表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

海賊王

あれから数日、何事もなく航海を続けており部屋に閉じ籠りっぱなしでは気持ちが落ち込むので時々太陽を浴びるために甲板に皆で出る。


「あれあれ、大きな蛇」

「海豚だってあっちのは」

「日焼けしそう」


そんなことを言いながら景色を楽しんでいる。


「海って穏やかね、森の静寂とにているかも」

「だね、雲無い青空に進むと落ち着くね」


リリアと船首から海原を見つめて静かに過ごしていると前から少し風が強くなり始め黒い雲が広がり始めている。


「お客がた天候が崩れる。客室に降りてくれ」


船長から言われて皆は不平の声をあげるがレビリンスが、


「さあさあ、仕事のじゃ魔は皆も困るでしょ」


そう言って船室へ戻った。


「静かな海もだけど荒れ狂うのも一度見てみたいし」


そんな不満を聞いていると徐々に船室は大きく振られ船酔いのなれていない者から寝込んでしまった。


「あと数日で我が大陸そして我が王国が見えるだろう」


ユリーシーズがそう叫び皆を鼓舞して掛け声が上がる。


「じゃが、最後の襲撃があろう後がないからな」


お目付け役がそう言うので皆引き締めた顔で頷くと警戒を怠らず周囲を見ている。


「まだまだ騒がしいと言うことでしょうかね、ドキドキしてきてしまいます」


レビリンスは何時ものマイペースでそう言うとリリアがクスッと笑いお茶にする。


「師匠、王国に到着したらどうします」


弟子たちから聞かれあごに指をあて少し考えると、


「私達のする事は希望に沿いその人の魅力を最大限に引き出せるものを作るだけですから、さあさあ自分達の服を仕上げなさい到着までに」


何時もは移動している最中に針子をしておりリリアが、


「指に針を指したり大丈夫?」


「大丈夫、それは未熟の証ですから、って痛い」


どうやら受け答え中に刺してしまったらしく皆から未熟と言われほっぺをふくらましていると甲板で、


「進行方向に大型帆船、海賊です」


そう言って慌ただしくなるのを船室で聞いている。


「海賊に捕まったら奴隷か慰み者として扱われてしまうのかしら」


何時もの寸劇のような針子の話と動きにリリアは苦笑いをし見ている。


「我は海賊王、世界の海をまたにかけ世界中の女は俺の物」


何処から隠し持っていたのか製作した黒地に白や金で刺繍しておりそれを着た針子が現れ黄色い声があがりマントで彼女の一人を包む、


「返してほしくば力を見せよ」


そう言うとみんなの影から赤い自分の色に似た服で現れ長い棒は自分の装備を表しているのだろうそれで攻撃をして海賊王と戦う、


「赤の剣士、話には聞いておる。だが私を倒せるかな、いざ勝負」


見ているこちらの方が顔が赤くなりそれぞれの配役が稽古でもしていたのか剣を合わせて最後に私の役が勝利した。

皆頷くとこちらを見て、


「私達の王子様」


そう言われて顔がカッとなり下を向いてしまう。


「さあさあ、本物が来て物語通りになるからみんな片付けてお茶にしましょう」


レビリンスがそう言って片付けると嬉しそうに椅子に座った。


「凄かった。ありがとう」


皆から見られてそう言うと嬉しそうに頷きあっていると船の進路が変わったのか左へと舵を切っている。

テーブルのカップを押さえながら皆は頷き一人が右側の窓を見る。


「もう目の前、大きいよ海賊船」


そう言われてスケールメイルを身につけて声援を受けながら甲板に上がった。



「右に」


艦長が正面を避けるために舵を切って衝突を回避してそれから元の進路にと言うことらしく相手とすれ違うはずが、海賊船はこちらと同じ方向に向けて舵を取り平行になるようにすると鉤爪付きのロープを投げつけこちらのへりに引っかけてくる。


「ロープを切れ」

「いや、もう遅い白兵戦だ」


艦長が叫ぶが誰が見ても遅く思わず叫ぶ、そして敵の方が一枚上手であり前のように逆襲も考えたが甲板の高さは向こうの方が高いので飛びうつれないのでここで部下に迎撃を命じた。


海賊の手下が次々とこちらに乗移りこちらも反撃するが数が多い、


「あいつ」


赤い鎧が見えて甲板から一段高くなっている上甲板に上ると少し高いところの相手のへりへ飛び移り相手の船へと消えていった。



俺はある王国から私略船の免状を受けていたが勢力を広げ船もだが部下も多数おりその資金でこの大型帆船である海の一角獣号の船長をしている黒髭だ、本来ならこんな事は受けないのだが昔世話になった貴族の後を継いでる息子から大金で頼まれて海の上で船を拿捕しろと、


「船長、がっちり固定しました。乗り移ります」


うなづくと次々と船へと乗移り始めていると視界の端に赤いものが目に入る。


「ありゃなんだ」


思わず口に出したが部下に弓で針ネズミにしろと言い次々と矢が命中するが弾かれておりカトラスに持ちかえて襲いかかるがでかい剣で次々と切られる。


「ガルバス」


部下の中では一番力が強くでかい戦斧を振り回し正規兵さえも名前を聞けば逃げ出していく粗雑で馬鹿であるがな、


罵声を上げならがガルバスが奴に戦斧を叩きつけると甲板にひび割れがおきたが


「あれを受け止めやがった」


思わず声が出るほどに驚きさらに押し返していく、


「ガルバス、いつまで遊んでいる」


念のため声をかけるがいつもなら下品な顔で笑い返すが振り向かずやつの二の腕がさらに大きくなり相手が沈みこむかと思ったが押し返してそのまま真っ二つに斬られてしまった。



「よっと」


海賊船に乗り込んで周囲を確認すると次々と矢が飛んできて命中するが全て表面の鱗に弾かれておりあらためてドラゴンの鱗は固いと思いながら襲いかかる海賊を切り捨てる。


「ガルパス」


そう呼ばれた大男が現れ戦斧を叩きつけてくるのをブレイブソードで迎え撃つ、3度戦斧を叩きつけてきてそれを押さえ込むと逆に押し上げ刃から柄にブレイブソードがずれるとそこから両断し大男の肩口から切り落とした。


「押し包んでやれ、倒せば金貨1枚をやるぞ」


そう叫ぶと部下が次々と襲いかかるが、


「俺達に任せろただし3枚ずつだ」


ブラッディブラザースが現れ金は惜しいが面白いと思い頷くと両手にショートソードを持って飛びかかった。

この兄弟は裏の社会では名の通った兄弟であり二人で取り囲むように獲物を挟み撃ちして切り刻んでいく、


「6枚はボッタクリだな」


赤い戦士を前後から取り囲み背中のキルが体に沿わせるように切り出血を大量にさせて相手を弱らせていく、


「ガズ、こいつの鎧は硬い、関節を狙うぞ」


いくら切っても鎧の表面は切れなかったようでキルは舌打ちしながら兄に言う、


「だな、この速度についてこれるか、ほらほら手元がお留守だぞ」


人を殺すのを楽しみにしているアサシンは挑発と隙を見いだそうとしており、


「針子の娘どもの切り刻んだときに泣き叫ぶ声も聞きたいからな」


そう言った瞬間赤い奴がガズに向けて勢いをつけながら斬りつけ避けるガズを空いた手でつかむと上に放り投げた。


「ガズ」


兄が落下してきた下ではブルーの大きなバスタードソードだろうか、待ち構えそのまま串刺しにしてキルはそれを見て走りよると赤いのはガズをキルに投げつけそれを受け止めたキルをガズごと刺して抜くと両断した。


「船長」


配下の誰もがブラッディブラザースが殺られて驚き恐怖を顔に出してやがる。

鼻で笑いながら立て掛けてある盾と普通よりもふたまわりは大きいカトラスを持つと降りながら、


「いちいちびびってるな、何時も通りにやればいいだけだ」


そう言うと自信を取り戻した配下は配置につくために動いた。





兄弟らしい二人の攻撃にどう戦えば良いか迷うが前の男が、


「針子の娘どもの切り刻んだときに泣き叫ぶ声も聞きたいからな」


そう言われこの男なら殺りかねないと思い迷いは捨て一気に踏み込み横凪ぎに斬りつけると跳躍しながら両手のショートソードで脇の部分を突き刺してくるが気にしないで更に踏み込みワイバーンの革は切り裂かれずに刃先を下に流し私はそのまま空いている左手で奴を掴むと右手は間に合わないのでそのまま上に放り投げる。


「なっ」


男は驚き背中を下にして落ちてくるのを必死に何とかしようとしていたがブレイブソードに突き刺さった。


「ガズ」


後ろからもう一人が叫び顔を赤くしてこちらへ走り込んでくるのをブレイブソードをそちら側にふると突き刺さっていた男が飛びそれを思わず抱き締めた男を二人ごと突き刺し袈裟懸けに切り捨てた。


「次は誰だ」


周りを見ると一段上にいる船長らしき大男が下りてきた。


「楽しませてもらおうか」


男は近づきながらカトラスで盾を叩きながら近づいてくる。

音は一定であり何故か意識が飛びそうになるのを意識を戻そうとしたが次第に目が回りそうになる。


「アポロニア目を覚まして」


不意に耳元でリリアの声が聞こえて少しだけ意識が戻る。

目の前にはリリアのシルフィが目の前で私の意識を戻してくれあと少しの船長に斬りつけた。


「催眠がかからんとはな、殺れ」


周囲から弓矢で囲まれており次々と飛んでくるのを鱗で受け流しながら斬りつけ船長は盾で防ぎ上から力任せに斬りつけてくるのを切り上げ迎撃する。

相手は力業だが技術も自分より上で盾で殴り付けてきたり斬りつけて斬られないが打撲をもらう、


「アポロニア、精霊の力をかりて」


リリアから言われて打撃をもらいながらサラマンダーを思い浮かべブレイブソードにサラマンダーをまとわせると炎に包まれ船長の盾を腕ごと両断し動きが止まった船長に止めをさした。


「船長が殺られた」


その一言で降伏してきて乗り移って制圧しつつあった海賊全員が降伏した。





「防げ、乗り移ってくる海賊を倒せ」


猿のように次々と乗り移ってくる海賊を迎撃しようとするがあまりに多いので次々と乗り移られてしまう。


「くそ、ここまできてやられるかよ」


目の前の海賊を倒したが複数の海賊に包囲され鎧で防いでいるが倒しても減らず味方が次々とやられていく、


「あいつは未だ戻らないのか」


思わず周囲を見るが赤い奴がいまだに戻ってこず海賊は客室のドアを破壊し始める。

焦る気持ちがロングソードを舷側にぶつけてしまい落としてしまった。

自分に悪態をつきながら盾で必死に防ぎ諦めかけたときに、


「船長が殺られた」


その一言で海賊は自分の船に戻りそれを確認して降伏してきた。




「俺達は」


海賊はどうやら船長に精神支配を受けていたと言うことで支配を逃れて降伏をしてきた。

船に戻ると客室への通路の扉は壊されておりあわてて中へはいると男数人が倒れているなかに針子の一人を人質にレビリンスに命を差し出すようにわめいていた。


「近寄るな」

「船長は死んだ、逃げる場所さえない」

「そうだ、手下は操られてたが俺は違う目的を果たす」


この男を押さえるにはとリリアからサラマンダーで武器を熱するように言われて指示した。


「ぐわ、熱い」


武器を落とした瞬間男にタックルをして持ち上げ床に叩きつけるとうめきながら気絶してしまい縛るとユリシーズがブレナスと共に現れほっとしながらレビリンスに無事と謝罪をブレナスが行いこちらを見て、

「助かった。海賊の船長を倒してくれなかったら使命をまっとうできなかった」

何度も感謝されながらサラマンダーに魔力を渡し過ぎたのか倒れてしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ