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日本国転生  作者: 北乃大空
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78話 アメリア空爆 その1


日本時間 1942年7月5日 9:00


市ヶ谷中央指揮所にて



「申し訳ございません、総理。私の予測が大幅に外れてしまいました」


「アメリア陸軍がメキシカ国境手前約50kmの地点で駐留した件か?」


「ハイ、その件です」


「陸軍は敵1万5千機の航空機を抱えた陸軍航空隊が全滅して当てにしていた支援爆撃が無くなったため、うかつにはメキシカ領内には侵攻出来ずにいることだろう」


「ハイ、全く総理の仰るとおりです」


「博士、次の一手は考えているのだろう?」


「ハイ、次はアメリア国内の空爆を進言致します」


「ふむ、国内の空爆か。で、具体案はどのようなモノだ?」



 斉藤は中破総理にアメリア空爆の内容について、順次説明を始めた。


 爆撃目標は

・メキシカ国境付近で駐留中の陸軍部隊

・アメリア国内の各陸海空海兵隊基地

・アメリア国内の軍事工場及び軍事関連産業等


以上3点の空爆であった。



「具体的な戦術はどうなっているのか?」


「ハイ、順に作戦案を説明しますと、、、、」


 斉藤は、次に戦術及び作戦案について説明を開始した。


・メキシカ国境付近駐留の陸軍部隊は、メキシカ駐留空軍基地のF-15改、F-2改、A-10改が担当する。


・カリフォルニア方面各基地には、大和空母機動艦隊のF-18改、F-2改が担当する。


・テキサス方面各基地には、武蔵空母機動艦隊のF-18改、F-2改が担当する。


・シアトル方面各基地には、カナダバンクーバー駐留空軍基地のF-2改が担当する。


・B-1s 40機を本作戦空爆に使用するが、その内の20機をバンクーバーへ、残り20機をメキシカシティに配置する。


・バンクーバー配置のB-1sは、中西部、中部、中東部、五大湖方面を担当。


・メキシカシティ配置のB-1sは、南部、東南部、東部、東海岸方面を担当。



「ざっとこんな感じで空爆計画を進行させたいのですが」


「随分用意が良いな。もしかして俺がこの場でOKの承認を得たら、即空爆実行出来る手筈だったりして」


「ハイ、総理の見通し通りでございます。総理のOKが出たら直ちに部隊が動くように既に手配しております」


「フフフ、抜け目がない奴め。もしかして例の籠絡戦術の失敗をこの空爆作戦で補うわけか?」


「それもありますが、戦争は早期に終結した方が人的、経済的な損失が少なく済みますから」


「うむ、分かった。攻撃開始時間はメキシカシティの現地時間午前6時とするか」


「了解です。そのように前線部隊に指示します」



 斉藤は総理から空爆作戦の承認を得ると、直ちに各前線基地の部隊に空爆指令を伝えた。




メキシカシティ現地時間 1942年7月8日 6:00



メキシカシティ駐留日本空軍基地にて



 メキシカシティ空軍基地を午前6時に発進したB-1s 20機は、それぞれの爆撃目標である南部、東南部、東部、東海岸方面に向かった。


またバンクーバー空軍基地に待機していたB-1s 20機は、現地時間午前4時に発進し、中西部、中部、中東部、五大湖方面に向かって行った。


 次にカリフォルニア沖に停泊中の大和艦隊の空母2隻からF-18改、F-2改が発進して、カリフォルニア州内にある各軍基地、軍事工場等を爆撃して行った。


 また、武蔵艦隊の空母2隻からF-18改、F-2改が発進して、テキサス方面の州内各軍基地と軍事工場等を爆撃していた。



 日本軍の空爆作戦を実施する前日に、日本側の監視衛星はアメリアノーフォーク海軍基地から大西洋艦隊が離岸して行ったことを掴んでいた。

 当初、空爆情報が漏れたのではと思われ同艦隊が一時避難したのではないかと疑念が生じていた。


 監視衛星の情報はすぐさま空軍司令部に伝えられて同方向に早期警戒機を飛ばしたところ、フロリダ半島に向かって南下中であり、現在地はジャクソンビル西方約100kmの座標を航行中でおそらくメキシカ湾中央に停泊中の武蔵艦隊を撃滅するために動いたものと推察され、先の空爆情報の漏れでないことが判明した。


 そこで武蔵艦隊司令部は大西洋艦隊を迎撃するため、NF炉型巡洋潜水艦2隻が武蔵艦隊を離れてフロリダ半島へ一路向かったのであった。


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