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日本国転生  作者: 北乃大空
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67話 アメリア本土進攻戦略会議 その3


 斉藤は山元長官の求めにより、今後の軍略について順に語り始めた。


・西海岸地域を補給基地として、東部に進攻する。


・進攻速度は1州につき小規模州で約半月。

 大規模州で約1カ月で占領する予定。


・進攻時期は、アメリア反攻勢力を粉砕後とする。


・テキサス州はメキシカに割譲する。

 但し、同州の確保はメキシカ自国の軍隊で行うこと。


・進攻開始から3カ月程度で中西部まで占領。


・日本側はテキサスを除いて、アメリア全土を一旦占領する予定。


・ドイツへの最終割譲分は、ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、ジョージア、ノースカロライナ、サウスカロライナの6州の南部地域。


・英国の最終割譲分は、ニューイングランド地域


・残り地域は日本が占領予定。


・バージニア、メリーランド、デラウェア、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニアの6州とコロンビア特別区、フロリダは必ず日本が確保すること。



「取りあえず、こんなところでしょうか?」


「英国、ドイツへの領土割譲分が多過ぎるのではないか?」


「いえ、ある程度は両国に恩を売っておくことも肝要です。

 それに、両国に割譲する州は日本側が統治するには意外と手間が掛かるものです」


「手間というが、具体的にはどのようなことなのか?」


「まず英国割譲分のニューイングランドを含めた北東部は、英国出身者が多くプライドが高い住民が多数を占めるため、下手に日本が統治するよりは英国に統治を任せた方がスムーズに行くと判断し、英国側に割譲するわけです。


 次にドイツ割譲分は、この地域は南部が主体で黒人奴隷発祥の地であって、一応奴隷制度は廃止されているも人種差別法が制定され、白人至上主義が根強く残っています。

 現在、ドイツはアフリカ北、中部地域を占領しており、黒人社会を統治するノウハウを持っていますが、我々日本側にはそれがありません」


「それより、バージニア、メリーランド、デラウェア、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニアの東部6州とフロリダを日本が必ず確保する理由は何か?」


「ハイ、バージニアはノーフォーク海軍基地と造船所がありアメリア海軍の中核を成す州です。


 メリーランドは首都ワシントンを含むコロンビア特別区をバージニアと挟み込む形で包括する州です。


 デラウェアはアメリア国内企業の半数以上が本社を置いている州で、この州を押さえることによりアメリアの中枢神経を半分支配したと言っても過言では無いと思います。


 ニュージャージーはバージニアと同じ海軍関係の造船所が多数あり、他に軍事関連企業が沢山存在しているためです。


 ニューヨークはアメリア国内の経済中心地で、殆どの銀行、証券関係の会社が集まっている州です。


 ペンシルベニアは鉄鋼産業の中心地で、ココで生産される鉄鋼製品が軍事品の多数を占めるからです。


 フロリダはメキシカ湾とカリブ海の橋頭堡で、この半島をドイツ側に割譲すると日本側がパナマ運河経由で大西洋進出する際に支障をきたす可能性があるからです」


「ふむ、成る程ね。それよりメキシカには随分協力してもらっているが、我が日本が軍事作戦の協力をしなくても良いのか?」


「長官、メキシカにはアメリアに力尽くで国土を奪われたという歴史があり、メキシカとして国の矜持と威信を保つために、ココは自国軍隊で攻め取らなければ国民の自尊心を満足出来ないと思います。

 最も支援爆撃と武器供与はある程度協力しますが、ただ他人から与えられた領土と自分らが勝ち取った領土では、領土への愛着心が違うと思います」


「そういう理由でメキシカがテキサスに攻め入るわけか」


「ハイ、開戦前はテキサス以外にニューメキシコ、アリゾナの2州をメキシカに割譲する予定でした。

 しかし開戦後はメキシカ国内の内情を知り、この国の統治能力ではテキサス1国を辛うじて占領統治するのが精一杯であると判断し、残り2州の割譲を取り止めたのです」


「だが、博士。メキシカは我々が進攻作戦を開始するに乗じてテキサスに喧嘩を売るわけだよな。実際のところはメキシカは勝てるのか?」


「そうですね。メキシカ単独では勝利することは難しく、日本側が支援爆撃を継続実施しない限りは勝つ可能性は低いです」


「そんなに州一つに苦戦する程、お粗末な軍隊なのか?」


「ハイ、長官。我々が軍事支援と武器供与することで、江戸幕府と戦った官軍から日清戦争前後の軍隊程度までに進化しましたから」


「それ程旧式の軍隊だったの?そんな軍隊で本当にテキサスに勝てるのか?」


「いよいよ勝てない場合は我が機甲師団が軍事支援しますから、取りあえずは支援爆撃程度の軍事支援に留めて静観するしかないですね」


「実に頼りない軍隊だが、国情を考えると諦めるしか無いか」


「ハイ、まずは成り行きを見守るしかないですね」


「それより、博士。日本領になる地域はハワイ、アラスカ、西海岸の他にどの場所になるのか?」


「ハイ、日本が永久統治する予定地域はハワイ、アラスカ、西海岸地域にフロリダを加えます。

 次に英国、ドイツ割譲分とテキサスを除いた残りの州を日本側が当面の間を統治する予定です」


 斉藤は会議室スクリーンに映し出されたアメリア全土の地図を指し示しながら説明をしていた。


「当面の間とはどの位の期間なのか?」


「そうですね、大体100年位でしょうか」


「それって当面の間でなくて、租借地みたいなモノだな」


「そうですね。アメリア国民から白人至上主義思想を消去して、日本人思想に洗脳化するには100年位は必要かな?と思いました」


「成る程ね、アメリア国民を日本人化するわけか。少なくとも人種差別意識は低くなることは確かだな」


「博士、この割譲を地図で線引きしていくと北東部が英国で南部がドイツ、テキサスがメキシカに割譲、東部の一部と西海岸は全て日本側占領地というわけか。これではアメリアは海が無い国家になるな」


「流石、米内海相。この領土割譲の囲い込みに気付きましたか。

 覇権国家の囲い込みによりアメリアは内陸国になるわけで、今まで強大な海軍により海洋覇権を振りかざしていましたが、その脅威が消え去るわけです」


「ふむ、太平洋の島々の諸国を苦しめていたことが無くなるわけか」


「後はルーズベルト大統領が、いつ白旗を掲げるかですが」


「博士としては何か考えがあるのか?」


「総理、確か情報省諜報部隊はアメリア国内に潜入していますよね?」


「うむ、ホワイトハウスや連邦議会等の他、各新聞社等にも潜入させている」


「え?中破総理。そんなところにも潜入が可能なのですか?」


「山元長官。情報省諜報部隊には外国人部隊があり、アメリア国民として普通に生活出来る者を潜入させています。

 外国人部隊といっても国籍は日本人ですが、日本生まれの外国人子弟か混血種の若者達を情報省が積極的に採用して、スパイとして徹底的に訓練した者達なのです」


「総理、彼等を使って出来る限り白旗を上げて降参しないようにアメリア国内の世論を操作して欲しいのです」


「博士、早期講和に持って行った方が得策ではないのか?」


「早期講和が必要だったのは新日本が転移前の前世界で、帝国が太平洋戦争を起こした時でした。

 現在の新日本が転移して国力、武力、人的資源が増強された状態では、開戦後は徹底的にアメリアを叩いて二度と立ち上がらないよう国家を分断し、二度と覇権国家として活躍出来ないようにしなければなりません。

 そのためには可能な限りアメリアを無条件降伏させたいわけなのです」


「ふむう、何としても無条件降伏に持って行くわけか」


「だが、一応総理に世論操作を依頼しますが、ルーズベルト大統領は世論に左右されずに最後まで徹底抗戦するように感じます」


「博士、ルーズベルトが最後まで降伏しない場合の策は考えているのか?」


「山元長官、アメリアを完全占領を行うのが一番でしょうね。

 だが、その前に敵の戦意を完全喪失させるには何らかの強力な兵器を使用した方が良いかも知れませんね」


「強力な兵器とは何か?」


「山元長官は御存知ないかも知れませんが、前世界ではアメリカが原子爆弾という強力な兵器を日本に使用したのです」


「原子爆弾とは何なのか?」


「この世界には存在しないウランという核物質を使用した新型爆弾です。

 コチラの映像をご覧下さい」


 斉藤は大型スクリーンに原爆の本体と広島、長崎に投下する映像を投影し始めた。


「コレは凄い威力だ。そして無辜の市民に対して使用したことは残酷この上ないことであり、アメリカを鬼畜な国家と言わざるを得ないな」


「長官、この爆弾の使用は放射能が人間に何処まで影響するか人体実験的な面もあったようです」


「それに代わる爆弾はこの新日本にはあるのか?」


「核爆弾ほどの威力はありませんが、燃料気化爆弾を使用する予定です」


「ほほう、サーモバリック爆薬を使用した爆弾か。

 コレなら1発で連邦議事堂規模の建物ならば、跡かとも無く吹っ飛ぶな」


「流石、総理詳しいですね。元特殊部隊員出身で国防大臣も勤めているせいか武器・兵器類に精通してますよね」


「まあ、昔取った杵柄というところかな。それよりこの爆弾を使う前にアメリアが降伏してくれれば良いのだが、多分コロンビア特別区(ワシントンD.C.)まで占領しないと、彼は降伏しないだろうな」


「そうですね、これらの新型爆弾を使わないことを祈りたいものです」



 中破と斉藤は、新型爆弾を使う最終目標は連邦議会議事堂であることを決めていたが、可能な限り爆弾を使用しないことを祈念しながら戦略会議を終了した。


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