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日本国転生  作者: 北乃大空
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85話 アメリア占領統治政策 その2


1943年5月某日


 日本国市ヶ谷地区 国防総省総理執務室内



「斉藤博士、アメリアの占領統治は順調だと思うが、どの位国土を占領すればアメリアは降伏するのか?」


「総理、以前私が説明したとおりで、アメリアは全ての州が占領されなければ白旗は掲げませんよ」


「そうだったな。つまり州一つずつが一つの国と同等の政府機能が所在するのだから、最後の1州になるまで戦い続けるわけか」


「ハイ、そのとおりです」


「ま、年内の冬前には全て占領統治出来る形にはなるな」


「おそらく、そうなりますね」


「しかし、日本がアメリア全土を占領統治した場合、将来的にアメリアの国土全体を返還せざるを得なくなるな。

 問題はこの国が一つにまとまると、強大な力を持つ危険性が高いし、前世界地球でも同様に覇権国家して暴走していたわけだ。

 もう少し、英国とドイツが頑張ってくれれば外交的な駆け引きが出来たのだが、今の状態は完全に日本の一人勝ちが故に大変危険な状態ともいえるな」


「総理が危惧しているとおり、日本がアメリア全土を占領統治すると、国土を丸ごとに近い形で返還せざるを得なくなり、一つにまとまった形になり再び力を持つのは確かです。

 そこで、以前幹部会議で説明した通りでアメリア分割案を推進します」


「分割統治は、予定通りの国が参加するのか?」


「ハイ、当初の予定通りで日本をメインとして英国、ドイツ、メキシカの4カ国で分割統治を実施します」


「で、どのような分割をするのだ?」


「ハイ、それは、、、、、、、」



 斉藤は過去に自分自身が思い描いていた分割案に現状の状況を加えた修正案を総理に説明し始めていた。



・ハワイ、アラスカの2準州は日本領とする。


・カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの3州を日本領とする。


・アイダホ、モンタナ、ワイオミング、コロラド、ユタ、ネバダ、アリゾナ、ニューメキシカの8州をアメリア西部連合共和国として樹立させ、各州の自治体制は日本主導で100年間統治、その後共和国として独立するか西海岸の日本領に編入するかを住民投票で採決する自由を与えるが、アメリア中央連邦共和国と合併することは認めない。


・テキサス州をメキシカに割譲する。


・ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、ジョージア、ノースカロライナ、サウスカロライナの6州をドイツに割譲する。


・フロリダ州を日本領とする。


・メイン、ニューハンプシャー、バーモント、マサチューセッツ、ロードアイランド、コネチカットの6州であるニューイングランド地域を英国に割譲する。


・ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア、バージニア、メリーランド、デラウェアの6州とコロンビア特別区を100年間日本が統治する。

 100年後、6州とコロンビア特別区が独立国として独立するか日本領に編入されるかは住民投票で採決する自由を与えるが、別地域に統合されることを認めない。


・オクラホマ州をインディアン自治州として、州内白人の土地所有権を含めた一切の権利、財産等を没収する。

 州内白人はオクラホマ州から別州に移住する。

 但し、インディアン部族と婚姻した白人はその限りでない。


・ウィスコンシン、オハイオ、インディアナ、イリノイ、ノースダコタ、サウスダコタ、ネブラスカ、アイオワ、ミネソタ、ミシガン、カンザス、ミズーリ、ケンタッキー、テネシー、アーカンソー、ウエストバージニアの16州をアメリア中央連邦共和国として樹立させ、各州の自治体制は日本及び英国との共同で100年間統治する。

 統治終了後、共和国として独立するか、東海岸の日本領、東部英国領のいずれかに帰属するかは住民投票で採決する自由を与えるが、アメリア西部連合共和国を含めた他の地域との合併は認めない。



~アメリアの海外領土について~


・フィリピンは共和制として独立させ、日本連邦に所属させる。


・グアム及び南洋諸国は、日本領とする。


・バハマ諸島を除く西インド諸島を日本領とする。


・バハマ諸島をアメリアの英国分割譲渡交換分とし、日本領とする。



「こんな感じでアメリアを分割統治したいと考えていますが、次に占領統治政策について述べたいと思います」


 次に斉藤は占領統治政策についての詳細について語り始めた。



・元アメリア国内の道路通行方法は車両右側通行から左側通行に改める。


・日本統治地域において、元アメリア連邦法、各州憲法、各州法律、条例等は全て廃止し、日本国憲法、法律等を準用する。

 なお、英国との共同統治地域は日本の法律を準用させる。

 但し、商習慣や貿易上の取決め等は2カ国の協議事項とする。


・日本統治地域においては、ジム・クロウ法、ワン・ドロップルール等の人種差別的な法律は一切認めない。


・白人至上主義思想を推奨する個人、団体法人等はその存在を一切認めない。


・人種差別的行為を実施した者、団体、法人等(以下実施者略)は厳罰に処する他、実施者の財産等は全て没収し、権利等は全て剥奪とする。


・日本統治地域には、例外を除き石油を供給しない。

 理由は温暖化防止のためであり、代替エネルギーとしてNF炉発電所を設置して、脱石油(水素)社会を目指す。


・石炭火力発電所は認めない。

 理由は温暖化、公害防止のため。


・石炭利用については、製鉄用、化学合成用途を主な用途とする。

 なお、国内にある製鉄所は全て生産設備を見直し、CO2を含めた温室効果ガス拡散防止等の公害防止に努める。

 さらに国内にある全ての工場等は汚染物質の拡散防止に努める等公害防止に努める。


・家庭ゴミ、法人系廃棄物等は安易に埋立処理や焼却処理することなく、分別等を含めたリサイクル処理技術を駆使してゴミ拡散防止に努める。


・自然環境に悪影響を与える農業方法は、根本的に見直して改善する。

 例:オガララ帯水層等の地下水に頼らない灌漑農法を導入する。


・日本統治地域で、統治期間は第1言語を英語、第2言語を日本語とする。


・日本領等の永久統治地域は、第1言語を日本語、第2言語を英語とする。

 但し、アラスカ、ハワイについては第1言語を日本語、第2言語を英語及び現地語とする。


・日本語を含めた教育機関の設置については、別途に定める。



「総理、まずはこんなところでしょうか」


「うむ、英国の割譲分は妥当な線だな。

 それより、ドイツに何故南部地域を割譲するのか?」


「これらの南部地域は黒人奴隷発祥の地で、差別意識が根強く残っており白人の大半が白人至上主義に染まっています。

 日本の占領統治政策を実施すると、この地域から白人の殆どが居なくなってしまいます。

 そこで、アフリカを統治しているドイツに南部地域の一部を任せた方が良いと判断して、この地域を割譲することに至ったのです」


「成る程ね、日本側には黒人達を統治するノウハウが不足しているわけか」


「ハイ、そうです。彼等は長年白人達に虐げられていましたから、仮に白人達を排除した社会をいきなり与えられた場合、自分達で国造り出来るレベルまでに住民達の自治意識を向上させるには相当の期間が必要なため、統治上で階級差別するが住民を迫害しないドイツの統治システムが、南部地域には丁度良いと思い、ドイツに南部の一部を割譲しようとする理由です」


「ふむふむ、ドイツ割譲の件は納得した。フロリダは先日私が武蔵艦隊に与太話メールを送り、それを拡大解釈してくれたおかげで早いところ占領統治してくれたのだが、バージニア、メリーランド、デラウェアを飛び地のように日本が統治するわけは?」


「まずフロリダの件から説明します。

 フロリダを真っ先に日本領としたかったため、艦隊に指令メールを送るよう総理に依頼しました。

 その日本領とする理由は、現在は西インド諸島を英国が統治していますが、フロリダをドイツに占領された場合は、最悪ドイツと英国が結託した時点で、日本海軍がメキシカ湾とカリブ海から大西洋に進出することに困難が付きまとうからです。

 現在は英国、ドイツ共に友好関係を保っていますが、年月が経つと国家の体制が変わった場合にその保証が永続的に継続できるとは限りません。

 この方法は、地中海のジブラルタルをモデルにしたもので、海の航行を将来的に保証する担保といえます。


 次に残り3州を日本統治する理由は、アメリアの反逆の芽を摘み取るために他ならないからです。

 バージニアはアメリア海軍の中心地、ノーフォーク海軍基地を抱えており、ココを押さえることは、アメリア海軍の動きを殆ど封じることが出来ます。

 次にメリーランドは、首都のコロンビア特別区に三方接しており、メリーランドを手中にすることは、首都機能を押さえることが出来ます。

 最後にデラウェアは、アメリア国内にある半分以上の会社がデラウェア州に本社を置いているため、ココを押さえることでアメリア企業の半分を手中に収めると言っても過言ではありません」


「ふむ。飛び地の日本統治地域にはそんな意味があったのか。

 俺はてっきりワシントンD.C.を旧ドイツのベルリンのように分割するのかと思っていたがな」


「ベルリンは人口が多いのと、旧ドイツの象徴みたいなところがありましたから、2つに分割することは旧ナチスドイツの野望を打ち砕く意味合いを含んでいました。


 確かにコロンビア特別区(ワシントンD.C.)は政治の中枢でありますが、英国が統治すればロンドン風に、ドイツが統治すればベルリン風な都市になります。

 だが、ココは先に占領した国の権利としてアメリアに覇権国家としての野望を持たせないために日本が100年間統治して、この場所を日本風な都市に致しましょう」


「成る程ね、そういう理由か。このプランは分割だけでなく、占領統治政策もなかなか考えられているな」


「総理からのお褒めの言葉、恐縮です」


「だが、これらを実現するにもアメリア全土を占領することが先決だな」


「全くそのとおりです」


「だが、アメリアが無条件降伏前に講和に応じたらどうするのか?」


「我が国がハル・ノートで講和の道が絶たれたように、外務省にはアメリアが降伏前に講和を持ち出した場合は決して応じないように伝える予定です」


「そうか、了解した」



 中破総理と斉藤博士は、早期講和に応じた場合はアメリアが国力を取り戻して再び覇権国家の道を歩み出す危険性は高く、これらの行動を防止するために日本が転移したわけであり、アメリアに国力を持たせないための分割統治計画は何としても完遂しなければならないと感じていた。


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