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日本国転生  作者: 北乃大空
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52話 殲滅!アメリア太平洋艦隊


 敵空母2隻を含む太平洋艦隊を攻撃に向かった信濃艦隊の中核である空母信濃は日本転移後以降に建造した艦船で、アングルドデッキ、電磁カタパルト等を装備し、さらに艦上機として初めて運用するF-2改も個々のテストはこなしていたが、本格的な実戦運用は今回が初めてであった。


 信濃艦隊は、空母信濃を中心にイージス艦3隻、巡洋潜水艦2隻、戦闘支援艦(戦闘型補給艦)1隻で構成されており、昔の空母艦隊を相手するならば、イージス艦1隻で充分対応出来たが、空母信濃の実戦テストを兼ねて信濃艦隊の空母以外の艦は信濃から離れ、指定海域で信濃の様子を遠巻きに見ていた。


 空母信濃は敵空母艦隊がいる海域へあえて舵を取って進行したところ、敵の哨戒偵察機に発見された。

 否、敵に発見されたというよりも、敵に空母信濃1隻しかいないことを発見させたというのが正解だろう。


 というのも、日本海軍の戦闘艦船全てはステルス素材及び光学迷彩機能が搭載され、忍者のように隠密行動も可能であった。

 だが、今回は光学迷彩機能は働かせず、空母上空に電磁バリアを展開して、そのバリアをスクリーン代わりにしてホログラムを投影していた。


 投影したモノは、1940年当時の空母信濃とその木製甲板にレシプロ機が数十機並んでいる姿であり、信濃が当時の古い空母と思わせることで敵が信濃を舐めて掛からせることで、敵艦載機を相当数発艦させ信濃を撃沈させる作戦行動を取らせるためと、敵戦力を試す目的もあってこのような偽装工作をしたのだった。



「敵さんの空母艦隊の位置は、ミッドウェー島西方約1,000kmの座標か。

 ウチの艦隊と敵空母との距離は約500kmだから、間違いなく攻撃に来るな」


「そうですね、艦長」


「副長!相手はどの位の航空戦力で来ると思うか?」


「そうですね、まずは半分程度の100機前後で来るかと」


「よし!ウチは10機で迎撃するか」


「ハイ、F-2改には短射程対空ミサイル12発を搭載出来ますので、約100機の敵部隊は充分対応可能でしょう。

 但し、次の第2波攻撃も考慮した方が宜しいかと」


「ふむ、よし!10機を短射程対空ミサイル搭載で第1波を迎撃、次の20機の内で10機を対空仕様に換装して第2波部隊の迎撃、残り10機を対艦ミサイルと誘導爆弾を搭載して、攻撃準備せよ」


「了解!」


 空母信濃から、まず第1波の迎撃部隊が発進した。



「副長。偽電波で敵第2波を誘い出すぞ」


「え?それは一体どのようにするのですか?」


「敵第1波が来る前に、デジアナ変換器を搭載した無人機を敵上空に飛ばし、敵第1波が過ぎた時点からアナログ電波を発信するのよ」


「電波の会話内容はどのように?」


「内容は

『現在、敵日本軍100機と交戦中、旧型機ながら手強く敵空母に近づけず、倍の戦力ならば敵空母を沈めることが可能で、早急に応援を請う。』

というモノを途切れ途切れにし、少し電波感度(メリット)を落とした感じの雑音を入れて、英語が流暢な者に喋らせるわけよ」


「なるほど。第1波の連中は、コッチの空母から発する電波がデジタルだから受信出来ないわけですか」


「そのとおり。第1波が我々の空母に近づいた時点で、空母からアナログ電波用の妨害電波ジャマーを発信し、敵空母艦隊に状況報告させないわけよ」


「艦長は実に策士ですね」


「副長、褒め言葉と受け取っておこう」


「それでは早急に準備に取り掛かります」


 その後、信濃艦長の予想通り、敵第1波の航空編隊は100機発進したことを長距離レーダーで確認し、頃合いを見計らって偽電波情報を流した。



 敵の第1波は信濃から20kmの座標で、迎撃部隊のF-2改10機に全て撃墜されて、海の藻屑に消えていた。



 敵第1波がF-2改の餌食になっていた頃、空母信濃では


「敵の第2波が発進したようです。レーダーと無人偵察機のデータから100機編隊のようです」


「フフフ、応援要請の偽電波情報は効果があったようだな」


「艦長、第2波をどうしますか?」


「副長!そんなの決まっていることだ。先の段取りのとおりで迎撃だ!」


「了解!航空管制に指示する。第1波迎撃部隊は上空待機させ、第2波迎撃部隊発進せよ!」


 空母信濃から次々とカタパルトで発艦して行くF-2改は総勢20機。

 その内の10機は第1波迎撃部隊と同様に対空仕様で、残り10機は対艦仕様に換装して発艦したのであった。



『ブラボーリーダーからブラボー隊全機へ。敵編隊がレーダーに確認された。

 間もなく迎撃態勢に入るので、各機スタンバイモードに移行する』


『ブラボー2からブラボーリーダー。どのように迎撃するのか?どうぞ』


『ブラボーリーダーから全機へ。そのまま聞いて欲しい。

 先の第1波迎撃でアルファ隊は、機関砲で敵機を迎撃したそうだ。

 今回F-2が改仕様で機動性がアップしたためと、機関砲がM61バルカンからGAU-12イコライザーに換装して機関砲がパワーアップし、弾倉容量が増量したことでそれを試し撃ちしたくて機関砲で迎撃したそうだ』


『ブラボー2 サブリーダーです。

 今更そんな古風な出迎えをする人がいるのですね。レシプロ機がジェット機の性能に追い付けないことは、パイロットなら誰でも分かっています。

 それを敵機を(もてあそ)ぶ行為に及ぶのは、武人としては如何なモノかと。

 自分なら一瞬でカタを付けるのが、武士の情けだと思いますが』


『了解、サブリーダー。君もそう思うか。俺と同じ意見だな。

 それじゃ、空戦に掛ける時間と機体にストレスを掛けるのは無駄と考えるので、我々はi3ファイターで実戦テストを兼ねて使用する』


『『『『了解!』』』』



 F-2改には、現在開発中のF-3に搭載予定のi3ファイターシステムを3年前から先行してテスト運用の形で搭載していた。


 i3ファイターシステムは、クラウド・シューティングとライト・スピード・ウェポンという機能を持ち、要はあまり狙いを付けずに発射したミサイルも、勝手にシステムが誘導して敵を撃破するという優れものであった。


 このシステムにより、味方機2機のミサイル2発が敵1機を狙う二重撃ちが無くなり、確実に1機1発のミサイルが当たるようになり、集団戦においてもミサイルの無駄撃ちが無くなった。


『ブラボー2からブラボーリーダー。

 全機データリンク終了、敵100機全てロックオン。

 ブラボーリーダーの発射ボタンで100発同時発射します。どうぞ」


『了解、それでは発射!』


 隊長機のブラボーリーダーが発射ボタンを押すと、横一列に並んで飛行していたF-2改10機の主翼下から100発全ての対空ミサイルが発射されて、一斉に火炎を吹きながら目標の敵100機に向かって行った。


 そのミサイル達は自らの意思があるみたいに、時には競い合い、また時には譲り合いながら、敵1機にミサイル1発が確実に当たるため、敵機パイロットは何が起きたか理解出来ずに次々と撃墜されて、ミサイルの爆煙が消えて無くなる頃には、敵機全ての姿が無くなっていた。


『ブラボーリーダーから全機へ。敵の第2波を全て撃墜、母艦に帰投する』


『『『『了解!』』』』


 一方、敵空母艦隊攻撃部隊のチャーリー隊は、対艦ミサイルを搭載した5機と対艦用誘導爆弾を搭載した5機が、敵艦隊に向かっていた。


『チャーリーリーダー、敵艦隊は空母2、巡洋艦3、駆逐艦5、補給艦2隻の編成で、ここから約100kmの座標を東に航行中です』


『了解、チャーリー2 サブリーダー。補給艦2隻は除き、他の艦の足を止める。ミサイル班、1機2艦ずつ機関部を標的に攻撃用意!どうぞ』


『了解、敵艦隊後部機関部にロックオン。何時でも撃てます、どうぞ』


『了解、よし、準備次第撃て!』


『了解、発射!』


 F-2改に搭載された対艦ミサイル10発は、100km先の海上にいる敵艦隊に一直線に向かって行った。


『チャーリー2からチャーリーリーダー。おお!今度の対艦ミサイルは速いですね』


『ハープーンは音速以下で、結構戦闘機がミサイルを追い越したからな』


『今度の新型はマッハ3以上だそうです』


『その速度なら、ウチのF-2改が追い越す心配はないな』


 ミサイル発射して1分半後、10発のミサイル達は輸送艦2隻を除き、全ての戦闘艦船後部を撃ち抜くように確実に1発ずつ命中していた。


『チャーリー2からチャーリーリーダー。無人機から映像データが送信されて来ましたが、輸送艦を除いて見事に後部機関部に命中していますね』


『よし、爆撃班全機へ。俺と共に爆撃に向かうぞ。なお、輸送艦は決して破壊しないように。後の戦闘艦船は好きにして良いから確実に撃沈すること』


『『『『了解!』』』』


『ブラボー3からブラボーリーダー。一つ疑問があり質問します。今回輸送艦を残す理由は何でありますか?どうぞ』


『ん?それは戦闘で生き残った乗組員を救助活動をさせるためだ』


『人道的救助は理解出来ますが、他には別の目的があるのですか?』


『我々の圧倒的な武力を、生還したアメリア兵士達に語らせる為よ』


『なるほど、了解!』


 敵空母艦隊の爆撃に向かったF-2改5機は空母エンタープライズ、空母レキシントンの2隻の他、巡洋艦3隻、駆逐艦5隻全ての戦闘艦船を撃沈させた。


 今回の戦闘で、あえて残された輸送艦は海上を漂っている乗組員を救助しながら白旗を掲げて、一路ハワイオアフ島に向かって行った。



 今回の真珠湾攻撃、ミッドウェー島攻撃、太平洋空母艦隊攻撃の結果は、日本軍の圧倒的、否、完全完璧な勝利といえた。



 なお、両軍の損害については次のとおりであった。



アメリア軍


真珠湾被害分

 戦闘艦船等全て沈没、戦艦8隻、巡洋艦8隻、駆逐艦30隻、フリーゲート艦40隻、海軍航空機約400機、陸軍戦車、装甲車、高射砲等多数、陸軍航空機200機等の兵器類等は全滅、海軍基地、陸軍基地、海兵隊基地建物全て全壊、他レーダー基地、通信関連施設等建物ほぼ全壊。

 戦死者 陸海空海兵隊併せて約1万人


ミッドウェー島被害分

 飛行艇20機、砲門30門、海兵隊員約1,000人死亡、基地施設全壊。


太平洋空母艦隊

 空母2隻(エンタープライズ、レキシントン)、巡洋艦3隻、駆逐艦5隻は全て沈没、輸送艦2隻のみ軽い損傷。

 空母艦載機200機全て撃墜、パイロット生還者0、艦船死者約1,600人



日本軍

 人、物共に損害0



「な、何?我が軍の損害が0だと?敵の損害は甚大なのに」


「山元長官、コレが100年分の技術力の差なんです」


「しかし、作戦参謀。昼前までに勝負が付くとは」


「次の上陸部隊が午後までに到着して上陸作戦を開始しますから、早めに敵勢力の大半を削いで置かないと、上陸部隊に要らぬ被害が出ますので」


「大半といっても、敵はほぼ全滅じゃないか」


「一応、まだ島内にいる敵部隊が白旗を掲げていませんし、降伏の意思表示をしていませんので、まだ戦闘状態は継続中です」


「おっと、我々が話しているうちに上陸部隊が到着したようですね」


「参謀、アレは何だ?」


「ああ、アレはLCAC(エアークッション揚陸艇)ですね」


「凄いな!戦車みたく重い車両も運べるのか」


「そうですね、70トン前後まで積載出来ますから」


 山元司令長官と作戦参謀が海上を眺めていると、彼等の頭上をローター音を出しながら通過して行くモノがあった。


「な、何だ?あの形のモノは飛行機なのか?」


「あ、アレはオスプレイ改です。ヘリより速度が速く航続距離も長い。そして部隊人員も多く運べますから」


「ヘリとはヘリコプターのことか?」


「そうですが、新日本では相当数のヘリが運用されています」


「それでは、あのオス某もヘリコプターみたく垂直離着陸が出来るのか?」


「ハイ、そのためのティルトローターですから」


「ティルトローターとはヘリコプターみたいなモノか?」


「水平飛行の時は回転軸が進行方向に向いていますが、回転軸を垂直に立てることで、垂直離着陸が可能になるのです」


「す、凄い技術だ。戦争のやり方が根本から変わるな」



 オアフ島に上陸した強襲揚陸部隊の日本軍海兵隊は、島内の残存勢力を全て排除して敵の総司令部に降伏勧告を行ったところ、太平洋艦隊司令長官である『ハワード・キンメル』はピストル自殺、ハワイ方面陸軍司令長官である『ウォーレス・ショート』は白旗を上げて降伏した。


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