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日本国転生  作者: 北乃大空
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11話 傍観者 在日米軍の感想


 日本と韓国はアメリカの軍事同盟国であったが、日本と韓国の間には日韓基本条約のみで、軍事同盟の類いは一切存在していなかった。


 それでもアメリカを中心とした三角軍事協定が結ばれていたが、韓国が北への統一志向に傾いて、まだ北と統一する前は日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)はまだ辛うじて保たれていたが、北との統一後は同協定は完全に破棄されて韓国は日本を敵対国と認定し、ついに日韓戦争が勃発した。


 在日米軍は、日韓共に軍事同盟を結んでいた仲であったが、韓国の北朝鮮との南北統一により作戦統帥権を返還し、韓国内から全ての米軍基地は退去していた。


 それ以降は日本は同盟国、韓国は元同盟国という扱いであったが、日韓関係がギクシャクして最終的には戦争に発展する可能性を予想しており、元同盟国と同盟国の内輪揉めという理由で、アメリカはあくまで傍観者的な立場でいた。


 だが、韓国のために国内に駐留していた在韓米軍を、国外に追い出した韓国に対するアメリカ側の感情は『恩を仇で返す』敵性国家として認定し、これらの恨みを日本側に晴らしてもらおうと次第に考えるようになっていた。



 2035年6月、ついに韓国軍は日本に軍事侵攻を開始したものの、韓国海軍艦隊全ては日本国防海軍に全て撃破され、また韓国空軍及びミサイル部隊も日本国防空軍の空爆を受けて全滅状態だった。



 在日米軍横田基地内在日米軍司令部にて


「日本と韓国の戦争が、こんなにワンサイドゲームになるとは思わなかった」


「そうですね、司令官。だけど、日本、韓国共に我が国が提供した兵器を使用して戦争を行ったわけで、そんなに兵器差は無いように思うのですが」


「作戦参謀、確かに兵器差はあまり無いように見えるが、日韓でどんな違いがあったために、ここまでの圧倒的な差が付いたと思うか?」


「私もコチラに赴任したばかりで、正直言って日本と韓国も同じアジアの一国で、その違いがよく分からないのです。その点を日本滞在が長い司令官に御教授を願う次第です」


「そうか、半年も日本にいればその違いが分かるようになるのだがな。まあ良い、実は、、、、、」



 司令官は作戦参謀に日本と韓国の技術的な違いを歴史順に説明して行った。


・日本には伝統的文化を継承する職人は存在するが、韓国には存在しない。

・日本は職人を尊ぶ文化があるが、韓国は職人が蔑まれる社会である。

・日本の基礎技術は9世紀頃に既に日本刀の鍛造技術が確立されていた。


 16世紀に鉄砲伝来した後、あっという間にその製造技術をマスターして、オリジナル以上の鉄砲を造り上げ、当時の鉄砲所有数は約50万丁以上で世界一の保有数だった。


「凄い話ですね、鉄砲50万丁ですか?16世紀だと中世ヨーロッパですよね。

 その時代にそんな数の鉄砲を造れることは尋常じゃない技術でしょ。

 ちなみにオートメーションはないから、当然ながら手作りですよね?」


「日本刀を見れば、その手作りの素晴らしさを理解出来るだろう。私は日本刀より綺麗な刀剣を見たことがない」


「そうですね、日本刀は確かに素晴らしいです。それに日本製のあらゆる品々は高品質で世界一と言っても過言ではないですね」


「ちなみに君は知らないと思うが、照準装置のレンズやカメラ関係は全て日本製だし、何より優れているのは『ネジ』を含めた基礎技術の世界一が多い」


「日本製カメラは高性能ですが、何故ネジなのですか?」


「一眼レフカメラのレンズで、ピント合わせをオートからマニュアルに切り替えて見れば分かるぞ」


「え?あ!そうか。手回しピント合わせ部分のリングも気が付かなかったが、ネジが使われているんだ。司令官、他にも何かありますか?」


「そう、ネジの他には『ベアリング』と『スプリング』だな」


「ベアリングとスプリングですか。そういう基礎の金属部品も品質が良いのですね」


「ドイツ製もアメリカ製よりは相当品質は良いのだが、耐久性には日本製にはかなわないな」


「そして何よりも優れているのは電子部品だ。ちなみにシリコンウェハー研磨機は90%以上日本製だし、100%日本の企業でしか出来ないモノもある」


「え?日本がいないと世界の電子産業が止まってしまうのですか?」


「その通りだ。電子産業に限らず全ての産業と言った方が適切だな。それ故に我々は日本を守らなければならないんだ」



「司令官。話を元に戻して、日本と韓国との技術差はどの程度なのですか?」


「ウーン、大差があって例えるのが難しいな。しいて言えば『月とスッポン』か『天地の差』と言った方がピッタリで、日本は世界の科学技術の発展で世界で絶対必要な国家だが、韓国はこの地球上から無くなっても全く困らない国家だな」


「そうですよね。私の友人で、韓国製スマートフォンが使用中に突然爆発したという話を聞いたことありますね」


「スマートフォンはスマート爆弾じゃないんだから普通は爆発しないはずなんだが、韓国製のモノは一事が万事、全てのモノにおいてこんな調子なんだ」


「だから、先の海戦で韓国イージス艦のミサイルが日本艦隊に向かわないで、明後日の方向に飛んでいったのが理解出来ます」


「ミサイルに限らず、戦闘機も同じ状況だ。

 例えば、韓国が5機の戦闘機を我が国から購入したとする。

 そのうちの1機は必ず全分解するんだ」


「全分解してもキチンと組み立てれば元通りになるじゃないですか?」


「全分解でも、分解したら元に戻せませんよと警告したブラックボックスまで分解するから、元に戻せずにその戦闘機は使い物にならなくなるわけだ」


「ブラックボックスまで分解するとは困った国ですね。しかし何故全分解するのですかね?」


「韓国お得意のリバースエンジニアリングで、同じモノを国産技術で造ろうとするのだが、如何せん基礎技術の裏付けが無いため、張り子の虎みたいなモノばかりで、ようやく出来た戦闘機も飛び上がらないか、飛んだとしてもマトモに飛行しないものばかりだ」


「その点、日本は違うんだな。キチンとライセンス料を払ってライセンス生産をしてしまうが、その軍需技術が他産業へスピンオフしてしまう程に技術力の底力が凄いんだな」


「さらにモノに対して整備する概念が圧倒的に違いがあるんだ。

 戦闘機を飛ばしていて、ある部品が壊れたとする。日本は本国から部品取り寄せは時間が掛かることを理解しているから、始めからライセンス生産で部品の果てまで国内生産するため、修理部品が直ぐに手に入り整備が可能な訳だ」


「韓国はそういう場合はどうするんですか?」


「先程、全分解した戦闘機を整備用に回すように、俗にいう共食い整備が主流だな」


「それでは折角購入した戦闘機の数がドンドン減ってしまうじゃないですか」


「だから、日韓戦争では韓国側のまともに動く戦闘機が殆ど無かった訳だ」


「戦闘機はアメリカ製としても、韓国海軍の艦船は国産ですよね。この艦船は一応兵器として機能したのですか?」


「確かにキチンと動けば、兵器としては有効になるはずなんだけどな」


「え?動かなかったのですか?」


「韓国製が故に問題があるわけよ。甲板上の自軍ヘリを射程に収める機関砲、存在しない物体が映るレーダー、20度以上の誤差が出る磁気羅針盤、目標の反対側に飛んで自爆する対空ミサイル、新造揚陸艦の処女航海中にディーゼル発電機が全て壊れ、母港へ帰還不能になった等々の故障を挙げたらキリがない位にボロいんだ」


「司令官、今の説明は漫画みたいな冗談な話に聞こえるのですけど、本当の話ですか?」


「ああ、全て事実のことだ。韓国の技術はクソ以下の何物でもないな。何せ得意技はリバースエンジニアリングで、それで造られるものはデッドコピー品。日本のようにオリジナル以上のモノを造り上げる技術の欠片すら持っていないんだ」


「オマケに海軍のミサイル艦に取り付けてあったソナーは、漁船に使用されている魚群探知機だったんだ」


「今回戦ったのは海軍でしたが、一応陸軍はそんなに装備が無いから海軍ほどは酷くはないですよね」


「聞きたいのか?」


「ええ。是非、参考までに」


「分かった、順に説明するぞ、、、、、」


・浮力渡河機能付歩兵戦闘車なのに、河川に入った途端に車両ごと沈み、浸水により死者続出の欠陥歩兵戦闘車。


・80発射撃して、命中率3発を誇る自走砲。


・砲弾撃つと、砲身がお花が咲く位に炸裂する主力戦車。


・砲塔を左旋回して射撃すると、火災感知器のセンサーが誤作動しハロンガスを噴出し、ガスが噴き出す度に戦闘中止し、乗務員が退避する主力戦車。


・新型自動小銃を開発し、グレネードランチャーを装備しているが、撃つ前にランチャーが銃内部で爆発して、死傷者多数。


・銃弾が貫通する防弾ベスト。


・防弾ヘルメットがアメリカ製のコピー品だが、ヘルメット素材までコピーをしないため、一切防弾性能無し。


「まだまだあるのだが、キリがないので一旦止めるぞ」


「あのう、司令官。韓国軍って、一応軍隊で子供の戦争ゴッコではないのですよね」


「過去の資料を読めば分かるが、第一次朝鮮戦争の時、韓国軍にアメリカ製の兵器を供与したんだが、敵が現れたら戦う前に真っ先に武器を投げ出して全員敵前逃亡したんだ」


「その全員敵前逃亡の話は、冗談とか作り話ではないのですか?」


「間違いなく史実なんだ。我が軍のリッジウェイ将軍の体験した自伝資料が、戦史本として残っているんだ」


「ちなみにその敵前逃亡は兵士だけでなく、司令官自ら戦線を放棄して我が国の軍基地に逃げ込んだ腰抜け野郎なんだ」


「その腰抜け司令官のその後はどうなったのですか?」


「アメリカ軍の助けで国土を取り戻し、ちゃっかり韓国の初代大統領のイスに座ったのさ」


「腰抜け野郎が国家元首とは、国家も国民も全て阿呆ですね」


「そうだ、何せ恩を仇で返す国家と国民だ。やはり、韓国を叩いてもらうのに日本に軍事支援したのは正解だったな」


「司令官、敗戦後のこれからの韓国はどうなるのですかね?」


「現在、日本が占領して韓国から賠償金を根こそぎ持って行くだろう。

 後は済州島のみが発展し、残りの地域は最貧国並に落ち込むだろうな」


「俗に言う『天罰』ですね」


「そうだ、その通りだ。ワ、ハ、ハ、ハ、ハ!」


 在日米軍司令部にいた司令官と作戦参謀は、日韓戦争のワンサイドゲームの結果を笑い話にせざるを得なかった。


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