S2 . 世界の掟
うみのせかいをでてみると、そこはしらないことばっかりのせかいだった。
ぼくたちがすんでいたうみのせかいと、「ちきゅう」はおんなじせかいにあるはずなのに、ぜんぜんけしきがちがったんだ。
しらないのりもの、しらないおさかな、そしてたくさんの「にんげん」。
ぼくたちうみのせかいにすんでいるひとと、うみのそとにすんでいる「にんげん」は、にているようで、じつはちがうんだ。
にんげんは、うみのなかではこきゅうはできない。
ぼくたちはうみのなかでもこきゅうができる。
にんげんは、しょくしゅをもっていない。
もちろんかたちやおおきさはちがうけど、ぼくたちはみんなしょくしゅをもっている。
にんげんのかみのいろは、だいたいくろいろ。
ぼくたちは、うまれたときからかみのいろがカラフル。
もちろん、かみのいろが、くろのこもいる。
けど、みんなかみのいろがとてもカラフルなんだ。
ぼくはなんだかたのしくなってきて、うみのせかいをいきおいよくでたんだ。
さいしょのうちは、すごくたのしかった。
しらないものがたくさんみれたし、あたらしいこともおぼえた。
ぼくはとってもたのしかったんだ。
けど、ぼくはだんだんとこのせかいがおかしいことにきがついたんだ。
なんでぼくがこんなにもはしりまわっているのに、だれもぼくにきづかないんだろう。
だれもぼくにきづいてくれない。
そのことに、ぼくはだんだんとかなしくなってきた。
またぼくはひとりぼっちなのかなぁ。
またひとりなのかなぁ。
そうおもうとなみだがでてきた。
そして、ぼくはおもったんだ。
「だれにもたよらないようにしよう。ひとりでいたほうがらくだから」 って。
そうおもわないと、ぼくはさみしくてさみしくてどうしようもなかったんだ。
それからぼくは、ひとりであるきつづけたんだ。
だれにもきづかれることなく。
ひとりで。
なにもおもわずに。
そうしているうちに、いつしかさみしいとおもわなくなっていた。
ひとりでいることに、なんもかんじなくなったんだ。
まるでぼくのなかから、きもちがぜんぶなくなっちゃったみたいだった。
そんなある日。
とうとうぼくはちからつきて、しにそうだったんだ。
ああ、もうおわりなのかな。そうおもったときに、ある記憶がよみがえったんだ。
―――何があっても絶対にこの海の世界から出ては駄目ですよ。―――
―――出てしまった暁には、ある呪いがかかってしまいますからね。―――
―――ある呪いがかかってしまうと、
自分の姿が誰からも見えなくなってしまいますからね。―――
―――くれぐれもそうならないように気をつけてくださいね。―――
ぼくはぼうぜんとした。
そんな。
なんでぼくはずっとひとりぼっちなの...?
ねえ、だれかぼくのことをみつけてよ...
今回は字数通常通りで行けました。
そして安定の読みにくさ...
すいません。