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「しかしもう3年か」

休憩の間に空を見上げているとネーベが嬉しそうに、

「未だ3年か」

「いやいや人にとっては3年は長いよ」

「そうか、確かにかアポロニアのいる時間は楽しいけど世話しないよねリリア」

相変わらず綺麗なエルフのリリアが嬉しそうに、

「そうね前はゆっくりと1日空を見上げていたりとかしたけど今はね、でも楽しい」

「しかし学園で習ったのと違い色々と教えてくれ魔法や精霊使いとしての事も教えてくれて、よそ者なのに」

この3年間、言葉や文字もだが魔法や精霊を呼び出して盟約をを結んだりとヒューマンではあり得ない知識を伝えてくれた。

「長老も良いと言ってくれたしアポロニアはもうエルフの民よ」

リリアが言うとネーベも頷く、

「出発するぞ」

マロウニが声をかけてきたのでリュックを背負い木々を移動していく、

「でもこれだけは苦手だな、木はしなるし」

そう言うとマロウニが振り返り、

「木の精霊もわかってるから枝をしならせてアポロニアを手伝ってくれてるんだからな、感謝しろよ」

「僕の10分の1でも才能があれば軽やかに飛び移れるのにな」

軽やかに明るく飛び移るグラスが笑いながら飛び移る手助けをしてくれる。


今回はエルフの成人の儀式としてある場所に向かう事になり数十年ぶりの事なのだが、

「ベルミル山の中腹の都市に移動してるってことは距離も何倍もだしヒューマンの都市と言うことかおやじじゃなく長」

マロウニが代表で聞いているのだがその前の成人の儀式と違い10倍以上も遠方らしく固まってる。

「目的のドワーフ族で代々受け継いできたベルグルが移住したと一昨年手紙が来ていたからな」

「移動もだが都市にか、前は山向こうの鉱山にある工房だったのにな」

親子で難しい顔をしていると長老であるメーテルが、

「よいよい試練じゃからな、アポロニアも一緒に行くが良い成人としての儀を仲間と共に」

グラスが嬉しそうに、

「そうかそれならひと安心だ」

「グラスは調子が良いんだから、7名で準備をして出発しますね」

リリアが言うのに驚いて女性もなんだと思いながら皆に連れられて家に戻ると準備をする。

「魔物避けの匂袋なんてあるんだ」

「弱いものしか効かないけどね、これが生えているから里にも早々入ってこないの」

リリアが一つ一つ説明をしてくれる。

「今回食料かなり持っていかないとなんだけどどうする」

通常そんなに遠出しないため腰などに袋を引っかけているがそうもいかずに難航している。

「背負うのは動きが阻害されるからやだな」

ネーベが言うのをリデリオが、

「ならネーベはノルマの実を1日3回で良いな」

あれはマロウニが私に食事にこっそり入れたのだけれど、苦い良薬口に苦しと言うのを越えるぐらいでそれだけで栄養はとれる。

「それはや、だめ、リリアあんな風にリデリオがいじめるの」

そう言って芝居かかった様にリリアにたおれこんだ。

「重い荷物は僕が持つよ、体も大きいからね力もあるし」

そう言った瞬間ネーベが急に立ち上がり私の手を握りしめて、

「お願いします。私の幸せにためにアポロニア」

そう言うとマロウニが呆れたように私にごめんと言っていた。


出発してしばらくは木々をつたって進み里から出ると地面に降りて森を進む、エルフは森を歩くのにたけており気を抜くとおいておかれそうになる。

街道に出るとフードを目深にかぶりエルフと知られないようにあるく、本来は森を抜けるのだが距離が遠いので街道づたいにと言うことを皆で決めて歩いた。

「そんなに人が通らないねアポロニア」

ネーベが好奇心全開で聞いてくるので、

「僕もよくわからないけどあの山を越えるのは大変だから海まででて大きく船で迂回が主な道じゃないかな」

「アポロニア以外のヒューマン見てみたいな」

好奇心んでキョロキョロするのをマロウニが、

「ヒューマンは口が上手いしエルフだとわかれば何をされるかわからないんだからな、おとなしくしているように」

自分がリーダーなのでマロウニはしっかりとした口調で他の仲間にも言い聞かせながら買い物があれば私だけが村に入って購入してくる徹底ぶりでネーベとグラスは不満に思いながら峠を越える前の最後の村の手前でとうとう爆発して、

「買い物もしたいし町中も見てみたいし宿にもとまりたい」

二人で騒ぐのをマロウニは、

「リスクが大きい、これは成人の儀なんだぞ」

「色々な経験を積んでこいと言うことだからフードをとらなければ問題ないでしょ」

二人が収まらないのでマロウニも妥協して私に、

「アポロニア、すまないが色々頼む」

「おやすいごようだよ、大騒ぎにならないようにしないとね」

そう言いながら不安を抱えて村へと入った。



ネーベとグラスがわがままを言いアポロニアに頼んで村で買い物と宿に泊まるため向かう、

「どんな感じかな宿とか、何が売ってるのかな」

ネーベが言うのをアポロニアが答えていく、

「里に比べれば狭くて息苦しさを感じると思うけど、寝床もワラを敷いたものだからね」

「そうなんだ、食事は美味しい野菜とかあるかな」

「干し肉や塩漬け肉とジャガイモとかかなマロウニとか苦手かも」

エルフは必要以上に肉はとらないのでアポロニアの心配ももっともである。

「宿で野菜中心の食事を頼んでみるよマロウニ」

アポロニアは気を使ってくれたので、

「出されたものは食べるよ、安心してくれ」

不安を残しつつ村へと到着して門番にアポロニアが話しかける。

何か困ったのか頭をかきながら私を呼ぶので近づいてフードを一瞬だけ取るようにお願いされたので取ると門番は驚き何か言うと中に走っていく、

「エルフが来て門番じゃ対応できないから村長を呼びに行ったんだけど、早めに身分証を作った方がいいね」

「我々が来たぐらいで判断もできないのかい」

アポロニアは困ったように、

「僕が里に入り込んだときと同じだし、ましてやエルフはハーフエルフ以外見たことないからね」

たしかにそうだと思っているとグラスが、

「身分証ってなんだい、それがあればこんなことにならないのかな」

「僕も持ってないけど、冒険者ギルドに登録すれば町に出入りするのにカードを見せれば良いんだよ」

「そんなんだったらすぐ行こう冒険者ギルドに」

「ここにあればだけど、峠を越えて町にいけば確実にあると思うよ」

そんなことを話していると門番が我々より若いはずだが頭が真っ白な男をつれて戻ってきてアポロニアと話始め、もう一度顔を見せてくれと頼まれ見せると息をのみながらまた話をしてようやくついたのか、

「宿だと大騒ぎになるから長の家に泊めてくれるって、いこう」

そう言うとアポロニアは長と話ながら村で一番大きい建物に入った。


「ネルネ村の長であるベルントさん、買い物とかはやっぱり大騒ぎになるから遠慮してほしいって残念だけどしたがってくれるかな」

ネーベとグラスは残念がったが村で泊まれるだけで満足したようで来客用の寝室に案内される。

「部屋は2人用が3部屋だから2人ずつで泊まって」

アポロニアがそう言うのを疑問に思ったのをリデリオも気がついてらしく、

「アポロニアは」

「納屋で泊まるから干し草もあるし」

リリアが、

「そんなの駄目だよ仲間なんだからね」

そう言うと困った顔になり、

「そうなんだけどヒューマンの僕は身分証がなくて旅を続けるのが法にふれるんだよ、ここの長も知ってて好意で泊めてくれるから」

「ヒューマンも面倒だな、早く大きな町にいこうぜ」

グラスが言うのを皆が頷いた。



門番にマロウニの顔を見せ村長を連れてきてほしいと言うと快く承諾してくれる。

問題はエルフと言うよりは僕で、旅をするのに身分証がないのは流浪の民となり村には泊まることができないのでそこをどうするかでマロウニの姿を見せることにしたのだが、

「村長をしているベルントです。何かお困りになってると言うことですが」

白髪の穏和そうな老人に少しだけ安堵しながら、

「実は私達は身分証を持ち合わせていないんです。その理由が」

マロウニに顔を見せてくれるように頼むと村長は驚き、

「エルフですか、私も幼いときに一度見たのですが、他の方々もでしょうか」

「はい、エルフの里から数十年ぶりに出てきたので私も含めて持ち合わせておらず、何れは取得するつもりですが今夜の宿を希望しています」

村長は少し考え、

「宿に泊まれば他のお客様が騒ぎ出すでしょう、なので私の家に客人扱いで皆さんを泊まってもらいましょう、ただし」

「わかっています。私が母屋に泊まれば村長さんに迷惑がかかると言うことですね」

「わかっていただければありがたい、納屋でよろしければ」

そう言って頭を下げてくれたのを返礼して村長の自宅に向かった。

部屋の使い方やトイレを説明していく、

「トイレは水洗なんですね」

「高貴な方も泊まられるので村で唯一ですが」

水路を通してその上にトイレがあるのを皆は面白そうに見て感心している。


「食事はどの様なものをお出しすれば良いですか」

村長が聞いてくるのを、

「普段と同じで良いですよ、彼らも初めてなので経験です」

心配しながらもなれてくれればありがたいと思いながら裏の井戸で水浴びをして夕食となった。

「少し奮発しまして猟師が取ってきた鹿を焼いたものです」

私でも豪華と思える肉が皿に盛られておりマロウニは顔をひきつらせる。

「アポロニア、これなんの肉かな」

ネーベが余計なことを聞いてくれるので、

「後で聞いておくよ、さあ食べよう」

ナイフでカットして食べる。ネーベやリデリオやグラスはあまり気にせず食べているが肉が苦手なマロウニとリリアとホルスは考え込みながらナイフで切り分けていく、

「普段肉をあんまり食べないので、まあ経験ですから」

村長は心配してみており私はあえて見て見ぬふりをしながら食べており少しだけ見るとリリアは何の肉かわかったのかどうして良いか戸惑っている。

ようやく食べ終わりお茶の時間となり里で摘んできたお茶葉を提供してゆっくりといただき翌日出発した。



食べた味よりも匂いが何だか記憶にあるのだけれどもアポロニアは、

「後で聞いておくよ」

そう言って言わない、こう言うときは聞かない方が良いと旅が始まる前に皆に言っていたのでネーベも黙って美味しそうに食べていて、それあの子のだよと伝えたいけどそう言うわけにもいかずサラダをメインで夕食を済ませた。

ハーファのお茶をいただいていると村の長がアポロニアを通訳に聞いてくる。

「おいくつになられるのですか」

「旅の目的は」

「交易はされないのですか」

色々聞いてくるのをアポロニアは私達から答えを聞いて丁寧に答えていく、マロウニは多分夕食の事もわかったみたいだけど質問だけを答えていくのもビックリする。

普通なら自分が正しいと思ったら言うのだがこの3年間で一番変わったようで絶えず考えながら行動をしており長も変わったなと旅での更なる成長を期待しているようで私も嬉しい、

「明日は山越えの商隊が珍しくいるのでそれに便乗させてもらおうと思う」

アポロニアが交渉をしておくからと言いネーベと部屋へと戻った。


「夕食のは多分鹿のだと思う」

ネーベに言うと、

「美味しかったんだけどリリアは鹿可愛がってるもんね、ショックだよね美味しかったけど」

相変わらずの言い方に少しだけ怒ろうとしたけど美味しかったと言われて里での暮らしと違うと言うのが今更ながらにわかり疲れたので早々に就寝した。



「次の村まで乗せてほしいと、ランクはなしなのか」

村長の紹介で連れてこられた青年はがっしりとした体で2mを越えるが何か理由があるのかランクは無いと言い他の6名もと言うことで悩む、料金もそこそこだが支払うと言うがこの峠は盗賊も出るし魔物も最近出ると言う、今運んでいる品物は向こうで流通が滞っており持っていけば数倍の値がついて護衛の代金を支払っても十分なほどの利益は出る。

「料金はそれで良い、ただし荷物扱いとしてもし狙われたときは自衛をしてくれ」

「ありがとうございます。私以外はフードを被っていますが中を知ろうとすると問題が発生しないとも言いきれません」

「かまわない、荷物の詮索はご法度だからな」

そう言うと時間を伝えて別れた。


「ゼーレさん今の大男何なんです」

「明日、峠を越えるのに馬車に同乗させてくれと、荷物扱いだから詮索はなしいざとなったら自衛をしてもらう」

「そうですか、雇い主がそういうならかまいません、色々話を聞いてまわりましたが8人なら何かあっても防ぐことはできます」

前の町で予約をいれて合流した護衛をしてくれる冒険者でランクはDで少し不安だが6人を10人にして数で補うのだが、彼らが守れなければ全て無くなるのをチャンスを掴むためにと言うことだ。



皆で集合すると商隊に合流して荷馬車に乗る、馬車は5台で2つに別れて荷物が少ない馬車に乗りこむと出発をした。

私達は先頭に馬車にリリアとリデリオと荷台で座る。

冒険者達はこちらを少し気にしたが直ぐに警戒を始め峠に続く道を隊列を組んで進んでいく、

「外見えないね、退屈だよリデリオ」

ネーベは直ぐに退屈になったのかリデリオにちょっかいをかけ始め困らせる。

「ネーベ、リデリオ、魔力循環をしてみるから見てて」

エルフ達は生まれながらに魔力を使うのをたけていたが私は元々学園でも適性無しと言われたのだが、

「私の手を持ってみなさい」

長老と呼ばれる優しい顔のエルフが体のリハビリをしているときに妖精をかえして私を呼んでくれて言ってみるとそのように言われ痛みが未だ残る両腕で持つと体の中心に腕から不思議な力が流れてきて痛みが和らぐのと力がわいてくる。

「これがヒューマンで言う魔力です。これを意識的に体で循環させ、相手と循環させるのを意識してみなさい」

マロウニ達は私が長老に呼ばれ直々に教えられてと言うと驚き私に対する態度もかわる。

翌日から交代で循環をしたり一人の時は自分の中で循環していくとある時を境にコントロールがで来て長老からも、

「ヒューマン程度の使い手ならその程度も出来ないがお前さんは違うようだね」

そう言うと更に色々なコントロールを覚え今も時々練習しておりネーベとリデリオと手を組んで流したり細かく分けてとか細いのをいくつも流すとかそう言うことを行う、

「そうそうパートナー決めたの、誰にするの」

ネーベが集中しているときにわざとなのかはなしかけてくる。

リデリオは少しだけ笑いながら、

「僕らはシルフとパートナーを決めたけど、アポロニアはシルフかなノームかなウィンディーネそれとも」

意識を集中しながら私は、

「サラマンダーとかも良いかな」

「えっ、とかげなんて可愛くないよすぐ燃やすし、ねえリデリオ」

「ネーベの言う通りだけど相性があるからね、到着までにゆっくり決めれば良いよ」

そんなことを言ってるとネーベがわざと魔力の流れを逆転したりしていたずらをして私の集中力をそごうとしたりして夜営地に到着した。


ゼーレと冒険者と離れて食事をする。購入した果物と野菜を食べながら馬車で凝り固まった体をほぐしていく、

「魔物はこれがあるから来ないけどとうぞくが来るかもね、なのでシェルピーを呼んで警戒させるね」

グラスが自分のパートナーであるシルフを召喚して警戒に当たらせる。

「馬車って退屈だしつまらない、何か起これば良いのにねリリア」

ネーベが気楽に言うとマロウニが、

「お前がそういうこと言うとろくでもないことが起きるから言うなって言ってるだろ」

ホルスも同意するとネーベはふくれながらも明日が楽しみと言いホルスを怒らせてしまいそうそうに就寝をした。



「さあ出掛けるぞ」

馬車の隊列が進む、今日は峠を越える予定なので急いでおり馬車を進ませる。

昨晩は荷物扱いのあの7人は固まって食事をしてそうそうに寝てしまったが相変わらず気になるがゼーレさんから言われているので調べることはできない、

「道が狭くなる警戒を強めろ」

更に道が険しくなるのをおぼえて仲間に注意を促し周囲を見る。

どれも隠れるには格好の岩影があり気を抜くことができずにようやく峠に差し掛かった。


「十数人隠れているって峠の岩影左右に」

不意に荷台に乗っている大男が声をかけてきた。

そんな気配はと思いながらも警戒のため隊列を停止させ下車して偵察をと思っていると矢が次々と飛んできた。

「前衛は隊列を整え後方は出てくる盗賊を迎撃しろ」

倍近い盗賊でさらに高所に位置していて意識してたがなかなか苦戦しそうで仲間と共に飛んでくる矢を落として接近する盗賊を迎え撃つ、

「敵が多い、ウェドがやられた」

半包囲されており包囲を縮めてきており敵の方が一枚も二枚も上手で、私は声をかけながら密集体型で迎撃する。



あと少しのところで敵襲、盗賊が攻撃を仕掛けてくる。

アポロニアと言う青年は待ち伏せを見抜いてくれたので最悪の状態は免れたはずだが数が多いのと弓を使い上から狙い射ってくるのでジリジリと追い詰められている。

何とかしなければと思い周りを見るとアポロニア達は自衛をするため集まっておりこの際と思い声をかけた。


「私達にも戦えと言うのですか」

「そうです。このままでいけばこちらにも被害が出る可能性もあるので」

フードをかぶった6人に話しかけてしばらくすると、

「荷物として乗り込み自衛のみと言う話です」

「もっともな事です。なれば冒険者ではないあなた方にお礼を差し上げましょう」

私は焦りながら彼らを説得すると、

「わかりました。お礼はあとでと言うことで私たちの事は内密でお願いします」

了解すると彼らはフードを脱ぎ捨てるとそこには美しいエルフ達が現れ納得した。



「マロウニ、弓であそこ狙えるかい」

盗賊を倒すと言うことで依頼を受ける。

高所の弓を何とかすればなので頼むと、

「シルフの力を使えば距離が延びて対応できる」

そう言ってくれたので私は里で作ったカシの木で作ったスタッフを持つと前衛として戦っている冒険者に走りよった。



「じり貧だ、逃げることも考えた方が」

セロウが盾で矢を防ぎながら提案してくる。

「失敗のペナルティーは今回のは大きいぞ」

破格の契約だからこそ失敗したときのペナルティーが大きい、

「命あっての物種だ」

「信用の問題だ」

「命がなくなれば信用もないのよ」

そう言うと数人が逃げ始め前衛も崩壊してしまい生き残る事もと思っていると矢の飛んでくる量が減っており私の横に大男が並び、

「弓は気にしないで目の前の敵だけを倒せばいいです」

そう言うと大きくて長いスタッフを振り回して盗賊を倒していく、

「反撃だ、駆逐せよ」

私は仲間を鼓舞して盗賊を倒していき最後に逃げようとした盗賊に矢が刺さり終わった。

「後片付けは任せていいですね」

大男が戻ってきて言うのを頭を下げて、

「オリテアともうします。助けていただきありがとうございます」

そう言うと大男も頭を下げ、

「アポロニアと言います。検索をしないでください」

仲間も驚いているがアポロニアの連れは全員エルフであり私もだが皆始めてみる。

確かに助けていただいた事もあるので了承して片付けると頭のいたい問題をゼーレと話し合わなければならなかった。



本当にたのんでよかった。

包囲されて動揺した冒険者の半数が逃げ出して肝を冷やしたがアポロニアとエルフの力でピンチを逃れる。

依頼を放棄して逃げ出した冒険者にはかなりのペナルティーを与えなければならないが先ずは、

「アポロニア殿、助かりました。あなた方がいなければ間違いなくでした」

エルフはフードをかぶりアポロニアと何か話していて私が声をかけるとこちらに来る。

「話は馬車の中で早めに峠を越えたいのですが」

「もっともです。盗賊の生き残りを捕まえて点検をしたらすぐに出発します」

冒険者は怪我人をのぞくと4人しかおらず自分自ら馬車を進ませなければと準備ができ次第出発した。



峠を越えると緑が広がり暖かくホッとする。

冒険者が逃げ出してしまいゼーレ自ら馬車を操っておりその横に座っている。

「何度も言いますが感謝します」

「そうですね」

素っ気なくいう、あまり関わりたくはないのが本音で皆の経験の為にと言うだけなのだがゼーレは、

「それで二つ先のオルフェンの町まで護衛を頼めないか」

「冒険者でもない私達にですか」

「料金は彼らと同じだけ支払う、もしあれなら違約金も出るからそれで支払うから頼む」

そう言われてしまいマロウニに妖精経由で伝えると乗り気ではないが承諾してくれた。

「それでは契約書を」

オルフェンまでの契約で、馬車は御者をせず。警戒と現れたときの護衛を護衛で得たお金は折半と簡単に取り決め支払った運賃をかえしてもらうと5台に分かれて進むことになった。



違約金についての事はゼーレさんが護衛を放棄した冒険者に請求するからと言ってくれ安堵する。

このまま護衛を続けたいが5名で5台では実質依頼を続けられず絶望でしかない。

休憩で停止するとゼーレさんが降りてこちらに来ると、

「彼らに護衛を依頼しましたので馬車の御者はしませんがこのまま旅を続けますよ」

私は驚くと共にエルフは接点がないのでそこが不安であり、しかし弓の技術は先程の戦いで圧倒的なのを見せられているので安心できたが、

「よろしくお願いします」

馬車に乗りその横にフードをかぶったエルフが座ったので挨拶をする。

しかし話が通じないのか黙って前を向いており、フードの影からエメラルドグリーンの瞳が光るだけだった


その日は夜営をして翌日朝から進む、

相変わらず愛想のひとつもなく黙りで進んでいると不意に前方の木の上を指差し前の馬車が停止する。

音もたてずに馬車をおりると静かに走り木の上に飛んで消えてしまった。


「これが待ち伏せていた盗賊全てですね」

気絶させられた盗賊が20人縛られて転がされており手際のよさに驚きを隠せない、

「全て積めないのでロープに縛り馬車の後ろを歩かせるしかないですね」

ゼーレは嬉しそうに褒賞金や奴隷の代金を計算しており進む速度は落ちるが村まではすぐそこなのでロープを馬車に縛り数珠繋ぎで引いた。

横のエルフは相変わらず静かに座っており試しに声をかけたが反応せずに村へと到着した。



「横のヒューマン、いちいち声をかけてきてうるさい何とかならないのか」

マロウニが降りてくるなり言うので、

「彼らも不安なんだよ仲間には逃げられるし話がわからない始めて見るエルフに」

「ヒューマンは弱いなお前は違うが、後4日静かにしておく」

そう言うとゼーレに割り振られた宿の部屋に上がり今日の仕事を終わった。


翌日、村からボロい馬車を借りたのか買ったのかわからないが盗賊達を載せ傷が未だ痛そうな冒険者が手綱を握る。

私はゼーレと共にリリアと乗り先頭で進む、

「昨日あの村で聞いたのですがどうやら地方領主の反乱があり、逃げ出した残党が盗賊として潜伏していると、上手くいけば褒賞金もかなりもらえますよ」

「ねえ、アポロニアあの捕まえた人はどうなるの」

横のリリアが聞いてくるので、

「お頭とかで懸賞金がかかっていれば死罪、それ以外は奴隷かな」

「同じ種族で奴隷なんて、ひどいですね」

確かにエルフは一族で強い繋がりを持っており、里を捨てたエルフ以外はお互いで協力し会う社会で私の時の様にしてしまった場合は償うと言う事で責任を負わせる。

「人は多いからエルフと同じようなことをすればしたもの損になりかねないと言うことです」

「私達がヒューマンの中で暮らすのは難しそうですね」

何かを考えながら野営をして過ごし翌日出発した。



盗賊をとらえた翌日、出発して早々に見張られているようでシルフが知らせてくれる。

「アポロニア、盗賊が追跡しているようだけどどうする」

少しだけ間があり、

「ホルスに前の偵察を先行してもらいたいんだけど良いかな」

確かに待ち伏せをしているのを知りたいので同意してホルスに向かわせる。

「今ゼーレさんからヒューマン同士で戦って破れたのが盗賊になっているらしい」

「これだから、まあ良い私はすることだけをするだけだ」

ヒューマンの醜さはわかってはいるがこう争うばかりとは自滅しないのが不思議でありそれが長が言っていたヒューマンなのだろう。


「マロウニ、かなりの待ち伏せだ50はいるだろう」

アポロニアに知らせると後ろの盗賊を捕らえて一旦止まるように伝えてきたのでグラスに向かわせる。

「二人捕らえたよ、中々すばしっこかったけどね」

すぐに知らせを受けてアポロニアに知らせると馬車が止まり皆アポロニアの元に集まってきた。



マロウニ経由で知らされたが盗賊がこんなに大勢とは勝てるのか最悪村に戻るかとも考えながら後ろの斥候を捕らえてもらいホルス以外に集まってもらう。

「このもう少し先で盗賊が50待ち伏せています。撤退も視野にどうするか決めましょう」

雇い主であるゼーレを見ると、

「村まで戻ったとして何とかなりますか」

そう言われて出発した時点での斥候なので目標は私達、

「品物か捕らえた盗賊かその両方か、狙いは我々なので排除しない限りは通れないかと」

そう言うとゼーレは、

「最悪は荷物や捕虜を渡してと言うのも選択肢ですが」

それをマロウニに通訳して伝えていると、

「その程度の人数なら我々で対応できる」

強気で言うのをリデリオやグラスそしてネーベが頷き怪訝な顔をするゼーレに話すと驚きながら喜び、

「もしこれを突破できるなら戦利品全て差し上げます」

大盤振る舞いに驚きながらもリリアにはと思いながらマロウニにどうするか聞くと、

「妖精と精霊を召喚する。アポロニアも急だがこの場でパートナーを決めてくれ」

そう言われて何にするか皆で話し合って、

「我々には苦手なサラマンダーでいいな」

マロウニが確認するとリデリオが火を起こし始める。


小さな火を前にマロウニが、

「火の中に宿る妖精を感じろそして魔力での繋がりを」

そう言われて火を見ながら目を閉じて意識を見えないはずのものに持っていくと炎の中に小さなとかげが小さな舌をチョロチョロだしてこちらを見上げている。

私は右手を差し出すとゆっくりと指先に魔力を循環させているとこちらを見ていたとかげが火の中から首をもたげ指先に鼻面をちょこんと触れてくれると魔力が流れ込む、

「コントロールしろ急に流し込めば妖精は暴走してしまうからな」

マロウニの声が聞こえ私は練習していた通りに細く細かい魔力にして流し込むと妖精が大きくなり始める。

どのくらいなのかと思いながらもその大きさは大きくなり羊いや豚位になると大きく口を開けてグルグルと唸った。


「パートナーとして結び付いたな」

目を開けるとそこには小さな炎ではなく大きい炎で私の手を焦がしているが熱くはなくむしろ暖かい感じでゆっくりと目を閉じたときの姿に終息した。

「すごい、サラマンダー何て始めてかなこんな大きいのは」

ネーベが嬉しそうに顔をあげているサラマンダーの顔を撫でている。

「これであれが使える」

マロウニはそう言うとリリアに何か言うとリリアは走り出す。

「複合の業を行うから、アポロニアはサラマンダーにリリアとホルスのシルフに協力を伝えてくれ」

そう言われたのでサラマンダーに伝えると嬉しそうにくるくる回り球体にかわると消えた。

「火が炎になって消えた」

冒険者達は騒ぐが直ぐにリーダーが静かにさせる。

「私達は正面から向かい敵を捕まえる」

マロウニが言うのを皆に伝えて怪我をしている1人以外はマロウニの後に走り始めた。



すごい、初めて精霊の召喚を見たがアポロニアさんが手をかざすと炎が勢いをましていく、手が焼けると思ったが熱くないらしく服も燃えずに、時折炎の反射に何かが写るそれが精霊なのか私もだが冒険者のリーダーも同じ気持ちなんだろう、しばらくすると炎は丸くなりそして消えてしまいアポロニアさんが、

「今から盗賊を捕縛していきます。戦闘不能になった盗賊を我々でとらえましょう」

今回、前回のエルフの手並みを見れると言うことにさらに興奮しながらロープを持って後に続く、

しばらくいくと目の前に盗賊が現れて怪訝な顔をしており頭らしいのが、

「金目の物と仲間を返してくれれば悪いようにはしない」

そう言うとエルフがアポロニアに何か呟くと、

「その嘘で話し合いは決裂と言うことで」

そう言うと盗賊の頭は、

「やっちまいな、そのフードの連中に気を付けろ」

盗賊が武器を抜くとアポロニアが私達にわからない声で呟くと空中に先程の炎が現れそれを急速な風が巻き込んでいき炎が飛び散った。



権力争いに破れて反乱を起こしたが見透かされていた敵対する貴族が準備をしていた軍で攻めてきてやぶれてしまった。

農兵を盾として戦わせて主力である我々は戦略的撤退をして西方の国境まで移動してきた。

家族をあわせて100名の仲間を養うため日より見主義の商人から必要な物を徴収して税として執行すれば問題はないのだが、

その税を徴収するため活動している20名が捕まったと、殺られたのではなく褒賞金目当てか、

「いきなり現れて全員動けなく拘束されたと言うことです」

離れたところにいたこの下人が報告に来たと言うことだが、

「我が甥もいたであろう逃げてくるとは、お前を生け贄にして我らの家臣を取り返してやる」

下人を切り殺して気勢をあげて街道へと急ぐ、

「村を見張っていた者から商人の馬車が出発したと6台連ねております」

「そうか、かなりの物を持っているな有意義に使わせてもらうぞ、進め」

森を抜け街道に出る。

ちょうどここなら道幅も狭く突破できずに全ては私の手の内の中、必ずや金の力で我が領地を取り返す。

さて、楽しみに待つとしようか、護衛をしている奴らは奴隷として使えさせてやる。

「現れました。現れましたが」

何をこの男は慌てておる。

「馬車ではなく」

そういうのを見てみるとフードの男たちと商人と冒険者がおり目的の馬車がいない、

「なぜ馬車がいない、貴様私を騙したな」

怒りにうちふるえながらムチで叩くと周りの家臣に、

「武器をもて、奴等の命を奪い馬車を持ってくるのだ」

頼もしく家臣団は刃を並べると走り始めた。


10人程を我が家臣50人を取り囲んでいると悲鳴が次々と上がり武器を落として苦痛に歪めている。

「何をしておる。武器を落としている場合か早く片付けろ」

武器を拾おうとしているが拾えずよく見ると持ち手が赤く加熱している。

そして家臣は次々と眠るように倒れていき私1人に、

「妖面な業を使うとは、どうじゃ我に使えぬか貴族にしてやろうぞ」

貴族にしてやると言えば喜ぶはずだが、

「盗賊の癖に」

大男がそう言った瞬間私の脳天に何かが当たった。



「これは貴族ですな、元ですが」

ゼーレが嬉しそうに私に気絶させられた男を見る。

他の連中は縛り冒険者は馬車へと向かってこちらへと戻ることになっておりその間に縛り足らない分はつたで代用した。

「乗せられませんが引くしかないでしょうな」

さすがに70人もの盗賊を乗せるわけにもいかず戦利品の装備を代わりに載せ冒険者1人をゼーレが先行させ兵士を派遣してもらう手はずを整える。

「何処かで待つと言うことで、出来れば残党狩り」

ゼーレが言うのをマロウニに伝えると、

「ヒューマンの様に命を軽んずるわけにいかぬか、ネーベ」

ネーベが嬉しそうに頷くとパートナーであるノームが現れて貴族を起こして間近で瞳を見ていると、

「私は友達、聞きたいことがあるの教えてくれる」

「はい、喜んで」

ネーベが聞くと貴族は嬉しそうに答える。

「貴殿方の住んでいる場所はどこ」

そう言うと少しだけ考え、

「私ははっきりわからないのですがあっちだと」

どうやら本当にわからないらしく貴族の部下に聞き直すとここからあまり離れていないらしい、

「どうも浮世離れした人は違いますな、本拠地を街道の近くとは」

ゼーレは呆れて馬車で後から向かうので我々に鎮圧してほしい得たものは任せますといい私達はその部下をつれて向かった。


「我らの妻子も喜びましょうネーベ様が一緒に来てきただけるとは」

ノームのチャームですでに仲間だと思わされており不憫だなと思いながらも使えた主人が悪かったんだとおもいながら粗末な家が立つ切り開かれた森の一画にとうちゃくした。

「皆、紹介するぞ集まれ」

盗賊の家族は私たちを見て怪訝な顔をしながらあつまってくる。

「これで全てかな」

ネーベが聞くと自信ありげにうなづく、

マロウニとリデリオそしてグラスが詠唱を始めるとシルフが周りでゆっくりと歌を歌い始め女子供が次々と倒れていきネーベが唱えると草が伸びて両腕を拘束してしまった。

「怪我したのはいなさそうだね」

女子供なので注意してらしい、

「しかしすごいね、こんな事が出来るなんて」

今更ながらに驚くとリデリオが、

「アポロニアだってサラマンダーどパートナーになったんだからね」

「でもどうすれば、燃やすとかはできるけど」

「徐々にだけどどうするかわかるさ」

そんなことを話しているとゼーレが馬車を引き連れ到着して、

「すごいですね、いずれにしても数日はここにとどまって領主の兵が来るのを待ちましょう」

そう言うと馬車を円陣にして捕虜を外側に並べて野営をすることになった。

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