3 . ロリとの出会い Part2
ロリが僕の目の前にいる。
あれほど現れないかと強く願ったロリが。
僕が頭の中に描いてやまなかった正真正銘のロリが。
そこにいる。僕の目の前に。
一つの事を除き、想像していたのとまんまの姿で。
え?え?え?
え?え?
え?
え、ちょっと、待って。
とりあえず、一旦落ち着こう。
すーはーすーはーすーはー
すーはーすーはーすーはー
すーはーすーはーすーはー
よしOK。えーと。
まずは状況を整理しよう。
①僕はロリが現れてほしいと願っていた。
②そしたらロリが僕の目の前に現れた。
うん。
改めて考えると突拍子もない話だな。これは。
しかし、どう見てもこのロリ訳あり系のロリだな。
でも、そこがまた良い。堪らない。
しかも背中から生える触手とか最高すぎんだろ。
『僕の性癖にどストライクだぜ☆』なんてね。あはは。
とにかく天使の化身であるロリが僕の目の前に現れた!
その事実は変わらない。
それだけで僕はもう十分だ!
そして、僕めっちゃ運良くね?
願っていた願いがすぐに叶うって俺どんだけ主人公補正かかってんだよ。
――いやいや。そうだ。そうなんだよ。
これは神様が僕に与えてくれたチャンスだ。
きっとそうに違いない。
神様が僕に道を与えてくれたんだ!
ってことで声をかけてみよう!
............。
んー。これは困った。
普段杏哉以外の人と話していないツケがここで回ってきたか。
そもそもどうやって声をかけようか。
僕は早くもその壁にぶち当たってしまった。
ここは無難に「君、どうしたの?」にするか。
いやいやでも、それじゃあちょっと普通すぎるな。
こんな可愛い人類を滅亡させかねないこのロリ様に、そんな言葉では失礼だろう。
それにこんな衝撃的な場面でありきたりな会話ってなんか嫌だし。
けどなぁ。
それ以外に思いつかないんだよなぁ。
実際問題、僕がこうやって考えているうちにこのロリはどっかに行っちゃうかもしれないし。
まあ、とりあえずこれで行こう。
“Simple is the best”
うし。この精神で行こう。
「君、どうしたの?」
よし。
よくやったぞ僕。
よく勇気を振り絞った。
偉いぞ僕。
「なんでボクにかかわってくるの?ボクにちかづかないでよ。」
「......。」
え、え、え、待って。
この子今、近づかないでって言った...?
ひょっとして僕嫌われちゃった...?
もしそうだったらこんなにも悲しいことはないぞ。おい。
「......」
え、本当にどうしよう。
詰んだ。
って言うか、何か地味に逃げられてるし。
ガチでこれは嫌われちゃったかも。
「......」
お願いだからなんか喋って....
すると。
「おにいちゃん、ボクのことこわくないの?いやじゃないの?きらいじゃないの?
なんでボクについてくるの?こわいよ。」
やっと喋った!!!
って言うか、さっきは気付かなかったけれど、この子、一人称が ”ボク” !?
やばい最高級に可愛い。
ボクっ子良いね。
最高。
しかも念願の ”おにいちゃん” 呼び。
もう最高。神の極み。
そしてボク、君のことを怖いとも嫌とも嫌いとも一度も思ったことはないぞ。
むしろ天使だと思うよ。
うん。最後「怖いよ」って言われたことについてはひとまずスルーだ。
「あのさ、おにいちゃん。」
うん。何でも言ってくれよボク。
君の言う事ならば何なりと聞こうじゃないか!!
何せ生まれてこの方運に味方をされたことがない僕への神様からのお告げだからね!
さあ、なんなりと言ってくれ!
僕が寛大な心を持ってしてなんなりと叶えさせてあげようではないか!
「ボクをひろってくれる...?」
...ん?
今なんて言った...?
何か、拾ってくれるとかそういう単語が聞こえた気がするんだけどなぁ。
お兄ちゃんの気のせいかな。
あははあははあはは。
「やっぱりそうなんだ。そうやってボクがおねがいをするとみんなはなれていく。
やっぱりみんなボクのこときらいなんだね。うわっつらだけなんだね。
――やっぱりにんげんってひどいね。」
そんなことは無いぞ!?
何を言っているんだこの子は!?
そんなつまらなさそうな顔しないで!お願いだから!
っていうか諦めるの早。思考回路とてつもないしな。
「ねえ、どっちなの...?はやくこたえてよ。
まあどうせみんなむりっていうんだろうけどね。
ボクはほかのひとたちにとってじゃまものなんだよ。いらないんだよ。
そうやってわすれられていくんだよ。もうやだよ。」
やばい。ちょっと涙出てきそう。
いつの間にかこんな思考回路になってしまったなんて......。
なんか母性出てきそう。んなはず無いんだけど。
だから僕はその子に声を掛けた。自分の思いを伝えるべく。
「僕は君のことを怖いと思ったことは一度も無い。
そして、君が良いなら僕の家においでよ。」
ああ言ってしまった...
さて、この子の反応はどうだろう。
「ほんと?じゃあいっしょにすむ。けどじゃまになったらボクをすててもいいよ。
ボクはそういうひとだから。けっきょくみんなそうなんだ。
さいしょはみんなそういう。けどあとからボクのことをだますんだ。」
なんてことを言うんだ!?
邪魔なわけがなかろう!!
「お兄ちゃんはそんなことしないよ。
――さあ、帰ろう。」
そんなこんなで僕とロリの生活が始まった。