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ロストキルレシオ  作者: 湿った座布団
たとえ灰になっても
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プロローグ・最後の手紙

 

 親愛なる先生へ。


 少し、久しぶりですね。

 お体に障りはありませんか?

 先生がまだ生きていらっしゃると聞いたので、僕はこうして手紙を書いています。

 今までのお礼を言いたくて、お別れをしたくて書いています。


 しかし筆をとるとそれもあまり上手くはいかず、書いては消してを繰り返してばかりいます。

 こうしていると昔、先生が孤児院を去った時、みんなでよく手紙を書いていたことを思い出します。

 あの頃は紙の余白が足りないと嘆いてばかりいたのに、今は少しも書くことができません。


 それを思うと本当に、何もかも変わってしまったのだと思います。


 いま改めて思い返すと、先生と過ごした時間は僕たちにとって幸せなものでした。

 雪の降る廃墟から始まったあの日々は、終わりを迎えた今でもかけがえのない物だったと思います。


 初めて出会ったあの日。

 死にかけていた僕は痩せた孤児で、先生はいつも難しい顔ばかりしている人でした。



 ……ねぇ、先生。

 覚えていますか?



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