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自分の不甲斐なさ

この3年、ずっと使いなれているヘビーソードを背中に背負い忘れ物がないか確認していると母親から、

「ミリアちゃんが迎えに来たよ」

下から声をかけられてあわてておりていく、

「何時もありがとね、今日は卒業試験見に行くからね、二人とも頑張んなよ」

「頑張ります。いくよ」

何時ものようにおとなりさんの幼馴染みであるミリアが迎えに来てくれ母親は見送りをしてくれる。

路地を抜け家が見えなくなり大通りへ抜けると何時ものようにミリアは走り出して待っている友人達と合流する。

「おはようミリア、今日の試験頑張ろう」

「頑張ろう、ランクを決める試験でもあるからね」

女子連中に混じり歩き始めるミリアから少し離れて歩き始めると女子は後ろを見て、

「まったく最後まであんなのを連れてくるなんて、幼馴染みとはいえ」

「からだが大きいだけで臆病で前衛なんか全然駄目な奴」

自分は体格には恵まれておりもうこの歳で2mを越えており腕力もあるが、元々引っ込み思案といじめられっ子だったので積極的に行動できずにおり何かあれば幼馴染みでミリアが組んでくれている。

「気が弱いからね」

そう苦笑しながら歩くミリアにごめんと心で謝る。

そんなことを思っているうちに学校へと到着して試験会場に向かった。


指導教官であるベルト先生が試験を受ける80人を見て、

「全部で3回戦ってもらう、ただし学園長やギルド長の目にとまったものは特級試験をそのまま受けてもらう。最高でランクCまでいきなり上がることも出来るから気合いをいれていけ」

そう言うと皆は元気よく返事をして各会場に別れた。

私の1回戦目は直ぐに行われるため会場に向かう、到着すると指導教官で付与魔法を得意とするベグリス先生が私のヘビーソードに相手を傷つけないが麻痺をする付与魔法をかけて相手にもかける。

対戦相手は小柄だが速攻を得意とするフェイスがにやつきながら立っており、

「お前には同情するよ一回も勝てなかった集大成の最初が俺なんだからな」

そう言って笑うと始めの鐘が鳴りダッシュしてきた。

私は相手を傷つけないか何時もは心配なのだが今回はその心配はないので大きく横凪ぎにヘビーソードをふる。

フェイスは舌打ちしながら後ろへ飛び退きすぐにダッシュしながらソードで切りつけてくるのをヘビーソードの腹で受け流して袈裟懸けに切り下ろしそのままの流れで逆袈裟懸けに切り上げるとフェイスはあわてて飛び退き、

「勝てねえからってやみくもにでかいのを振り回しやがって、かかってこい」

今までと違い自分の間合いに入り込めない苛立ちを隠さずに私を睨み付けながら間合いを詰めてくるのをヘビーソードを振り回して止めてしまった。


「終了」

鐘が鳴り1回戦目のしけんは引き分けに終わり確実にとれるはずの勝利を取れなかったフェイスは、

「逃げ回りやがってチキン野郎が」

そう叫ぶのを聞きながらまわれ右して次の場所へと移動をした。

試験はほとんどの戦いは決着がついており鐘が鳴るまで戦ったのは私だけらしく他の生徒からも、

「振り回していれば良いなんて卑怯ものめ、最後まで弱虫なんだからな」

そんな声を聞きながら他の戦いを観戦して昼前に2回戦目に入った。

「チキン野郎かよ、まあいい直ぐに決着つけてやる」

二人目はエバンスでロングソードとバックラーで盾役の前衛であり、私の攻撃を盾でいなしながら攻撃を仕掛けてきて力はさほどではないが技術は上手い男だった。


鐘が鳴り戦いが始まる。

時間制限もあるのでエバンスは積極的に前に出てきて私が横凪ぎで攻撃するのをバックラーで受け流していく、

「その程度の力じゃ10年たっても俺に勝てないぜ」

そう言いながら少しずつ前に出てきており私はバックラー当たる直前にヘビーソードの軌跡変えて切りつけると楽勝と侮ってくれているエバンスは打撃を逃がしきれずに顔をしかめ怒りで顔が赤くなり技が粗雑になりはじめ、そのまま鐘がなるまで続いた。

「てめえ何かしやがったな、姑息な野郎がチキンの癖に」

と有らん限りの罵声を私に浴びせ私は後ろを向いて食堂へと向かった。


「あいつ合格だろ、勝てないからって卑怯にも引き分けに持ち込んだって」

確かに思惑通りに2回引き分けて合格の基準を満たしておりランクも最低のFではなくEで冒険者として始められるため安堵しており、まわりの言葉もその通りだと思いながらも、

「あんな奴どこのパーティーからも断られるだろう、倒せないチキンな前衛じゃ」

そう言われてその不安をミリアに相談するしかないかと思いながら食堂に到着して昼食を受けとるとミリアの姿を探しながら柱の横から顔を出すとテーブルの反対側に友人達と座っているミリアを見つけたので声をかけようとしたが、

「だって幼馴染みだって言うだけで面倒見ろって言うし親も先生も迷惑なんだよね皆が言ってる通り」

言い終わると私と目があい驚きながらも横を向いて見ないようにしていた。

私は聞こえるかどうかわからない声で、

「今まで迷惑をかけてごめん、もうしなくていいよありがとう」

そう言うと食べずに食器をかえすと校舎の裏庭に行き座った。


「さんざん迷惑をかけてきたんだからああ言われても仕方がないな」

3年間ミリアが先生に言われながらも私を面倒見てくれたのも事実であり朝の登校の時の行動も今考えれば納得できる。

「これで無事卒業できてもボッチか」

他に誰も相手をしてくれるわけでもないので一人で冒険者をやってこうと思いながらも気持ちにモヤモヤがありそれが少しずつ大きくなるのを感じた。

昼食が終わり試験が始まりそれを見つめる。皆大なり小なり互いに応援しており私はモヤモヤが誰に向けるでもない怒りに変わるのを自覚して試合会場に向かった。


「前の二人からは上手く引き分けにしたようだが俺はそうもいかないぜ」

最後の相手は私と同じ背丈もありウォーハンマーを振り回して相手を圧倒するのが得意なマズルカであり何時もの模擬戦では武器を叩き落とされて負けている相手である。

会場に鐘が鳴り戦いが始まる。

余裕のにやついた顔で大きく一歩を踏み込みながらウォーハンマーを横殴りにふってくる。

何時もなら避けるが怒りが自分の不甲斐なさであることが目の前のマズルカに向けて出した。

ウォーハンマーとヘビーソードがぶつかるがマズルカのウォーハンマーはね飛ばしてもう一歩前に、更に前にと進み続けウォーハンマーを跳ね飛ばして胴体に一撃を加え崩れさせた。

「それまで」

声がかかったがヘビーソードを怒りのまま振りおろした。


金属のぶつかる音と目の前には審判である教員がソードで受け止め、

「試合は終わったんだ、失格になるぞ」

怒りは未だ収まらなかったがヘビーソードを引いてそのまま廊下を抜け外に出様とすると知らない髪の黒い男に止められ、

「なかなかの馬鹿力だな、こい」

そう言うと会場に連れ戻されてしまい男が、

「ケリーこい」

そう言うと昨年トップで卒業してランクDからランクCに1年で昇格した金髪の先輩が男に呼ばれて、

「こいつの相手をしろ」

そう言うと私に顎でここにこいとさしずしてきたので怒りのまま上がり男の掛け声で戦いが始まった。


ケリー先輩はロングソードをかまえてこちらの様子を見る。

私は基本に忠実に摺り足で前に進み間合いに入ると踏み込みながらヘビーソードで凪ぎ払った。

当然予想通りに件で受け流すその力で攻撃の軌跡を円を描くようにもっていきながら連続で切り上げ、更に微妙に最後で手首を返すようにして受ける場所を微妙にずらすと、ケリー先輩は打撃で受け流したはずが相当な痛みをともなうのか顔に出てくるので更に切りつけていると、

「それまで」

そう言って私と先輩との間に入り、

「俺があいてしてやる。こい」

腰にはショートソードしか身に付けておらず私は怒りを男に向け切りつける。

男は口許がにやけながら足裁きで避けこちらの攻撃を少しの力で受け流すので、先程のように手首を返して軌跡を変えたが体がすでに動いているため少しでは意味がない、

「もういい」

そう言って攻撃をう食らいながらのカウンターを狙って肩にヘビーソードを担ぎ大きく一歩を踏み出しながら袈裟懸けに一気に振り下ろした。

一撃が決まったと思ったが男の姿は切れた瞬間に溶けたように消え代わりに頭に麻痺と衝撃がきたので意識が飛ぶのをつなぎ止めヘビーソードを地面に落としながら両手で相手をつかみ持ち上げるのと同時に叩きつけた。

「ちょい待ち、ぐわっ」

叩きつけた男は背中から落とされて声をあげる。

しかしショートソードを放していないので足首を両手で持ち上げると再度叩きつけたが手を離さずにいると、

「試合は終わりだ手を離せバカ野郎」

赤毛のショートカットの若い女性が現れてレイピアを抜いてきたのを、

「審判じゃない、審判はこの男だ」

もう自暴自棄になる自分は近寄ってきた赤毛の女性に向け男をフルスイングで投げつけると、まさか自分に飛んでくると予想してなかったのか男と共に一段下がった場外にもつれながら悲鳴をあげて落ちていく、

仲間なのだろうか男達が上がって来たのでヘビーソードを持つと大きく振りかぶり力をこめると鐘が何度も鳴り教官達が私を見て、

「終わりだ、終わったんだ」

そう言われて周りを見渡してヘビーソードを投げ捨てるとかけられる声を無視して学園から自宅へと戻った。

母親は多分今の試合を見たんだろう、あんな粗暴で破れかぶれで不様なのを見て呆れただろうと思いながらリュックを取り中へ簡単な身の回りの物を突っ込んで自宅を出て大通りを走って門を出るとそのまま真っ直ぐ森へと入り道なき道を走り抜けて夜を迎えた。


「いやまいった、あれで気絶か戦闘意欲を奪ったはずだったけど武器を捨てて俺を叩きつけるとはな」

背中と掴まれた足首が痛く私をぶつけられたミーシャは気絶してしまっておりギルドの職員や学園の教員がヒールを唱えている。

「行きなり無茶するし、審判がいないのに試合はじめるし」

「そうなんだけどさ、あの子の気持ちがね何かわかったからね答えてあげようとしたらこうなっちゃった」

大声で笑うと何時もの事なので皆呆れたようにミーシャの介抱に向かい私はケリーに、

「姿見えないんだけど」

使っていたヘビーソードは床に転がっているが本人はいない、あのがたいなら目立つはずなのにと思っているとケリーが、

「通路を走り抜けて行ったみたいです。ほっとけば良いんじゃないですか、自分のやった事を反省しながら」

天才肌だが周りの空気が読めないケリーに、

「お前みたいに能天気じゃないんだよ、思い詰めて爆発して行き場がなくなった奴は」

足首は痛むが直ぐに立ち上がりあの学生を直ぐに探すように言うとお偉方に呼ばれたのでいやいやながら説明をしに向かった。



2回戦目から息子の試合を観戦しておりミリアのご両親と共に見つめる。

話には聞いていたのだけれども気の弱い息子が何とかしたいと思い大きく振りかぶり攻撃をしていく、しかし何処かで躊躇するのかもう一歩踏み込むことをせずに戦っていて息子らしく相手に最後まで怪我をさせないと言う気持ちがわかり嬉しく思う。

しかし午後から息子の様子がおかしいのが離れていてもわかりミリアのお母さんと顔をあわせて心配そうに3回戦が始まる。

お互いからだが大きい子同士なんだけどいきなり手に持ったのをぶつけあいその音に私は悲鳴をあげてしまう。

何度も打ち合うなかで息子の背中が変化していくのを手を伸ばしてしまいそれを止めたかった。

悲しみと怒りに呑み込まれていく息子を見つめていると相手が見えなくなってるようで相手の子を倒した後もその振り上げた物を下ろそうとして審判が止めてくれた。

息子はそのまま通路に向かって歩き始めたのであわてて席をたつと下へと階段をかけおりた。


「関係者以外入れません試験会場なのですから」

そう言っても息子がどこか遠くへ行ってしまうような気がして他に呼ばれた入り口の人の横をすり抜け会場に入ると息子を探した。

「すごいなあの少年はあのケリーにあそこまで、そしてギルド長がお出ましか」

あの子の父親とよく飲んで帰ってきたあの人が息子の前に立ち動き出す。

あの頃と変わらないのだろうあの人は何時もの嬉しそうな笑顔で息子と戦っているが、息子はその笑顔でさえ怒りにかえてしまい大きく振りかぶり床に叩きつける。

あの人の姿が切られ悲鳴をあげてしまうがそのまま息子の頭に一撃を与えようやくホッとしたのもつかの間息子があの人につかみかかり持ち上げて叩きつけてしまう、周りは悲鳴をあげるが息子はそれを止めずに振り上げると叩きつけ私は息子の変わりように足が動かなかった。



気がついたら山の麓なのだろうか、標高が上がったのか高い木は無くなり低い灌木が生えている場所で月明かりの中少しずつ登ると草木が生えていないガレ場に入りそのまま休むことなく登り道なき峠を越えると、そこには紫色に染まりはじめた空が広がりはじめいつの間にか怒りが小さくなっており朝日を浴びながら斜面を降りた。



「何処まであるいてやがるんだ3日たっても追いつかない、なんでランクもない学生に振り回される」

「まあギルド長からの命令だからな無事連れて帰ってこいと」

「あんただって楽勝とか言いながら鼻唄混じりで受けたでしょ」

そう言われたハードレザーを装備した青年は、

「あんなにあそこで動いたら普通動けないだろ、ましてやミーシャを気絶させるし、まあ奴もこれで大人しくなれば良いがな」

軽装のレザーアーマーを身に付けた黒髪の少女が呆れたように、

「相変わらず根に持ってる。暗い」

「そうよリーダーの性根の悪さは呆れる。楽天主義と言うか」

「うるせえな、さっさと追いついて帰るぞ」

そう言うと残りの二人は元気よく手をあげて声をあげた。



「山から降りてくる者がいる。大きな体格のオーガじゃないかって」

まったくこの里に入り込んでくる愚か者は何十年ぶりか、それもあのオーガとは私の弓の的にしてやるそう思いながら、

「ついてこい、この森から追い出してやる。ただし命だけは取るなよ穢れるからな」

何時もの仲間4人と共に知らせがあった場所へ急ぐ、

「あれですよ、薄汚れた格好をしたオーガが森に入り込んできたんですよ」

「よし先ずは警告をしてからだ、エルフとしてどんな相手だろうが礼儀は尽くしてやろうではないか」

そう言いながら木々を跳躍して弓を引き絞り放つとオーガの前に矢が突き刺さった。



「うわ、山越えてるしまいったな」

追いかけていた少年に結局追いつけずにいてなおかつ山にまっすぐ向かっておりその先は、

「世話のかける野郎だなまったく何でこんなことに」

「で、どうするこれの向こうって禁断の地でしょギルドでも禁止されてる」

「どうするんだよ、連れ戻すには行くしかないだろう」

「でも越えれば問題に間違いなくなるし、撤退するしかないと」

「そうね、ギルド長も納得してくれるでしょ、もどろもどろ」

足跡は真っ直ぐ迷いなくあの頂に向かっておりそれをただ見つめながら私達は戻った。



目の前にいきなり矢が刺さる。

そしてその周囲から声が聞こえてきたが共通語ではなく意味不明の言葉が投げ掛けられるがただ木々を見上げるしかなかった。



「さすがオーガ、我々の言葉を理解できないとはな」

矢を目の前に警告として突き刺し風の妖精にのせて警告の言葉を送り届けるがオーガは動かずこちらを見上げている。

「どうする長老に頼んで共通語で話しかけてもらうか、それならわかるかも」

「俺たちだけで解決するんだ、長老の手をわずらわす必要はない」

エルフは長命なので生き物のすべとして繁殖力は弱い、里と言っても成人は6人しかおらず後は老齢と言って良い年齢で大切に育てられてきた。

しかし十数年で初めての外敵に若者は興奮しており言葉が通じないオーガに向けて一人のエルフが矢を当てるとそれに歯止めがかからなくなったのか木の影に逃げ込む獲物に向かって次々と矢を放った。



「山を越えたって、山を」

追跡と連れ帰るのにギルドの専属冒険者を出したのに追いつかないとは、

「卒業もしてない生徒に追い付けないとは」

副ギルド長の何時もの厳しい目が3人に注がれる。

「そうなんだけどな、まさかそんなに早いとはとはいかないか」

副ギルド長に3人のペナルティーを穏便にとふるが眼鏡を光らせ、

「いきません、侮ったとしか言えませんよ7日も追いつかないとは」

副と私を交互に見つめる3人に、

「違約金を契約金の倍、指定の労働奉仕7日、でいいかな」

「そうですねギルド長が言われるなら」

軽いと言えば軽いがそれよりも学園長に報告とあの生徒の母親に説明をしなければならないのが気が重く先ずは学園長に説明するために向かった。



最初に突き刺さった矢の後に意味不明の声がした後矢が飛んできて体をかばった腕に刺さり骨にヒビが入り痛みで悲鳴をあげる。

しかしそんなことを考慮しない相手なのか次々と矢が飛んできてあわてて大木の後ろに隠れ矢から逃げた。

矢の突き刺さる音の恐怖と痛みが交互にやってくる。

しかし矢を抜かないと自由に動けないのでリュックの端を噛んで3年間使い古したナイフを取り出すと刺さった部分の筋肉の方向に沿ってナイフで切り矢じりを取り出して布できつく縛った。

木上で絶えず移動しているようでこちらの先に回り込もうとしており、何れはと思いながらも本能的に逃げ回るが矢が肩や太ももに刺さり動けなくなる。



「もう少しだ」

オーガは矢を命中させても動くのを止めずに木々の間を動き回り手こずらせる。

しかし仲間と共にこの気持ちの高鳴りを押さえる事が出来ずに命中すれば、

「やった、右へ逃げたぞ」

「ギリギリ避けられた、でかい図体ですばしっこい」

「2本目を命中させたぞ」

「転んだ、とどめだ」

オーガの太ももに見事命中して転んだ。

「よし止めだ」

掛け声をかけて皆が弓を引き絞りオーガに狙いをつけ放とうとすると、

「何をしている。この森では殺生は森を殺すのと同じと言ったはずだ」

振り返ると里の長として一族を束ねている父親が立っており自分を含め仲間達は引き絞った弓をゆるめて背中にまわした。

私は倒れている獲物を指差し、

「結界を破ったのはあのオーガだ、言葉も理解せずにとどまっていたので攻撃をしただけです」

父親は静かに私を見て、

「命は何であろうと平等でありもてあそんで言い訳じゃない、それにあれはヒューマン」

そう言われて皆驚きオーガだと思っていたのがあのひ弱な種族のヒューマンであることに信じられないが長が言うのなら真実であると、しかし次の瞬間の言葉に私達は言葉を失う。

「命をもてあそんだ罪は許されない、彼に許しを得る事ができるまで誠実に使えよ」

私がエルフの長の息子である私が低俗低能でひ弱なヒューマンに許されるまで使えよと、こんな屈辱を受けるなら命を断った方がましだ、そう思いながら父親を見るとすでに姿はなく地面で弱っていくヒューマンをにらむしかなかった。



数十年ぶりに侵入者があると風の妖精が知らせてくれる。

長老もだが迷いこんできた者に寛容であり直接害がなければそのまま観察していれば良いと、しかし息子を含めた若者達は普段見せない高揚した顔で観察をしてくると出掛けていった。

「我らに必要なのは刺激かも知れないな、寿命はドラゴンに近い我々だが生命の活力はなく静かに時を重ねていく」

「今の子達は我らの森を焼いた者を追い払うのに戦い傷ついたあとで授かった。そう言うこと」

「しかし彼らは若いすまぬが長よ見てきてくれぬか」

長老に言われ私は少しだけ息を吸い込むと息子達がいる場所を妖精に聞いた。

山から降ってきて森へと入った者には怒りと悲しみの精霊が影響を与えているようで森の妖精達は困惑をしており私は一抹の不安を数十年ぶりに覚えながらその中心地にむかった。


私の不安は現実の者になりはじめている。純粋な精神は影響を受けやすくその気持ちが妖精を戸惑わせ更に息子達に影響を与えていた。

「シルフよ風を吹き下ろし不安を我が心に納めたまえ」

シルフ達が不安を感情を集めて私の元へ心へと飛び込んでくる。

あの時の痛みを感じながら受け入れていく、そうかヒューマンが入りこんでいたのか彼らの真っ直ぐな感情を痛みのなかに心地よく感じながら中心へと静かに舞い降りる。

案の定息子達は感情の渦に巻き込まれ知らず知らずのうちに行動している。私にもこう言うことがあったのを思い出しながら息子に声をかけた。



痛みと言うより逃げ出したのにここで命が尽きる。

ミリアに言われた事に怒りは無いが自分の不甲斐なさにこの状況でも腹が立ち木々の隙間から見える空を見上げている。

周囲を囲まれたのを感じながら不孝な息子にかあさんごめんなさいと思い命が尽きるのを待ち続けた。

いつまでたっても体に突き刺さるものはなく気がつくと細面で耳が長い、そう授業で習ったエルフが私を見下ろしており顔をひきつらせながら相変わらず意味がわからずいると一人が口笛を吹いて何かを待っているようだった。


しばらくすると馬が来たのだが町で見るのと違い足が6本ある馬で体格も2倍程あり横に到着すると私を抱えあげて馬に腹這いに乗せると移動する。

しかし乱暴な扱いなので意識が痛みと共に遠くなり消えていった。



このヒューマンは2mはあろうか、我々4人でも里へと担ぎ上げるのは難しいのでグルニングルを呼ぶのに口笛を吹いた。

足踏みをしながら到着してイヤイヤながら血が付かないようにしながらグルニングルの上に乗せると苦痛なのか呻く、


「ホルス見ろよ言葉も理解せずにいる原始的な種族」

「グラス、面倒見るってどうするんだよ」

「なにか食べさせておけば勝手に回復するだろうリデリオ」

「運んでる間に死んだら問題ないのだろうマロウニ」

私は考えてそれも良いと思っていると耳元で父からの言霊が聞こえ、

「マロウニ、もしその者が死ねば里から追放とする」

そう言われて驚き、皆も聞こえたのか呆然としてしまう。

「追放されればこいつらがたくさんいる世界でずっと暮らしていかねばならないんだろ」

「そうなれば死ぬしかないだろう、そんなのやだよ」

「何で私達がこんなめに長老は何を考えてるんだろう」

そんなことを言っている間にも次第に顔色が青白くなっていくのでヒールを唱えて傷をふさいでいくが虫の息は変わらず弓でさわっても反応せず急いでその場におろした。

「ホルス、薬草を急いで持ってきてくれ」

そう言うと一番の長身であり足が早いホルスが里に向かって走る。

「グラス、エリクサを万一のため持ってきてくれ」

「エリクサをこいつに使うなんて」

グラスは一番背は低いが木々での移動には誰もかなわなく性格も明るい、

「万一だ、死んだら俺達が破滅だ」

エリクサは瀕死の者でも蘇生させ傷を癒すが、当然死んだはずのものが生きていれば本来食べなくて良い食料を消費するため生態系に少しずつ狂いを生じさせるのでエルフの中では使うのを嫌う、唯一使うのがエルフの赤ん坊であり、生命力が生まれた段階で脆弱でありエリクサを使わなければ1年以内に半数以上が亡くなるのを予防するためになのだが、なりふり構ってられず持ってくるように頼んだ。


「マロウニ、ところでこいつを何処に連れていくんだ」

リデリオは仲間の中では色々気が回る落ち着いた友人で肝心なことを思い出させてくれる。

「怪我人をこのままおいておくのはプライドが許さない」

ここで治療していれば長老もだが長である父親からも軽蔑の目で見られるのは間違いない、なので里の空き家に入れるしかなくリデリオに、

「クロウディアさんの住んでいた家が空いていたろ里の端の、あそこに連れていくから周りの住民に説明して準備をしてくれ」

「あそこってあそこだろう、良いのかな」

「他のところは里の中心に近いし長老のすぐとなりだし、あそこが一番離れてるからな」

そう言うとリデリオは納得して足り去った。

ここで応急処置をおこなうことにして矢を抜くことにする私はヒールが得意なので矢を抜いていく、エルフの矢はヒューマンのと違い抜けないようにするためのかえしが無いので折れてなければ抜きやすく、その代わり貫通力が強いので骨に当たれば砕く、しかしよほど骨も筋肉も頑丈なのか砕けてはおらず蛮族と言って良い頑丈さに嫌悪感を抱きながら処置を進め皆が帰ってきたので薬草を潰した塗り薬を傷口にすりこみグルニングルに再度乗せて家へと向かった。



「冒険者アポロニア、ランクCを与える」

皆がどよめくが本人はおらず卒業式の式典は進んでいく、ギルド長をどうであろうと倒したことと助けられなかったと言う後ろめたさからランクCと言う学園始まって以来の快挙を成し遂げたのだが、すでに名誉と言うお飾りにすぎないのを誰も口に出さずにいた。

「ギルド長、例の生徒の母親は欠席されたそうで学園から教官が慰問にうかがうことになっております」

「しかしあそこに入ったからって命を落としたとは思えないんだよな」

「なにか言いましたか」

私は首を横にふりながらも知る手だてがないのをいらつきながら他の報告を聞いた。



「来なくて良いからな、絶対近寄るなよ」

好奇心の塊のネーベと心配症のリリアがあの家に収容されたヒューマンの事について聞いてくる。

「ヒューマンてどんな感じかな、聞いたところだとオーガだって」

ネーベが誰に聞いたのか思いこんでいたことを聞いてきたので腹が立ち、

「うるさい、低俗でひ弱なヒューマンがオーガに似てるわけ無いだろ、どこから聞いてきた」

「だってグラスが言ってたんだもの、リリアだって見たいよねだよね」

リリアは押しきられるように、

「怖いっておばあさまから聞いていたから、でもネーベが見たいって言うなら一度くらいは」

あれから10日が経過したが意識は戻らず高熱を発している。風の妖精を呼び体を冷やすように言いながらも予断は許さず交代で詰めていた。

刺さった矢は11本、移動途中にすべて抜いた傷口はもう盛り上がっておりヒールをしたとはいえ信じられない回復力に皆で驚かされていた。


それから数日後、目を覚ましてお腹をならすヒューマンに食事をと思い夕食を家の残りからと思い持って行く途中でリリアに会う、

「何も食べてないのにいきなりそれだと体調がおかしくて命が危険になるよ」

固形物は危険だとリリアは言い持って行くから待っててと行ってしまう。

「なんでお腹に入ればヒューマンなんぞ同じだろ何食べても」

ホルスが言うのに頷くとホルスのひいばあちゃんが横から、

「お前立ちは何もわかっておらぬ、無知は罪であり知らなかったで命を奪うのは許されぬ、リリアの言うことを聞くがよい」

有無を言わせぬ言葉に沈黙しているとひいばあちゃんは少しだけ笑うと行ってしまう、

「かまどまだあるよね」

リリアが食材を抱えながら聞いてきたので頷くと行こうと言って走り出した。


かまどの火をおこして水を入れた鍋をのせる。豆や薬草等を色々入れて弱火でしばらく煮込んでリリアは味見をして頷くと器によそいヒューマンの寝ている部屋にもっていく、ヒューマンは私達が入ってくると目を少し明け直ぐに閉じてしまうので、

「挨拶も出来ない種族とはな、蛮族め」

私が吐き捨てるように言うと、

「仕方ないよ、2週間近く食事してないんだからマロウニも昔高熱だして寝込んでいたとき動けなかったでしょ」

そう言うとリリアはヒューマンを起こすの手伝ってと重い体を上半身だけ起こさせるとどろどろになったスープを与え始めた。

「ゆっくりでね、あわてて食べると気管支に入っちゃうから」

話が通じてないはずだがリリアは笑顔で言い全てを食べさせると寝かせてゆっくりしてねと出ていった。



夢を見ていた。小さい頃に両親が所用で出掛けてしまい私は不安になりながら待っていると熱を出してしまったようで倒れこんでしまい気がついたらミリアが涙目で顔をのぞきこんでおり私が目を覚ますと大泣きでミリアの両親を慌てさせた。


ようやく意識と視界がつながり目を開けるとそこにはほっそりとした美しいエルフが少しだけ微笑みこちらを見て何かを言うのを黙って聞いているとお腹が鳴り美しいエルフが不機嫌そうなエルフに指示を出して私の上半身を引き起こしてくれあたたかい色々な物がとけだしているスープを飲ませてくれた。

久しぶりの食事が喉を通過して食堂にそして胃に入るのを感じながら生きていることに不思議な感覚を覚える。


お腹が温かく満たされると自然とまぶたが落ちて寝てしまった。



「良い意味で里が慌てておる。久しぶりの来訪者にな」

一番の長老でありドラゴンと同じ年月を生き続けており、1日の大半は静かに瞑想され食事も妖精が運んでくる物を皮膚から取り込んでおられこうして言葉を発するのも珍しい、

「しかし若者は迷い困惑しておりますが必要なことではと」

「お前もそんな事があったな、確かに里の中で一生を過ごしたとしてもこう言うことは往々ある。見守ろうぞ我らで」

長老からの言葉もいただきホッとしながら色々な感情が里におこり妖精がそれにより興味と活発に動いていき我々年を重ねた里の者も影響を受けていた。


「長よこの胸騒ぎ放置していて良いのかな、影響を受けて争乱が起こるやもしれぬ」

私とは同じ世代のエルフであり競いあった中で率直にこの様に言ってくれるありがたい友である。

「確かに怒り恐れ恐怖等の感情は危険だがそれを遠ざけておけばあの時のような我々の様になってしまう」

「確かにな長老もと言うことか、監視はしておくぞ」

そう言うと昔を思い出したのか口許がゆるんでいた。



「あんなのとどうコミュニケーションとれば良いんだよ、言葉もわからないし反応もしないし、頭おかしいだろう」

「そうだそうだ、言葉が通じればなんだけど、無理だろう」

リデリオとホルスが面倒はごめんだと言いたげにしているがグラスが、

「だが許しをもらえない限りはなんだよな」

言葉でもだが意思の疎通の手段を考えると絶望的であり体力が回復したなら里から追い出せば良いのにそう思いながら仲間と森に薬草を取りに出掛けた。



「大丈夫かなリリア」

「とって食べようとはしないはずだけど、大丈夫よ長老様も問題ないって言ってたからネーベ」

男の子達はみんなで出掛けてしまい私達が食事を持って行くことになったのだけれども、

「大きいよねベットから足はみ出してるし、胴体なんて私たち二人よりも全然太いし、この足すごい」

ネーベは寝ているのを安心したのか近くでまじまじと見て大きさに驚いている。

「ネーベ失礼だって、それに起きたら危ないかもよ」

「大丈夫、大丈夫、ほら動かないし」

ネーベが急に動きを止めて顔をひきつらせる。

何かと見てみれば苦手な青虫、ネーベの手の上にいつの間にか乗ってゆっくりと登っており私もネーベ程ではないにしろ苦手で少しずつ近づく緑色に二人で固まってしまった。


「リリアお願い」

震える声でこちらを見るが私も動けないでいると丸太のようなのが伸びてきて青虫をつまむ、ネーベは力なく座り込み青虫を摘まんだ手はすぐ横の木の葉っぱの上に青虫を置いた。

「こわかった」

ネーベは私に抱きつき青虫の感触を消すためにうでをふっており私が笑うと膨れっ面しているとベットから小さく笑い声が聞こえた。

二人で顔を見合わせて立ち上がりベットをのぞきこむと顔を赤くして笑っており痛みもあるのか傷口をさすっている。

私はまず自分をさしてネーベをさして、

「リリア、ネーベ、リリア、ネーベ」

と繰り返すと私達を指差し、

「リリア、ネーベ」

と言い自分を指して、

「アポロニア」

そう言うのでアポロニアを指差し、

「アポロニア」

と繰り返すと頷き少しだけ笑顔になった。



不機嫌なエルフは朝仲間を連れだって出掛けたようで静かだ、体を動かしたいが全身に矢傷があり動くとまだ痛みは激しい、朝はなにも持ってきてくれなかったのでお腹が空いたが仕方なく目をつぶり寝ようと思っていると声が聞こえた。


こないだきた綺麗なエルフでありどうやら興味があるのか部屋の入り口からのぞいているようで小声で楽しそうに話している。

私が寝ていると思ったのか足を忍ばせながら近づいて来ると不意に悲鳴が上がり薄目で見た。

元気が良い方のエルフが左腕を見てひきつって腰砕けで座り込み、綺麗なエルフも顔をひきつって何か言っている。

腕を見ていると緑の尺取り虫が上へ上へと体を曲げながら登っておりふと昔を思い出した。

「取ってねえ取ってアポロニアお願い取って」

ミリアに連れられお花畑に行ったときにもう少しで花の冠が完成するときにそれはおこった。

ミリアの腕に何処からか虫がとまり悲鳴をあげて走り回り追い付いて取るまでひたすら走り回ったのを思い出して笑い、目の前の二人も苦手なのか涙目なので腕を伸ばして白い肌で散歩をしている尺取り虫をつまみ窓から突き抜けて生えている気の葉っぱに置いた。

笑いが収まると綺麗なエルフが立ち上がり自分と泣きべそをかいているエルフを指差し、

「リリア、ネーベ」

と繰り返すので名前かと思い二人を指差し、

「リリア、ネーベ」

そして自分を指差し、

「アポロニア」

と言うと向こうも私を指差し、

「アポロニア」

と言ってくれた。


それからは4人がいないときに二人が来て物の名前を教えあっていく、どうやら文法も違うらしくなかなか難しいが古い物語の本を持ってきてリリアが教えてくれた。

1ヶ月程で起きることができてリハビリを行う、マロウニと言う若手の中のリーダーが手助けをしてくれたので、

「ありがとう、マロウニ」

そう言うと驚いてこちらを見たが怒って行ってしまった。

「驚いてとっさに怒っただけだから」

リリアが言うのを笑いながら頷くと、

「まあ恥ずかしいぐらいに真面目だからなマロウニは、僕はリデリオよろしく」

「アポロニアです。助けてくれてありがとう」

そう言うとリデリオは頭を下げ、

「オーガだと思って一方的に攻撃したのはこちらだから、元気になって助かるよ」

私は手を伸ばすと嬉しそうにリデリオも握手をかえしてくれエルフの言葉を覚えるのに助けてくれた。



何でリデリオまでもあのヒューマンと仲良くしやがって、ヒューマンは口が上手いと聞いていたが全くその通りで気が抜けない、他の仲間がどうであろうと警戒して里の安全をおかさせない、

しかし翌日もグラスやホルスまでも話の輪の中に入りしゃべっている。

長老や長は注意しないのか実態を知らないのか物静かなエルフのはずがこの家だけ妙に明るく騒がしいのに何か手を打たなければと思った。


数日後、みんながそれぞれの用事でここは何時ものような静けさを取り戻しており安堵するが、しかし逆の世話は自分がしなければならず憂鬱な気持ちで食事の準備をして寝室に運んだ。

「ありがとうマロウニ」

食事を渡すとそう言われたが黙って少し離れた椅子に座る。

「私が入ってはいけないエルフの里に入った。だから排除するために君は警告して私が去らなかったので皆の安全を守るため攻撃したんだよね、ごめん」

頭を下げるヒューマンに怒りが込み上げてきて、

「確かにか入り込んできたの間お前だし守るためにと言うにはたしかだ、しかし言葉も通じないのもだが私達エルフは命を大切にする私達がお前の命を奪おうとしてしまった。これは許されることではないその罰で私は長から体が回復して問題なくなるまで世話をしろと言われている」

この怒りは彼ではなく子供っぽい私に向けてのものだと思い顔を少しだけ赤くなったのを自覚していると、

「それも聞いてる。起き上がれるまで回復したからもういいよ、ありがとうマロウニ」

あっさりと許してもらえて思わずあっけにとられたが、

「それは未だエルフでは回復してないんだよ、木々を移動して行けるぐらいにならないと」

そう言うと笑いながら、

「未だなのはわかったけど、自分はこの体格だから木々を移動したら枝がおれてしまうから一生無理かも」

そう言われて私も同意しながらつい、

「気のすむまでいれば良いだろ、帰るところもなさそうだしな」

そう言うと少しだけ考え、

「無いかも、ありがとう」

そう言うとご飯をおかわりしてしまった。



我が息子ながらようやくといったところだ、アポロニアと言うヒューマンも精霊曰く普段は居ない怒りと悲しみの妖精に影響を受けたらしく今は落ち着いている。感受性の高そうな彼にならそれをコントロールできると思うので息子に言って身に付けさせるように言おうと考える。

「よい風が吹いておる。今までにない事じゃな見守ろうぞ」

長老もそう言ってくれたので若いエルフとアポロニアの交流を積極的に見守ることにした。

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