進めている最中でございます」
「さっきも出てたけどそのマナバッテリーってのは?」
『魔素をエネルギーとしてため込む装置です』
「それを作ってどうするんだ?」
『魔素の発生原因は分かっておりませんが、魔素が尽きることはないと思われます。我々がマナと呼ぶこの存在は魔法による様々な現象を発現させるエネルギーと言えます。そうすると完全にクリーンなエネルギー源としての役割が期待できます。実際に私の身体には試作品ではありますがマナバッテリーを使用しています。今後これが量産できるとすれば様々なことに利用可能です』
「……? 具体的な使用方法は考えてないのか? お前にしてはめずらしいな」
『……エアレーの新たなバッテリーとしての使用を考えております』
「なるほどね。エアレーのことをOPと考えていながらも、さらに強化を図ろうと? ……なにか意図があるな? 誤魔化すのは無理だぞ? お前はその辺は下手なんだからな」
『……当初は元の星へ帰還するためにエアレーの稼働時間と出力の飛躍的な向上。そして、マスターからのマナ供給がなくともエアレーの性能を十分に発揮させるため。そのためにマナバッテリーがあった方が良いと考えていました』
「俺をエアレーのコックピット内で殺して、元の星に帰還するって計画のためね? それで今は?」
『マスターがおっしゃった、この星から戦争を無くすということに尽力できるかと思っています』
「つまりは、エアレーに完成したマナバッテリーを搭載して、この星での戦略的運用も考えていると?」
『それも踏まえて、様々な局面で役立つと考えます。あとは備えですかね』
「ふーん……らしくない考え方をするようになったな……いいね!」
『……』
「そこでさ、一つ頼みがあるんだけど。俺の武器をクロガネで作って」
『なるほど、かしこまりました。要望はございますか?』
魔力伝導効率の高いクロガネで武器を作れば空間魔法を活かした戦いができる。俺に決定的に欠けていた遠距離への対応も可能になるだろう。
「いろいろある。あとでまとめとくからよろしく」
『了解』
「あの、でしたらフレイアスト様がおっしゃていたシュバルツの戦略的利用も実現させてもよろしいでしょうか?」
「おぉ、いいね! 頼んだ! マッド」
シュバルツ……いろいろなことに使えそうだな。そして何よりカッコいい。
「かしこまりました! 不肖マッド、微力ながら尽力させていただきます!」
「お、おぅ……」
マッドのこの感じにはいつ慣れることが出来るだろうか……
「さて、今後の方針が決定した! 改めて発表する!」
空間魔法とクロガネ……そして、まだ詳細は謎だが闇属性の適性……
さらには、この星では規格外のテクノロジーの保有……
適性なしの落ちこぼれだった俺がここまでのポテンシャルを秘めていたとは。
これならば可能かもしれない。
「この星で俺は最強になる!」
『……以前も申しましたがそれは方針ではなく目標では?』
「細かいな、最強になったうえで戦争を止めるんだよ……」
『……もう少し具体的な方針を希望します』
「まずはアトレイディス領への帰還。そして俺はもうすぐ学園に入学する歳になる。だから学園への入学だ。そこで力を付けつつ、帝国の動向を見張る」
『それでしたら理解できます。私はなにをすれば良いでしょうか?』
「ん? 自由でいいぞ?さっきのマナバッテリーの開発とエアレーの修理、それと俺の武器の製作。それだけやってくれればあとは任せる」
『了解しました。では一先ずマスターについて行きます』
「え? そうなるの?」
『はい。先程の要望は全て、私がこの場に居なくても達成可能です』
「じゃあ。私も行くです!」
「え? シエナさんは危険じゃないか? 帝国の人間に見つかったら間違いなく捉えられるぞ?」
「やです。でもLPについて行きたいです」
『シエナ様は私が守ると約束しました。ここの全戦力を持って対応いたしますので、ご安心ください』
「へぇ、そっか。なるほどねぇ」
『……何でしょう?』
「いや、何でもない。だったら一先ず付いてくるとして。その先の方針は?」
『最強になります』
「お前な……」
『今のは冗談です。すでに私はこの星において最強だと思いますので』
「……」
『もちろん大まかな方針は決めています』
「まあいいや…… よし! そうと決まれば早速、アトレイディス領へ帰還する!」
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冒頭の会話は分かり辛かったら流してもらってもいいです。魔法に科学が関係してるんだってのが伝わればそれでいいと思ってます。出来るだけ納得感のあるこの世界の魔法体系に沿った説明かつ、LPとマッドのキャラを活かした会話を目指しました。
工場見学とは名ばかりの検証パートでした。
もっとちゃんとした、工場見学ツアー的なエピソードも需要があれば考えておきます!




