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告白

次は夕方か夜に投稿します!

『それで、方針は?』


「え? さっき言っただろ? 戦争を無くすって」


『了解とは言いましたがそれは方針というよりも目標では?』


「細かいな」


『特に考えていないのであれば、まずは私の工場に案内いたします。マスターの行使可能な力が分かれば具体的な方針が浮かんでくるかもしれません』


「工場? たしかにさっき聞いた話で工場ってワードは出てたけど、詳しくは聞いてなかったな」


『ええ、工場を建設しております』


「いいのそれ?」


『星間文明保持条約ですね?』


「ああそんなやつ」


『よくはないでしょう』


「いいねえ」


『……? その返答は文脈的に少々おかしいのでは? その単語がこの会話に於いて何を意味するのかが理解できません』


「嘘つくなよ、俺の記憶を引き継いでるんだろ? 言いたいことも少しは分かるはずだ」


LPは少し考えた様子で、一拍置いてから言う。


『……では、……この星でテクノロジーの制限などせず、好き勝手に行使されると?』


「わかってんじゃん」


『あまりおすすめは致しません』


「とか言って工場に案内するって言ってきたのはそっちだぞ? こうなることも予想してただろ?」


『……』


「心配するな、無暗に使うことはしないさ。バレなきゃ犯罪じゃない」


『戦争を無くそうとしている人の言動とは思えません』


「おい、お前も少し文脈がおかしいぞ? 戦争と犯罪は関係ないだろ?」


『広義で言えば戦争も犯罪も罪という点では同じように捉えることも可能です、全く関係ないとは言えませんね。無理やり揚げ足を取ろうとしないで下さい』


くそ、こいつ……「はい、論破」とでも言いたげな様子で、すました顔しやがって。いや、常にこんな顔だった……。イケメンな上に頭も回るとは……


隙がないな……倫理的な観点から反論してくるとは予想外だ。あの頭の固かったあいつはどこに?


「……まぁそれはいいとして、テクノロジーはちゃんと考えて使うさ、信じてくれ。やりすぎだと思ったらお前が止めればいい」


『……了解しました。工場にはいつでも案内できますが、早速行かれますか?』


工場がとても気になるところではあるが……


「いや、ちょっと待っててくれ……」


俺にはやらないといけないことがある、いままで何かと理由をつけて逃げてきた。



俺は村人達が集まっている方へと歩き出す。



そして、見つけた……


「ルミナ……ちょっと話があるんだけどいい?」


「どしたの? なんかあった?」


「ちょっと付いてきて……」


そう言ってルミナを連れて人気の少ない場所へと行く。


「レイ……なんだか嫌な予感がするんだけど?」


不安そうな表情を浮かべるルミナの顔を見て決心が揺らぎそうになる。しかしここで言わなければきっと後悔するだろう。


「ごめんなさい! 今まで嘘をついていました!」


「えっ!?」


「俺はフレイアスト・フォン・アトレイディス。アトレイディス辺境伯の次男で帝国の……貴族家の者だ……」


「レイ? なにを……」


「今まで嘘をついていてごめん……本当は記憶喪失じゃなかったんだ、ルミナに助けてもらったあの日。俺は屋敷を抜け出して一人で森に入った、そこで魔獣に襲われてあの洞窟に逃げ込んだ、そこでも魔獣に襲われて……そこでルミナに助けてもらって……それで…」


「そんな……」


「ルミナのやさしさに付け込んで、俺は記憶喪失だって嘘をついたんだ……」


「うそだよ……だって黒髪だし、闇属性魔法の適性だってあるんだよ?!」


「それは……俺にも理由は分からない…」


「そっか……」


「いままで言えなくてごめん」


「いいよ……帝国の人でも関係ない。一緒にいてくれたらそれでいい」


「おれは……」


「やめて! それ以上言わないで!」


「でも……」


「だめ! 絶対にだめ!」


「まだ何も言ってない……」


「わかるよ……レイが言いたいことくらい……折角またレイと一緒に暮らせると思ったのに……そんなの酷い!」


「ごめん……でも俺。行かなくちゃ……ここにいつまでもいたらいけないんだ。やらなきゃいけないことがあるんだ」


「嫌だよ……レイは私の弟なの! 今度こそ私が守るって決めたのに!」


「ありがとう……でも…」


「さっき本名はフレイアストって言ったよね? 私には弟がいたの、弟の名前はフレイ! レイは私の本当の弟なの! だから……だから…」


その話は俺も村長から教えてもらった。ルミナの弟の名はフレイ。そして過去に魔獣に襲われて既に死んでいることも……


「ルミナに弟がいたことは知ってる、フレイって名前だったのも……全部聞いた。でも俺がそのフレイじゃないってことはルミナが一番わかってるんじゃないの?」


ルミナの目には涙が浮かんでいる。それを見ると胸が締め付けられる……


俺が本当の弟だったらどれだけ良かっただろうか……ずっとルミナと一緒に育って……きっと幸せだっただろう。


「うぅ……でも、レイは……私の弟なのは変わらない! だから…」


今まで本当の弟の様に思って接してくれていたというのに、俺がしたことはなんだ? 裏切りだ……


「今までごめん。噓ついてたことは本当に悪いと思っている……俺が弱いせいで、言い出す勇気が出なかった……。でもこれだけは言わせて、俺もルミナを本当の姉の様に思ってる、今までありがとう。きっとまた会いに来るから」


我ながら、なんと自分勝手でわがままなのだろうと思う……


「いままで誰のおかげで生きてこれたと思ってるの!? 誰が狩りの仕方を教えて! 誰が家に泊めてあげて…」


「……! ルミナ」


「うっ…」


「待って!」


ルミナは走り去っていってしまった……


俺のせいだ……俺が今まで嘘をついてきたから……もっと早くに打ち明けていればこんな別れ方はしなくて済んだかもしれない。


『マスター……』


急に現れたLPに驚きつつも、目に浮かんでいた涙を即座に拭った。


「なんだよ、聞いてたのか?」


『いえ、ルミナ様が泣いて走って行きましたので何かあったのかと……』


「どうすればいいと思う?」


『どうとは?』


「……AIのお前に聞いても意味ないか…」


『……』


「あ。いや今のはナシで、悪い……」


『心外ですね? 私は感情を持たないAIですよ? 何を勘違いされて謝られたのかは分かりませんが、私から言えることは一つ……』



『このままでよろしいのですか?』


「……たくお前は」


こいつは本当にAIか? ただ、LPの言う通りだ。このままでいいはずがない、言われるまでもなく分かることだった。


『出発はいつでもいいですよ。お待ちしております。では……』


そう言い残して立ち去って行くLPの背中を見ながら呟く。


「まるで”生きている(Living)(Person)”だな……」



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ちょっとでも続きが気になると思っていただけたら是非お願いします!


LPの名前の由来。すでにバレてそうだなと思ったので早めに明かしました。笑

思い付きなので伏線でもなんでもないですが、それっぽく表現できていたらいいなと思います。

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