2話
呼吸音だけが支配する部屋の中に、起動された機械音が鳴り響き始めた。
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段々とリアル側の意識が薄れ、電子の世界は没入していく。
「オ待チシテオリマシタ、ユーザー様。
ハジメテノ'ログイン'デスノデ初期設定ヲ
行ッテ下サイ」
よくあるゲーム物のチュートリアル空間という感じの真っ白の空間の中に機械的な音声が響き、青白いウィンドウが目の前にポップする。
「初期設定ヲ進行シマス。
アバターヲ作成シテ下サイ」
目の前にポップしたウィンドウにゲームを始める前に入力しておいたリアル側の俺の身体データが表示されている。
「アバターか、別にこだわりはねーしリアル側の容姿をちょい弄る程度でいいか・・・っとこんな感じかな」
ウィンドウ内に表示されているアバターに今しがた入力した項目が反映される。
リアル容姿の中肉中背で短く切りそろえられ軽くセットされた髪。
イケメンとまでは言えないものの、ある程度整った顔立ち。
これらが少し変わり髪色を灰色にし、肩まであるウルフヘアに、目の色も髪に合わせて灰色になっている。
「おし、アバターの設定は終わったぞ。次はなにを
やったらいいんだ?」
アバター容姿の設定が一通り終わったので、ウィンドウに向かって話しかける。
「アリガトウゴザイマス。
次ニ本ゲームニツイテノ説明ヲ行イマス」
「本ゲームハARMSノ名ノ通リ、武具ガ全テデス。
ユーザー様ガ扱エル武具ニ際限ハアリマセン、
二刀流デモ、八刀流デモ、オ好キニ使ッテ下サイ。」
「以上デ本ゲームニオイテノ説明ヲ終エマス。
デハ、ユーザー様ノnameヲ決メテ下サイ、ソノ後
初期フィールド『始まりの街 レフコス』エ転移シマス」