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帝国の使徒とならん  作者: 紙後 雷太
1/2

昭和への遡り戦記 

「あれっ?」

 高校の同級生と、さっきまで福岡中洲の海鮮居酒屋で飲んでいた。今は朝日があたる川の土手に寝ているからだ。


 ゆっくりと仰向けの身体を起こすと、俺以外の8人の同級生は昨夜の服のまま未だ寝ている。


 「おい みんな起きろ」と大きな声を出すと、みんなもぞもぞと身体を起こしながら目をしばつかせ、辺りを見回しいる。


 「何だ!」 「ここどこ?」 「何が起こった?」

 先程まで飲んでいた全員が途方に暮れながら騒ぎ始めた。


 ここで同級生を紹介する。福岡の高校を卒業して8年皆それぞれの進路を歩んでいる。


 少弐大輔(俺)東京の国立大学文学部を経て近代   史を専攻する大学院生である

  

 川上陽子(俺の連れ)福岡の国立大学薬学部を経   て大手S製薬の研究部門に勤務している


 松岡 実 東京の私立大学政経学部を経てM総研   に勤務している  


 橋口 徹 大阪の国立大学医学部を経て大学病院

  に勤務している


 古賀慎一 福岡の国立大学工学部を経てM重工に

  勤務している


 古賀啓二 東京の国立大学工学部を経てPソニ

  ックに勤務している


 吉田克也 京都の国立大学理学部を経て核分子学

  を専攻する大学院生


 佐藤大吾 福岡の国立大学医学部を経て抗生物質

  を研究する大学院生である


 鈴木 恵 福岡の国立大学教育学部を経て文部科

  学省に勤務している


 盆休みで地元に帰省した福岡中洲でプチ同窓会を

していたはずの9人が、現在途方に暮れ絶賛川の土手で大混乱している。

 大吾が

 「木製の電信柱、笠がついてる電球!」

 と叫んだ。いつも落ち着いた彼が戸惑い、混乱している。

 誰かが 

 「中洲に木製の家にコンクリートの建物」

 「県庁がある」

 令和の県庁は中洲の近くにはない。


 そこに 着物を着ているおばさん?が、土手の向こうから歩いてきた。

 「あんた達は誰ね?おかしな服着てなんばしよっとね」


 その言葉を聞いて自分達が博多にいることに気づいた。

 俺はおばさんに

 「今日は何日ですか? 今は明治、大正、昭和の

どの時代ですか?」と尋ねた。


 「おかしかことば聞きんしゃあね。今日はお盆の中日で昭和11年(皇紀2596年)ばい」

 とおばちゃんが言った。

 

 俺たちは呆然自失状態になってしまった。

 

 

 誤字等ご指摘いただければ幸いです。

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