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日本国転生  作者: 北乃大空
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43話 メキシカ及び中南米諸国との交渉 その2


1940年7月上旬



 三木一行は、既に艦隊をアカプルコに入港させ、おおすみ改に搭載していたSH-60K改でメキシカシティに到着し、メキシカ大統領と対面して交渉を開始していた。


「つまり、三木特使は今から1年半後に日本とアメリアとの間で戦争が起きるから、我がメキシカはその戦争に備えよというわけですか?」


「ハイ、そのとおりです。メキシカが過去失った『アルタ・カルファルニア』と『テキサス』の全てとは言えませんが、その一部の領土でも取り戻したくはないですか?」


「確かに取り戻したいが、そんなことは不可能だし夢物語だ。

 それに今現在のアメリアの軍事力は、メキシカ軍は絶対敵わない」


「私達日本の軍事力を提供したら如何でしょうか?」


「そんなに日本の軍事力は優れているのか?」


「日本には『百聞は一見にしかず』という諺があり、実際に見てもらう方が話が早いと思います。まず、私達が乗ってきたヘリコプターで艦隊まで大統領を御案内します」


「分かった。特使と一緒に行こう。特使が乗ってきた飛行機、否、ヘリ何とかだったか。コレには何人乗れるのか?」


「最大定員で12名です」


「そうか、それでは私を含めて10名で行こう」


「分かりました」



 三木達は大統領一行と共にヘリでおおすみ改の上部甲板に到着した。


「コレは大きな船だな」


「開発当初はかなり大きい船でしたが、現在ではコレの3倍強もある船も運用していて、この船は改造を加えて現在は強襲揚陸艦として使用しています」


「強襲揚陸艦とは何ですか?」


「それについては、直接自分の目で確かめた方が早いでしょう」


 三木は大統領一行を搬送用エレベーターに乗せ、下の車両甲板に案内した。


「な、何だこの広さは!とても船の中とは思えないぞ」


「それではコチラのカートに乗って下さい。

 皆様方をウェルドックに御案内します」


 大統領一行がウェルドック甲板横の通路に到着すると、予めウェルドックには海水が注水され、エアクッション艇の1隻目がドック内に浮いており、2隻目は滑り斜面上で待機していた。


『三木だ。スターンゲートを開けてくれ』


 三木は無線で艦橋に指示を出すと、船の最後尾部分の扉が開き始めて、外の光がウェルドック内を照らし始めた。


『上陸班、模擬演習開始!』


『了解!』


「凄い!船の中に海水が入っていたのはこういう訳か」


 再び三木は無線で指示すると、上陸班を乗せたエアクッション艇はバックで発進する形で船外に出て、1隻目が出る頃合いを見計らって2隻目も滑り斜面を降りて船外に出て両隻共に陸に向かった。


 2隻のエアクッション艇には、74式戦車1台、73式装甲車1台他海兵隊員100名がそれぞれ分乗し、港横に広がる砂浜に上陸後に戦車、装甲車、部隊員を降ろして、砂浜に上陸作戦を展開していた。


 その上陸状況を、ウェルドック甲板の壁に設置されていた大型モニタが放映しており、それを一行は食い入るように見つめていた。


「おお!あの上陸艇から戦車が出て来たぞ」


「大統領、戦車のような重い車両でも積めるとは凄い性能ですね」


「しかし、あの素早い部隊展開は素晴らしいな」


「同感です」


 上陸した歩兵部隊は、迫撃砲、無反動砲を使用して予め設置されていた演習用標的に向かって攻撃を開始し、次に74式戦車の主砲射撃を行った。


 その様子を見ていた大統領一行は、武器・兵器類等に対する驚きと畏怖に心が支配されていた。


「如何ですかな?我が国の兵器は」


「う、売ってくれないか?あの戦車を50両で良いから」


「分かりました、大統領。そうですね、74式戦車500両、装甲車500両、軍用飛行機2,000機を提供致しましょう」


「そんなに沢山の兵器を提供してくれるのですか?」


「ハイ、その代わり代金はメキシカで産出する銅、鉛、金、銀等の鉱石で結構ですから」


 三木は、直接購入代金を貰うより、鉱石を日本に輸入する方法をメキシカ側に提示していた。


 鉱石では嵩張るのではないかと思われがちだが、この時代の製錬技術は稚拙であり、日本の最新製錬技術から比べると雲泥の差であった。

 つまり、メキシカ現地で精錬するよりも日本国内で精錬した方が、少なめの鉱石量であっても、多量の金属を得られることが出来るからであった。


 また、鉱石輸入に伴って海運関係や製錬メーカーを含めた様々な国内産業を潤すことで、国内景気を良くするためであった。



 なお、諸外国に兵器供与する軍用飛行機は旧日本帝国軍の旧型レシプロ機で、複葉機の大半は中国や東南アジア諸国に輸出していた。


 また量産途中だった単葉機は練習機としたが、まだ1万機以上の軍用の単葉レシプロ機が日本国内にあり、これらの引取先としてメキシカと中南米諸国が浮上し、これらの国々を日本の味方に付けるために、旧型レシプロ機を含めた旧兵器類が良い取引材料となっていた。


「鉱石の他には、何か日本側が必要なモノはありますか?」


「必要なモノではなく、場所をある程度、否、半ば恒久的に使用させて欲しいのです」


「それは何の場所ですか?」


「メキシカ国内の各飛行場ですね。

 この飛行場を我が日本国空軍の基地として使用したいわけです。

 出来れば勝手ながら、貴国からの燃料供給を戦時の間は無償協力を頂きたいのです」


「その件は了解しました。それより、日本はアメリアといつ戦争状態になるのでしょうか?」


「大統領、その件は内密にして欲しく、、、、、、」



 三木は、大統領に開戦時期を含めた軍事的協力事項について説明を始めた。


・開戦時期は来年の冬頃で、必ず日本側から宣戦布告をする予定である。


・メキシカは、日本がアメリアと開戦しても当面の間は傍観すること。


・日本がアラスカを占拠した時点で、メキシカ国内の空港を借用する。


・アラスカ、メキシカの両空港からアメリア国内を空爆する。


・国境沿いのメキシカ側の都市に、日本陸軍が当面の間駐留する。


・空爆後、日本はメキシカ側からアメリア国内に進攻する。


・メキシカ軍は、日本軍の攻撃に乗じて進攻すれば領土を拡張出来るが、日本軍との衝突を避けるために、当面はテキサス獲得に専念して欲しい。



「大統領。以上のことを遵守して貰えば、大いに日本側は助かります」


「三木特使、これだと余りに我が祖国が優遇され過ぎです」


「良いのです、大統領。日本はアメリアを攻めるための足場が必要ですから」


「分かりました。我々も攻める時期を見極めて参戦したいと思います」


「それでは、宜しくお願いします」



 三木一行は、メキシカとの外交交渉を終えて軍事秘密協定を締結し、その足で中南米各国を回り、各国政府に兵器供与セールスを行い、兵器供与の代金の代わりに地下資源の獲得に努めた。


 但し、三木に同行していたガヴリエルは、メキシカ及び中南米諸国の政治家達の精神操作をする予定でいたが、三木の外交的手腕の高さで次々と外交交渉を成功させるため自分の出番が無くなり、その不満を毎晩三木とベッドを共にすることで解消していた。


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