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レビリンスと針子娘

「ここはこうなら」

「駄目よ、可愛くなくなる。ここはこうよ」

「それ何時の時代、こうするのが一番」

「そうするとここの動きが」

船で峡谷を通り抜け次の陸地までは1ヶ月はかかると、その間にリリアは着せ替え人形となり十数人の乙女がレビリンスのしたのもと製作を続けている。

「アポロニア何とかして」

「ダメ動いちゃ、完璧なバランスが崩れちゃうから」

「エルフの鎧をドレスに見立てるんだから、想像するだけでヨダレが止まらない」

何をしているのか扉の向こうなのでわからないが、

「アポロニア、ごめんなさいね皆張り切りすぎちゃってうちの娘達、すごく楽しんでいるけど悪気はないから、それと貴方のそれ少し手を入れさせて、お礼と言うことで」

赤いスケイルメールを渡すと色々見ながらその場で綺麗にばらし始める。

何をどうすればと思いながら作業を見ていると扉が開き見とれてしまう程の美しいリリアが私の椅子の後ろに隠れる。


「早く連れ戻して」

「後ろから見ても美しいけど、あそこ気になった」

「動きが少しぎこちないかな、ああしてみようか」

「何処にいったのかな」

そう言いながらこちらの部屋に雪崩れ込んできてリリアは小さくなろうとする。

「あなた達、怖がらせるんじゃないのリリアこちらへ来て」

そう言うとリリアは素直に後ろから出てきてレビリンスの前に立つと、

「少し窮屈よね、もう少しここはこうして」

いつの間にか乙女達はレビリンスの周りに集まり師匠がすることを驚きながら静かに見つめており細かく修正すると、

「さあ本縫いを始めなさい、糸はミリュウネを使って二重に」

そう指示するとリリアを皆で連れていった。


「私達はこれからローレンス海を渡りベルメルス大陸のグランキューブキングダムの戴冠式の服を作るために向かうのですよ」

「何処かにかまえた方が効率が良いのでは」

「そうよね、確かにそうなんだけど旅も好きだしね、皆も色々見せたいのそれが創作の糧となるから」

綺麗に分解を終えると長い細い針と銀色の細く透き通って見えるほどの糸を使い縫い合わせていく、

「太い紐を使えば良いと言うわけではないのよ、力は正しく水が上から下に流れるように使えばほら」

固いはずの鱗に簡単に針が通り綺麗に縫い合わされていく、それも縫った場所は綺麗に隠れており一寸の狂いもなく製縫を行い始め私は言葉の中での事に武器を持つと甲板に上がった。



「ああ、あの若者か知ってるぞ」

ギルド間で使われる通信機器で短時間だがやり取りができる。

「そうか、それなら故郷に戻ってこいと伝えてくれ、皆待っていると」

私は苦笑しながら、

「それは残念、一昨日旅立った。行き先はわからん」

驚いた顔にさせられ嬉しく思うと、

「何だと、まったく何でこういうことに、わかった感謝する」

「ちなみにドラゴンとのハーフワイバーンを倒したからBになったぞ、じゃあな」

「ちょ、まっ」

通信を終えると笑いが込み上げてきて職員も何事かと部屋をのぞきにきた。



「そうか、それも摂理と言うものだ」

里に戻ると長である父親は私の報告を聞いて落胆もせず静かに聞いて答える。

「私が恐怖に負けたとそれが」

「そこに座りなさい」

父親は珍しく優しい顔でいうのを戸惑いながら座る。

「怖いことに間違いはない、怖いと言うことを受け入れ逃げないそれが大切なのだよ」

諭すように言われるが割りきれない、

「受け入れればあのようなことが」

父親の穏和な顔をみているとそれ以上言えずにいると、

「私でも怖いと思う事があったがそれと正面から向き合えたことによりお前達も産まれた現実もある。恐れは恥では無いのだよ」

話には何度も聞いた、あれによりエルフの感情が高揚して私達が産まれたと言うことを、ゆっくり休みなさいと言われて自室に戻った。



「なんだって、っておい」

通信装置が切られ最後のBになったと、それもハーフワイバーンを討伐してと言われ消化不良のまま部屋から出るとあの青年の家に伝えにいく、生きていると言うのは朗報だがワイバーンを倒したと父親譲りと言うことに納得しながら到着する。

「そうですか生きているのですね」

報告に感動はなく安堵の気持ちで一杯であり私は、

「しかしBになりエルフ達と旅をして冒険者としては幸せだな」

「本当に父親ににてあなたと言う友人も得られ息子も同じような友人に会えたので幸せです。卒業の試験の時にはどうなるかと思いましたが」

「そう言えば隣の幼馴染みはEランクから始めて仲間と頑張っているようですね」

「はい、何かがあの子との間にあったのか実家にも寄り付かないと」

「若いうちだ、力を試せればよかろうに元気と言う知らせもギルド経由で伝えられるしな」

何時もの良い匂いのハーブをいただきながら久しぶりにゆっくりとした時間をすごした。



「行き先決まっていないのなら私達と護衛兼で一緒に来なさいよ、未だその服を修正したいうちの娘達の言葉もあるし」

レビリンスが船着き場に到着して降りる時に誘ってくる。

「リリアはどうしたい」

返事を心待にしている娘達に顔をひきつらせながら、

「アポロニアが良いならいいけど」

「お世話になりますが程々に」

そう言うと大喜びしてレビリンスから静かになさいと言われ待っていた馬車に乗り込んだ。


「この馬車は」

「向こうが全てお膳立てしてくれてるの、真っ直ぐ来るようにと言うことかしらね」

日にちも決まっておりどうやらレビリンスは気に入ったものがあると時間に気にせずにとどまるので馬車の列は馬を代えながら飛ばしつづけており、よほど良い馬車なのかゆれは少なく何かがあっても護衛のお付きが排除をしていっっているようで護衛なんて要らないんじゃないかなとリリアが言うのに頷いた。

基本は街で一泊なのだが時々テントを建てて野宿をする。

「馬車ばっかりあきた、もうや」

「外も見させてくれないんだから」

「イケメンだからって大人しくしていると思わないで」

「アポロニアやっちゃってドラゴンスレーヤー何だから」

言ってる事が無茶苦茶で苦笑するしかないが、

「でもハーフとはいえドラゴンだわね確かに」

レビリンスが言うのをあわてて否定すると、

「この鱗、ワイバーンはこんな鱗は持ってないもの、顔はワイバーンでもと言うことだわ、お祝いしなくちゃね」

遠慮しても決めてしまいレビリンスは色々勝手に料理を始めてしまいお付きの派遣されてきた料理人を困らせていた。


「所で新しいので1度模擬戦をしたいのだけれども」

リリアが退屈なのかお願いしてくるので広場で装備を整えると対峙する。

私は両手で正眼に構えるとそのまま突き進みミドルソードを突き入れた。

「わお」

周りから声が上がりリリアは突き入れた刃先に飛び乗りさらに跳躍する。

太陽を背にして目眩ましをしており、私は小さく前転をして下を通りすぎ着地する場所に振り抜く、

「風に舞ってる。綺麗」

外野の声に同意をしながら大きく踏み込み追撃をするがシルフの力を借りて花びらのように空を舞い隙があれば斬りつけてきた。

「ただの曲芸じゃないか」

その声の方を見ると護衛の騎士なのか吐き捨てるように言うのを聞いてブーイングが上がりリリアが気になったのか止めて私の後ろに隠れる。

「レビリンス様の元に迷いこんだ野良犬風情が、そんな技を見せても曲芸でしかないぞ」

私は自分の力を出しきって見たいと思い挑発する。

「所詮は冒険者ですからね、ただの儀礼で立っている木偶の坊とは違い実戦あるのみですから」

「ほぅ、大言をはく、よかろう汚らわしいが相手をしてやる」

フルプレートに盾とバスタードソードを装備した騎士が私の前に来たのでリリアに向こうに行って待ってて直ぐに終わると聞こえるように言うといきなり斬りつけてきた。


「ちょこまか動き追って、でかいくせに」

平常心を失っている若い騎士の攻撃を最初は受け流し技量をみる。

「こんなにでかいまとに当てられないとは、威勢だけかな」

当たってはいるが鱗は傷もつけずに流してしまいスケイルメールの防御力を証明してくれる。

息が上がろうとするのをなんとかこらえていた若い騎士だがとうとう大きく深呼吸をしてしまい一瞬動きが止まった。

「うおりゃあ」

大きな声と共に大きく凪ぎ払うと盾で防ごうとした相手をそれごと吹き飛ばした。


「それまで」

声がかかり横をみると文官なのか小さいが迫力がある初老の男が立っており、

「ユリシーズ、護衛の任を忘れて何をしておるか」

こちらに来て体がしびれたのか立ち上がろうとして立ち上がれないユリシーズと言う若い騎士の前に立ち、

「この件は戻り次第処罰を申し渡す、わかったら手当てをしてもらえ」

そう言うと私の前にきて、

「護衛のはずなのにこの様なことを申し訳ありませぬ、しかしながら挑発は役目上お辞めください」

きつく言われて謝罪をするとレビリンスが出来たよと呼びに来たので席につく、

「すごい、あれなになに」

座るなりリリアが聞いてくるがわからないのでレビリンスに1つずつ聞きながら珍しい料理とお酒を飲む、

「これお酒なんだ、飲みやすくて甘い」

娘達に混じりリリアは楽しく片言の言葉で意思の疎通と酒盛りを始めている。


「エルフは私もなん十年ぶりかしら、旅の仲間と共に短い間だったけど一緒にいて以来、私の時は男性のエルフであの頃すでにいぶし銀で、元気にしているのかしら」

懐かしむように言う、

「私も最初に里に迷いこんでオーガと思われて攻撃されましたから」

レビリンスは頷くと、

「そうよね、彼等は外の世界にでて影響を受けることを嫌うから、でもここまで受け入れてくれたのだから素晴らしいことよね」

リリアを見ながら私も嬉しく感じ夜がふけていった。



「わかってる。痛いもう少し優しくしろ」

あの冒険者に盾ごと吹き飛ばされ腕にひびが入ったのか痛みが続いており手当てをしてもらっている。

「わかっていないから言っておる。ユリシーズよ若ががお待ちになっておられる」

「じゃあなんであんな連中をわざわざ大陸を渡って連れてくるんだ」

「最初に話したであろう、王になる上で重要なキーなのだと、王にいや皇帝になるためにな」

「こっちを見透かして、あんなに荷物を積ませて優雅に食事をしやがって」

数台の上等な馬車の他に倍の荷馬車を引き連れており大半があのおばさんの持ち物で必要な物があると取ってこなければならないのも負担であり、連れてきている兵士は護衛もだがそういう仕事にも駆り出されており不満が募っている。

「それもわかっていてなおかつ頼んだのだから、大人しくしておれ」

ブレナスのじいさんは行ってしまったのでようやく兵士が話しかけてくれた。


「わかってる。もう少しの辛抱と言っても俺の方が爆発しそうだしこの様だしな」

「向こうはいい気なもんです。もう少し辛抱しますが」

「港に着いたら3日休みがとれるそれで何とかしろ」

そう言うと酒が飲めるかなどと言い出し不謹慎だがほっておき後5日程で港に到着するのを兵士立ちと共に待ちどうしく思った。



あの楽しい夜から4日目、明日の夕方には港に到着できると護衛の兵士達が嬉しそうにしており、馬車は足を早めている。

いつもと違い私はアポロニアと違う馬車に乗っておりミーシャとおしゃべりをしている。

「エルフの銀細工は繊細で壊れそう、誰が作っているの」

「今はもう失われているの、これは500年ほど前のベレミュネルの作品で繊細そうに見えるけど魔力の循環でかなり固くて壊れることは無いの」

500年と聞くと皆は驚き一番長生きしているエルフはと聞くので、

「最長老が2千は越えている聞いたことが、私は30才よ」

皆は若いはずだけど若くない30と聞いてヒューマンならシワが出てしまって大変な頃にその美しさはずるいと言いながら大笑いし始めて過ごした。

その時急に馬車が止まり私とミーシャの座っている席に対面の友達が飛ばされとっさに体で受け止めた。


「もうなんて運転を、馭者の人何しているの」

今ので間違いなく彼女達の体に青タンのアザが浮かび上がっているだろうし何より何かに引っ掻けたのか血も出ており馬車のドアを開けようとすると、

「敵襲、馬車を守れ」

その声と共にドアにロックがかかったようで押しても引いてもびくともしなかった。


「敵襲てなに、どうして閉じ込められてるの」

ミーシャを含め混乱しておりそれが不安を呼び徐々にパニックになり始めている。

「皆落ち着いて、この馬車はかなり頑丈にできてるからきっと大丈夫、レネリス外の様子を見てきて」

風の妖精ウィンディーネにお願いをすると隙間から抜け出していく、外から音が聞こえ多分矢が馬車に当たる音が中まで響き皆もう恐怖に耐えられなさそうな状態なので口ずさむ、

「風は大空の道、何処から続くか知るすべはない」

「でも行く先は風にのればいずれはつく、深淵の中か」

「さあ子供達よ風と共に生きよ、悲しき事、嬉しき事全てと共に」

昔から里に伝わる歌を口ずさむ、嵐の夜騒がしく眠れないときに母親が歌ってくれたその歌を、皆は気がつくとこちらを見て聞いてくれて落ち着いていく、しばらくすると鼻唄をそして言葉を真似しながら歌い始めた。



「敵襲」

敵の動きとしては見事としか言いようがないが、こちらは明日到着で気が緩んだ状態でありユリシーズがその状態で兵士にも伝わってたところでの襲撃であり生きのこれたら重い罰を与えなければと思いながら目の前に座っているレビリンスに謝罪をする。

「先ずは生き残ることですわ、私の騎士も戦うと言うことですし」

横に座っている大男はお辞儀をするとヘルムを後ろからまわしてかぶり馬車から降りる。

「アポロニア、過信は禁物ですよ、でも楽しんでらっしゃいな」

この状況で楽しめとは驚いているとレビリンスは嬉しそうに、

「あの装備はドワーフの技術と私の思いそしてドラゴンの鱗に守られていますからね、ちょっとやそっとでは大丈夫ですよ」

「ドラゴン、まさかと思っていましたが」

「ワイバーンだと思ったらハーフドラゴンでそれも結果的に1人で倒しちゃったらしいのよ、すごいと思いません」

自分の事のように言うのを苦笑しながら同意して小さな覗き窓から外をみる。


左右から挟み撃ちと、前方後方から弓での攻撃に苦戦をしており善戦をしているが長くは持たないだろうと、

「赤いのが出てきたぞ、知らぬやつだが討ち取れ」

あの声は反対派のグローリ伯爵と思われ、逆に声をさらしたと言うことは我々を皆殺しにと言うことだろう、アポロニアと言う若者は大剣をふりかぶり右側の敵へ走り矢が飛んできても気にせずに進む、矢は固いものに当たったようで跳ねてダメージを与えずにおりアポロニアは敵に近づくと一気に振り下ろした。



「盾を並べて防げ、第3班は左手の敵を迎撃しろ」

敵は四方から攻撃を仕掛けておりこちらよりも多く弓矢で前後から牽制し左右から槍を持った兵と騎士と思われる者が弓を従えせまってくる。

「両方は無理です隊長」

「無理もなにも出来なければ死ぬだけだ」

部下の弱腰に怒鳴り迎撃を行っているが後手後手になり馬車にも矢が刺さり始めている。

不意に馬車のドアが開き、あの野郎が飛び出して反対側の敵に向かって走り始める。

「そんな目立つことをして、痛い目にあえばいいさ」

それ以上の事を言えばさすがに不味いのであえてそれだけ言うとやはりと言うか敵も気がついて四方から矢が降り注ぐ、

「全く効いてない、だから俺の攻撃もって今回は助かったな」

そのまま切り込み槍の攻撃も表面を滑り有効なダメージを与えられずに敵は大剣で両断され指揮している騎士が逃げようとしたところを後ろからプレートメイルが意味なさない切れ味で貫通して串刺しになり敵は動揺した。


「敵は怯んだぞ、各班毎に突撃せよ、接近戦ならこちらに分があるぞ」

皆は声をあげると各個に突撃を始め蹴散らし始め私は敵の本体と思われる固まっている敵に走った。

「グローリ伯爵、まさかとは思いましたが」

中立と思われた伯爵が襲撃の主犯だったとは驚きながら切りつける。

「あれを連れてくれば国が二つに割れるかもしれぬのだぞ、ゆっくりと改革をすれば良いではないか」

「もう悠長な事を言っている場合でないとわかっているから、目を背けては崩壊して後悔しか残らないぞ」

しかしお互い相容れることもできずににらみ合いためらっていると背中に衝撃があり前のめりになりギリギリ転ばずにすんで前をみると伯爵は頭から両断され即死した。


「おまえ」

踏まれたことよりも伯爵を倒された事に怒りと戸惑いを覚えていると次々と一刀両断で倒してようやく振り返り、

「敵を前に何をしている」

私を見つめてきたので恥ずかしさを隠すために怒り詰め寄る。

「ユリシーズ何をしておるのださっさと片付けて進むのだ」

馬車から言われ振り返らずに部下に命令をして残敵の掃討と馬車の補修をして港へとむかった。



最初にこの二人を見たときに何て絵になるのと年甲斐もなく興奮してしまったのですが話すと少年は未だ幼く目の奥底には哀しみがあり傷つきやすいと感じてしまい母性本能がくすぐられてしまう。

私の娘達も丁度長旅に退屈をしていたので何か作るように提案をすると大騒ぎに、リリアさんと言うエルフの娘さんを怖がらせてしまい落ち着かせたりと大変だけれども色々とアイデアを出しあって製作したのを嬉しく手直ししてついでに旅は道連れと提案して同行することになり皆大喜びで馬車の旅となる。

大分話すようになったけれど、時々悲しい思い出を瞳に写し思いにふけっている。

「ありがとうございます」

不意にリリアさんから言われて驚いてしまったが、

「私達は家族なのです。でも今回あまりにも想像を越えてしまった部分で恐怖を感じてしまい結果的にアポロニアを傷つけてしまったのです」

悔しい顔で下を向き顔をあげ、

「だからこそ私が側についてあげようと思ったのですが、ヒューマンの考えがわからない事もあるのでまだ、なので誘ってくれて話をしていただけたのは本当に感謝しております」

生真面目なお嬢さんだこと、そこまで責任を背負い込まなくてもと思うがひょっとして、

「失礼なことをお聞きしますが、リリアさんはアポロニアさんに家族以上の感情をお持ちでないのかしら、エルフのことはわからないけど男女の仲ですから」

そう言うと少し考え始めだんだんと顔が赤くなり始め最後に下を向いてしまう。

「全然良いことなんだから、ただいつ終わりが来るかもだから想いは告げるべきだと思うタイミングをみてね、絶対お似合いだから大丈夫」

何度も頷くリリアにも到着するまでに何とかしてあげようと思いながら今回はアポロニアとリリアをわかれて馬車に乗ってもらい出発する。


どうやらそんなに昔でない時に好きだった人に手痛い仕打ちを受けたのか頑なになっておりなかなか困った息子だわねと思いながらも、

「一度くらいでいじけないの男の子でしょ、貴方を好きな子もいるのに何時までもとらわれないで」

思わず言ってしまい話の内容に驚く暇もなく馬車の外から、

「敵襲」

と言う無粋な声に中断してしまい、顔色と同じ鎧を身に付けると守る者のために戦いに赴いていってしまった。



レビリンスさんは母親のように諭してくれているがあんな想いはしたくないと言うのが本音であり旅を続ける理由は忘れられると思てだが、未だに時々ふと思い出してしまい気が滅入る。

ネーベに前に一度、

「女なんてすぐ忘れるから、大丈夫」

と謎の慰めを受けさらに、

「マロウニもだけど男の子は引きずるみたいだからね」

言われたマロウニは少しだけ顔を引き面せ、

「気にしないと言うか、ネーベはそんなんだから何事も忘れるんだ」

「忘れてないもん、気にしないだけだもん、マロウニがいちいち細かいだけ」

「ネーベががさつなんだよ、女とは思えない行動をしてるし」

と、最終的にネーベが言い負かされマロウニは皆から言われて謝っていたが、

「一度くらいでいじけないの男の子でしょ、貴方を好きな子もいるのに何時までもとらわれないで」

レビリンスさんに言われてそうなんだけれどもと思っていると好きな子ってと言うところにようやく引っ掛かって気がつき聞き直そうとしたが邪魔が入ってしまう。


モヤモヤだらけのなかミドルソードを抜くともやもやをソードにのせて叩きつけた。

たぶん何処かの騎士と兵なのだろう、正規の戦いはなれているだろうが不正規の戦いにはなれていないらしく崩れ始めると止まらずにバラバラで攻撃してくる。

矢が飛んでくるが軽い衝撃以外のダメージはなく切りつけ倒していった。


片方を倒して振り向くとあのユリシーズが敵と対峙しているがにらみあってるだけで動かないので後ろから走りより次の瞬間踏み台にした。


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