スケルトンの軍勢 前半
話が少し長くなったので前後半に分けて投稿します。
後半は本日19時投稿予定です。ぜひブックマークしてお待ちください!
毎日19時頃投稿予定です。
俺は帝国との国境にある洞窟に向かい一人歩いていてた。帝国への斥候任務のためだ。俺がケイブサーペントに襲われたあの洞窟だ。
今回の依頼では必ず洞窟を抜け、その先を調査せよとのことだった。
元からそのつもりだったので俺の計画になんら変わりはない。俺は帝国に戻らなければいけないのだ、それは何も帝国への忠誠心とかアトレイディス家の次男だからとかいう理由ではない。
リーゼ村の人たちを守るためだ。
「くそっ…俺はどっちに味方をすれば……」
アトレイディス騎士団とリーゼ村の人たちが争うところは見たくない。
このまま国境近くで睨み合いがずっと続けばいいのだが、そういうわけにいかないかもしれない。
もし戦争が始まるとなったら俺は否応にもどちらに味方するか決めなければいけない。
最前線であるアトレイディス領に戻れば、少なくとも帝国の動向については真っ先に情報が入るだろう。
リーゼ村に残り続けるよりもできることは多いはずだ。
「戦争なんてものがあるから……」
いろいろな考えを巡らせながら俺は小高い丘を登っていた。
洞窟の入り口は村の南側にあるこの丘を越えた先の山の麓にある。
村を出発して数時間、丘の頂上まで登ってきていた。
「この辺で一休みするか……」
この丘の向こう側は魔獣が多く生息する地帯だ、ここでしっかり休憩をとるといいとルミナに教わった。
ここからはリーゼ村が一望できる。村の東側は山脈まで続く大きな森が広がっている。反対に、西側はだだっ広い荒野が広がるのみだ、おまけに靄のようなものがかかっていて遠くまで見通すことは出来ない。
「魔王領の景色はお世辞にも綺麗とは言えないな……」
ふと屋敷の光景を思い出す。美しい花々がつつましく咲いている庭園。澄んだ小池に、手入れの行き届いた雑木林……
屋敷での扱いは決して良かったとは言えないが、恵まれた環境で育ったことは確かだった。
「俺はなんだかんだ貴族のお坊ちゃんだったんだな……」
魔王領の過酷な環境でしばらく生活してみて実感した。
「はぁ……」
「ん? あれは?」
感傷に浸りながら殺風景な景色を眺めていると、村の西側の遥か彼方から土煙が上がっているのが見えた。
「なんだ?」
注意してみているとそれはだんだんと大きくなり。何かの大群だということが分かった。
真っ直ぐリーゼ村の方へ向かっているのが分かった。
「なんだよあの大群!」
なんの群れかは分からないが、村が危ないことは確かだ。
「どうする……戻るか?」
しかし、今は斥候任務中。任務など知ったことではないが、やっとアトレイディス領へ戻る機会と口実ができたのだ……この任務を放棄することはためらわれた。
一瞬だけ迷う。
「いや、迷うまでもないだろ……リーゼ村にはみんながいるんだ!」
俺は立ち上がり、来た道を全速力で引き返す。
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後半はついに…
いろいろあるのでぜひお楽しみに!




