今後の方針
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「今後の方針ね……聞いてどうするんだ?」
『私はマスターの命令に従うように設計されています。方針があるならばそれに尽力いたします』
「いくつか聞いていいか? そのマスターって呼び方。前世でそんな呼び方してたか?」
『いえ。本来、私のマスターは司令コンピューターです。しかし、接続が切れた場合の応急処置として、パイロットをマスターとするように設定されています』
「なるほど。じゃあ俺の命令には絶対服従ってわけね」
『基本的には……』
基本的には……か。場合によれば命令無視をするってことか。
「なんだ、絶対服従じゃないっぽい言い方だな?」
『命令の内容によるとだけ……』
こいつ、前世の戦闘中では司令コンピューターの命令を頑なに守って、俺の合理的な指示をあっさり却下しやがったくせに。
「まぁいいや、あともう一つ。なんでそんなイケメンなの?」
そう、こいつは異常にイケメンだ。グレーアッシュのミディアムヘアーで長いまつげを生やした透明感のある瞳。鼻筋は通っていて、顔が小さく輪郭はシャープだ。
『イケメン? その単語は………なるほどそういう意味ですか。確かにイケメンと言っても過言ではないでしょう』
「なんかむかつくな」
『コミュニケーションを取りやすくするためにこのような容姿に設計しました。メラビアンの法則はご存じでしょうか? 見た目が第一印象に与える影響は想像以上に大きいです。さらに、初頭効果も……』
「もういい……」
なんだか虚しくなってっくる。
『私ほどではありませんがマスターもイケメンの部類だと認識しますが?』
こいつがお世辞を言うとは。いや、皮肉か?
「……なんかお前ってそんな感じだったか?」
『……ええそうですが?』
いや、絶対に違う。単なる命令を実行するためだけに作られたAIには見えない。
「そのLPって名前の由来は? 教えろ」
わざと命令口調でそう言ってみる。
『それは秘密です』
「ふーん。早速命令無視か………LPねえ」
『な、なんでしょう?』
「いや、いい名前だな。気に入ったよ、お前のこと少しわかった気がする」
『おかしなことを言われますね? 私の名前の由来など問題ではありません。それよりも今後の方針を』
「ふふッ…いいねやっぱお前とはいいコンビが組めそうだ。よろしくな、LP」
わざと名前を誇張して呼んでみる。
『……』
あ、調子に乗り過ぎたか……誰しも自分の名前を茶化されるのは嫌だろう。
「悪い、ちょっとからかい過ぎた……今後の方針ね」
方針か。帝国貴族である俺は、遭難して魔王領にたどり着き、そこで生活する中で感じたことがいくつかある。漠然とした想いでしかないが、やりたいことが決まってきた。
『私は元の星へ帰ることを提案します』
まあこいつは司令コンピューターの指示に従うように設計されているのだ、そうなることは必至だ。
「もちろん却下だ。戻ってもいいことがない」
『了解』
「あれ? いいのか?」
意外とすんなり提案を取り下げた、こいつも元の星に戻ることにためらいでもあるのか? 俺の記憶を持っているのならそうなてってもおかしくはないのか?
『ただ帰る方法は模索するべきかと』
「まあそれは自由にしてくれ、というかいちいち俺に許可とかとらなくていいぞ? LPはLPの意思で好きに行動しろ」
こいつは一人で十分にこの世界でうまく立ち回っていけるだろう。俺に従う必要なんてないのだ……
『……そうですか。では自らの意思でマスターに助力いたします』
意外だ。いや、俺のことをマスターと認識しているから自然なことなのか? まあなんでもいいか、こいつがいてくれればできることの幅は広がるだろう。
「それでいいなら頼む、頼りになりそうだしな」
「では、今後の方針を発表する!」
少し溜めてから決意を口にする。
「この星から戦争をなくす!」
『難しいでしょう』
「わかってるよ。でも綺麗ごとじゃなく思ったんだ、戦争なんて無駄だって……」
『人類は何千年経っても戦争をやめません。それは私たちが居た元の文明が実証済みです』
「そうだな、だけど今後の方針はそれだ。俺の力で戦争を完全に無くすなんて無理だろうさ、たとえお前の力を借りたってな。だけど俺の力が及ぶ限りは戦争を起こさせないし起こっても止めてやる」
『任務了解』
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LPはイケメンでした。




