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二人の本音と大砂嵐


 まさかこんな手段があったとは……。

 

 私はクドラトとの食事会があった翌日、一人で練習室に来ていた。私の座っている小上がりにはお茶セットが置いてある。

 先日クドラトから教えられたのは、私が知らなかったクラブ長の特権についてだった。

 

 

「クラブメンバー同士で揉めた時にクラブ長が当人たちを呼び出して話し合わせることができる『呼出し権』っていうのがあるんだよ。それを使えばイバンと王女を二人だけ呼び出すことができる。例え相手が王族だろうと、クラブ長の権限は行使できるはずだ。学院長が学生は平等だと言っているからな」

「『呼出し権』……そんなのがあるんですか。ハンカルは知ってた?」

「演劇クラブを作った時にもらったクラブ規程書類に書いていたと思うが……」

 

 え……そんなの書いてたっけ?

 

 ハンカルはチラリと私を見ながら続ける。

 

「王族の方にも使えるものだとは思っていなかったから頭になかったな」

「そうなんだ……」

「ディアナ、ちゃんとクラブ規程を読んだのか?」

 

 ハンカルに呆れられながら言われて私は目を逸らす。

 

 読んだよ。ささーっと……。

 

「ま、おまえがいるから二人きりということにはならないが、周りに側近がいない状態で話せるんだ。いつもと違う話ができるんじゃないか?」

「私がいて本音で話してくれるでしょうか?」

「さぁな。それはおまえ次第だろ。ま、せいぜい頑張れよ」

 

 

 と、そんなわけで私はその『呼出し権』というものを行使して二人を呼び出すことにしたのだ。なるべく二人との会話が外に聞こえないように、練習室の一番奥の小上がりを話し合いスペースとして用意した。

 今回は王子と王女のお付きだけでなく、ルザもここに入ることはできない。みんなには近くの教室で待機してと伝えたのだけど、護衛を兼ねている人たちは暖房灯を持って廊下で待つようだ。

 程なくして練習室に二人がやってきた。なんとなく王子も王女も戸惑った雰囲気を出している。

 

「お二人に対して『呼出し権』を使ってしまってすみません」

「それはいいのよ。『呼出し権』はクラブ長に与えられた権利ですもの。ディアナが申し訳なく思う必要はないわ」

「ああ、俺もシムディアクラブで使っていたものだから、気にしなくていい」

 

 さすが二人ともクラブ長をしているだけあって、こういう権利に関しては理解が早くて寛大だ。

 二人に席を勧めて私がお茶を入れる。王族の二人にお茶を入れることになるなんて思わなかったけど、ここには私しかいないので仕方ない。

 なんとなく気まずそうにしている二人の前にお茶を出して、私は用意していたお茶菓子の容器の蓋を取った。中にはイバン王子からもらったショコラドによく似たものが入っている。

 

「あれ? これは……」

「これ、イバンが贈ってくれたショコラド? まだあったの?」

「ディアナ、あれは今日まで日持ちはしないと思うが……」

「ふふ、さすがにあの時にいただいたショコラドは全部食べましたよ。これはショコラドのイメージをうちの料理人に伝えて作ってもらったなんちゃってショコラド、です」

「君の家の料理人に作らせたのか? よく作れたな……あれはザガルディでもまだ作れる職人は少ないんだが」

「うちの料理人は元々ザガルディ出身で、一度だけショコラドを食べたことがあったそうです。その記憶を元に、私からのイメージも聞いて作ってくれました。材料もアルタカシークで流通しているものなので、ショコラドとは少し違う味わいになってます。一口食べてみてください」

 

 私がそう勧めると、二人とも同時にショコラドに手を伸ばして口に運ぶ。

 

「! 本当だ、ショコラドに似ているが……少し違うな」

「これは……ミルクが多めに入っているのかしら。とても滑らかで食べやすいわ」

「ふふ、レンファイ様、さすがです。ショコラドの原材料はアルタカシークにもほとんど入ってなかったので、ミルクの量を増やして作ったんです。でも風味は残っていると思いませんか?」

「そうだな……逆に強いクセのようなものがなくなっていて、子どもにも食べやすいお菓子になっていると思う」

 

 イバン王子は感心しながらショコラド摘んで眺めている。

 

「ディアナ……このアイデアは……」

「うちの料理人は試しに作ってみただけと言っていたので、ザガルディの職人にそのアイデアを伝えるのは問題ありません」

「いいのかい?」

「これを商品にするつもりはないので大丈夫ですよ」

「そうか……」

 

 コモラの作ってくれたショコラドもどきのおかげで、二人の間の空気が少し和らいだように見えた。コモラは本当にいい仕事してくれる。

 そんな二人に私は微笑みながら話を切り出した。

 

「今日はお願いがあるのですが聞いてもらえますか?」

「お願い?」

「なんだい?」

「今この時間だけは、お二人には王子と王女という立場を横に置いて話をしてほしいんです。演劇クラブに所属してるただの学生として、ここにいていただくことはできませんか?」

 

 これはかなり失礼なお願いだ。大国の王子と王女に王族としての立場を忘れてくださいと言っているのだから。

 

「それは……」

「……難しいことを言うのね、ディアナ」

 

 二人は困ったような表情を浮かべて私を見る。生まれてから今までずっと王族として生きてきた二人にとってはとても難しいことだろう。でも、ここでそれができなければ、話はきっとうまくいかない。

 私は眉を下げて笑う。

 

「私にとってお二人は大事な人で、大好きな人です。だから、様子がおかしいお二人を、このまま放っておくことはできません。私にできることはあまりないかも知れませんが、それでもなにか力になりたいのです。私や演劇クラブのことを少しでも大事に思っていてくださるのなら、お二人の素直なお気持ちを聞かせていただけませんか?」

「ディアナ……」

 

 私の言葉を聞いてイバン王子が同じように眉を下げる。レンファイ王女も少し顔を伏せて戸惑うようにこちらを見た。

 

「素直な気持ちを話す……なんて、人からそんなこと言われたのは初めてだわ……」

「レンファイ様……」

「そんな顔しないで、ディアナ。私もディアナのことは大事に思っているわ。できるかはわからないけど、言いたいことを言えるようにはするから」

 

 レンファイ王女はそう言ってフッと笑う。

 

「このままじゃ演劇クラブの練習にも支障が出るものね」

「レンファイ……。そうだな、俺もなるべく王族の立場を置いて話せるようにしてみるよ」

「ありがとうございます」

 

 私は二人ににこりと笑う。そして、最初の質問を口にした。

 

「あの、どうしてお二人の演技がぎこちなくなったのでしょうか? 私はお互いに悩んでいることがあるからではと思っているのですが、どうですか?」

「……」

 

 私の問いに二人はお互いをチラリと見たあと、

 

「俺は……悩んでいるというより、心配していたんだ……レンファイのことを」

「……私も同じよ、心配してたの、イバンのことを」

 

 と答えた。

 

 悩みというよりお互いのことを心配しすぎてギクシャクしてたってこと?

 

「イバン様はレンファイ様のなにを心配されていたのですか?」

「それは、彼女の……これからについてだ。冬休み以降リンシャークは内部で揺れていたようだから。もちろん彼女ならちゃんと収められると思っていたが、その……相手のことがどうしても気になって」

「相手って誰のこと?」

 

 レンファイ王女がイバン王子の言葉に首を捻る。

 

「君の……婚約者になる男だよ。リンシャークの学生たちは君の婚約者になる男の一族とそれと敵対している一族に分かれて争っていたんだろう?」

「イバン……ディアナの前で……」

 

 イバン王子が言ったのはリンシャークの内情だろう。それを私の前で言ったことにレンファイ王女が眉を寄せる。

 

「ディアナに聞かれても問題ないよ。婚約者の話は現リンシャーク国王が決めることだし、それに関して諍いがあったとしてもディアナにはなにもできないのだから」

「……そうね。でも争いについては大丈夫だと前も言ったじゃない」

「しかし結局大丈夫ではなかったじゃないか。この前の爆発事件はその婚約者と敵対している一族が君に傷を加えようと思って起こしたことなんだろう? 君に瑕疵(かし)がつけば、君は表舞台に出られなくなり、妹に王座を譲る可能性が出てくるという理由で」

「えっ」

 

 イバン王子の告白に私は思わず目を見開いた。「そこまで知ってるのね」とレンファイ王女は目を伏せる。

 

「瑕疵がつくって……どういうことですか?」

「……あのキスラは強酸を撒き散らすといったでしょう? あの酸は大量に浴びるとそのあとに癒しをかけても痕が残ったりするの。犯人たちは私の顔や皮膚にその痕が残れば国民の前に姿を出すことはできなくなるだろう、そうなれば次期王の座は妹に譲るだろうと思ったようね。全く、呆れて物も言えないわ」

「そんな……! 自分の国の王女に傷をつけようとしたんですか⁉ なんでそんなことを?」

「犯人はアト族というのだけど、前にアトの州長から自分の息子を私の婚約者に、と言われたのよ。いろんな理由があって私はそれを断った。私が学院に来てからも私の父に何回も提案したそうだけど、父からいい返事をもらえなかったみたいね。そこで、じゃあ私じゃなく妹に自分の息子をあてがわせたらいいと考えたようで……他国の人には言うのも恥ずかしいくらい浅はかな計画を立てたのよ」

 

 レンファイ王女はそう言って首を振る。

 確かに少し聞いただけでも考え方が短絡的というか、頭のいい考え方とは思えない。爆発計画も杜撰(ずさん)で結局レンファイ様を傷つけることはできなかったし、使用人に姿を覚えられていたことで犯人はすぐに捕まった。

 

「でも私はその計画を事前に察知することができなかったし、命令書を出してもアト族を抑えることはできなかった。それは私の落ち度だわ」

「そんな……」

「俺はそうは思わない。確かに完全に抑えることができなかったのは反省すべきだが、それよりも俺はその婚約者の一族が少し不甲斐ないんじゃないかと思う」

「イバン……」

「本来ならその一族がアト族からレンファイを守るべきだろう? 自分の一族の代表がレンファイと結婚するのだから。彼らはアト族と対立することばかりに集中していて、君を守るという役割を忘れていたのではないのか? 俺は……そんな一族の男と結婚する君が……心配なんだよ」

 

 ああ、これがイバン様の本音か。

 

 眉根を寄せて少し声を落としながらそう言うイバン王子の表情は、心配と苛立ちが混ざったものだった。

 

 要は、レンファイ王女がこのままその男と結婚して大丈夫なのか、王女を守ってくれるのか、それが心配ってことか。

 

 レンファイ王女にもその真意が伝わったようだ。

 

「イバン……心配してくれてありがとう。でも、相手については私がどうこうできる問題ではないわ。それは貴方も同じでしょう? 親が決めた相手と結婚するしかない。その人がどんな人であろうと、私たちは国を治めていかなければいけないじゃない」

「それはわかってる……わかってはいるが……。君は俺と違ってすぐに王位につく。俺よりも何倍もの試練があるだろう。それを一番近くで支える男には……ちゃんとふさわしい者がなってほしいんだ。……君には幸せに、なってほしいから」

「イバン……」

 

 イバン王子はチラリと私を見たあと、少し遠くを見るようにして語り出す。

 

「君が誰にも言えずに一人で苦痛に耐えていた姿を、俺は今でも覚えてる。俺はあの時君に『お互いの痛みを分け合おう』と言った。俺と君は、その痛みを分かり合える唯一の相手だからだ。でもこの関係は卒業すれば終わる。そのあとの君を俺は助けることができない……それが辛い」

 

 そこでぐっと顔を歪めて、王子は自分の拳を握りしめた。こんな辛そうな顔をする王子は見たことがない。

 

「レンファイ……」

「やめて、イバン。それ以上言わないで」

 

 続けてなにか言いかけた王子をレンファイ王女が制止して、額に手を当てて俯く。王女もなにかに耐えているような、厳しい表情になっている。

 

「……イバン、貴方は本当に……心配しすぎよ。私も貴方の存在にずっと助けられてきたわ。それには感謝してる。でも、もういいの。これからは自分のことを大事にしてちょうだい。私のことに気を取られて、貴方が怪我を負うところなんてもう見たくない」

「! レンファイ、なぜそれを……」

 

 王女もイバン王子がシムディア大会で怪我をした詳細を知っているらしい。

 

「あの時、私がどんな気持ちになったか知らないでしょう? 本当に、心臓が止まるかと思ったの。血の気が引いて手が震え出して、あんなこと初めてで……」

 

 そう言って王女は自分の手をもう片方の手で握りしめる。あの時のことを思い出して震えている王女を見て、こちらまで心がギュッとなる。

 

 あの事件のあと、冷静に現場を仕切っていたレンファイ王女の内面が、そんなに揺れていたなんて……。

 

「無理されていたのですね、あの時……」

「立場上あそこを動くことができなかったから王女としてやれることはやっていたけど、本当は……」

 

 今度は王女がくしゃりと泣きそうな顔になる。

 

 これが王女の本音なのだろうか。怪我をした王子を見て思った以上にショックを受けたってこと?

 

「レンファイ……」

 

 意外なことを言われて、イバン王子が心を打たれた顔になる。だがレンファイ王女は首を振ってその表情をすぐに引っ込め、一度息を吐いたあと、今度は冷静な目でスッと王子を見つめた。

 

 あれ、なんか怒ってる? レンファイ様。

 

 コロコロと変わる王女の感情に私は戸惑う。

 

「貴方のことが心配でたまらなかったのに、そのあと詳しく調べれば貴方が怪我を負った原因が自分だったと知ったのよ。本当に……ショックだったわ。それと同時に腹も立った」

「え」

「イバンわかってる? 貴方はザガルディの跡継ぎなのよ? 私のせいで怪我をするなんて……本当になにをやってるの。貴方の体は貴方だけのものではないのよ?」

「な……それは、わかってはいるがあの時は咄嗟のことで」

「反射的に私の方を見てしまったってこと?」

「音が聞こえた方向がそうだったからつい確かめてしまったんだ。俺は、君のことが心配で」

「だから、それがもういいって言ってるの……!」

 

 バンッと机を掌で叩いて声を荒げる王女に、イバン王子は口を開けて固まる。レンファイ王女は、王子を見据えて絞り出すように次の言葉を口にした。

 

「私たちはもうすぐ卒業するのよ? お互いに次の関係性に移るのだからこれ以上はやめましょう」

 

 レンファイ王女がキッパリと言い切るのを見てイバン王子が目を見開いた。

 

「レンファイ……それは、つまり……」

「私たちの今までの関係はここで終わりということよ。これからは元に戻りましょう。ただの大国の王女と王子として、普通に接するの。私と貴方ならできるでしょう?」

「! レンファイ……君は……」

 

 あ、あれ? なんか話が思ってみなかった方向へ行ってない? え?

 

「レンファイ様、待ってください。なぜそうなるのですか? 卒業までイバン様とはこのままの関係でいいではありませんか」

「ダメよディアナ。私はもうイバンがあんな目に合うのは耐えられない。だから、これ以上彼に心配してほしくないの。私たちがお互いに気遣い合って怪我をしたらダメでしょう?」

「そんな……だからって今すぐ終わりにしなくても。危ない目になんかこれからは合わないでしょう? シムディア大会だって終わったんですし」

「……これは私たちが成長するために必要なことよ。卒業していきなり終わるよりいいと思うの……」

「レンファイ、本気で言っているのか?」

 

 険しい顔でイバン王子が王女を見つめる。レンファイ王女は王子を真正面から見つめてフッと笑った。

 

「今日は貴方の本音が聞けてよかったわ。ありがとうイバン。これからは大国の王子と王女として、演劇クラブの公演を成功させることだけを考えましょう? 貴方の心配をしなくていいなら、演技だって今まで通りできると思うわ。私、ディアナに悲しい思いはさせたくないの」

 

 さっきまで揺れていた王女の目は今は微動だにせず王子を見つめている。

 

 ええ……ちょっと待ってよ。なにこの展開。どうすればいいの?

 

 私がなにも言えないまま黙っていると、同じように黙っていたイバン王子が諦めたようにフゥ……と息を吐いた。

 

「君がその方がいいというのなら、それでいい」

「イバン様、本当にそれでいいのですか?」

「ああ。俺の心配は彼女には負担なようだから」

 

 少し突き放したような声で王子が言う。

 

 うわぁ、もう、王子もちょっと怒ってるじゃない。

 

「それに俺も演劇クラブに迷惑をかけるのは本意じゃない。四の月の公演に向けて全力でやるよ。『大国の王子として』恥ずかしくないものにするから、心配しないでくれディアナ」

「あ、あの……」

「そうね。私も『大国の王女として』立派にマリカを演じ切ってみせるわ、ディアナ」

「ええと……」

 

 完全に大国の王子と王女の顔に戻った二人に同時に微笑まれ、私は二人を交互に見ながら心の中で叫んだ。

 

 なんでこうなるの⁉

 

 そうして二人の話し合いの時間は終わった。終わってしまった。

 

 

 

 それからすぐにアルタカシークに大砂嵐がやってきて、今年は私も防砂作業に駆り出された。黄の寮の砂よけ窓を閉めたりするうちにすぐに時間が経ち、慌てて寮に籠る。今年は朝方に大砂嵐がやってくるので、夕方まで寮に缶詰状態になった。

 こういう時に相部屋はいい。みんなと他愛もない話をしたり、パンムーに芸を見せてもらったりして過ごす。それでも頭の中には王子と王女のことがどうしても浮かんだ。

 

 どうしよう……なんか、変な方向に着地しちゃったな。

 

 二人が今後演劇クラブの活動には迷惑はかけないと明言したものの、私の心は晴れなかった。

 

 だってまさか二人の築いてきた関係が急に終わるなんて思ってなかったし……。

 あの密かにわかり合っている、言葉にしないけどお互いを気遣っているという雰囲気が好きだったのに。

 

「ディアナ、大丈夫? なんか元気ないよ?」

「ううん、大丈夫。一応解決したから、大丈夫……多分」

「なによ、歯切れが悪いわねぇ」

「うん、なんか今はザリナに叱られたい気分」

「気持ちの悪いこと言わないでちょうだい!」

 

 そんなことを言ってるうちに大砂嵐が過ぎて、私たちは砂の大移動を見学しに寮の外へ向かった。

 

「うわぁ……!」

「すごい、なにこれ」

 

 砂が黄色の光に包まれて空へ上がっていく光景を見た一年生が目をキラキラさせて感動している。

 

 あれ? なんか去年より砂が上がっていく速度がゆっくりになってる? なんでだろ。一年生に見せるためのパフォーマンスとか?

 

 その日の移動の魔石術に少し首を捻りながら、私の頭の中は演劇クラブのことでいっぱいだった。

 

 

 

 

クラブ長の特権を使って王子と王女の本音を聞き出したディアナ。

しかしなぜか二人は特別な関係を解消し、

普通の距離感に戻るという選択をしました。

なぜこうなってしまったのか、ディアナの頭の中は大混乱中です。


次は ヤティリのひらめき、です。

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