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異世界パラレルnewライフ  作者: 胡桃のあ
第一章 アルカディア編
2/5

第一話 新しい世界

俺の人生は最悪だった。学校でも家でも孤独だった俺は毎日が辛かった。



学校に行けば先生から呼び出され、他の奴がした事を俺の所為せいにされる。



家に帰れば母さんの再婚相手から暴力を振るわれて、痣だらけだ。それを無視する母さんは俺が嫌いなのだろう。



生きてたって何も楽しい事なんかない。それならいっその事死んで楽になれば良い。そんな事を毎日考えていた。



* * * * *



「転校生を紹介する!」



高校2年に進級したばかりの頃、桜が満開のこの季節、俺のクラスに一人の転校生が入って来た。



茶髪でツインテールの髪は窓から入って来る風に揺られて靡なびいていた。クラスの全員がその子に釘付けだ。

俺もその一人で一目でその子に恋を抱いてしまっていた。



それからずっとその子一途で遠くから眺めてるだけで十分だったのに気付けばその子から話し掛けられていた。

嬉しい筈なのにその子と仲良くする事に対しての罪悪感しかなかった。



夏休みに入り、家に居たくない俺は釣りをしに海へ向かう途中の交差点で久し振りにあの子の姿を見掛けたのだが・・・・・・。



「嫌いよ。あんな男好きな訳ないでしょ」



あれは白崎さんとクラスの女子・・・・・・。



「東條くんで遊んでみただけよ」



その瞬間、俺は手に持ってる釣竿とクーラーボックスを地面に落とした。


他の奴等は俺の事をバカにするけど白崎さんだけは違うと錯覚していた。けど、結局は白崎さんも俺の事をバカにしてたって事か・・・・・・。



「情けねぇ・・・・・・」



本当に情けないと思った。白崎さんは夏休みに入る前、俺を元気付けてくれた友人だ。


学校でも家でも孤独だった俺には白崎さんしか頼る人が居なかったから。


信じてたんだけど、簡単に信じちゃう自分が本当情けなくて恥ずかしいよ。


俺は涙を堪え唯、只管ひたすら走った。



* * * * *



どのくらい気を失っていただろうか。半日?1ヶ月?視界が朦朧もうろうとする中見たことのない部屋で俺は眠っていた。

畳の部屋に金色に輝く提灯ちょうちん、それから黄金色の...豚!?



何で豚が黄金色をしてるんだよ!豚って普通ピンクとか肌色だよな!



あぁ、やっぱ此処は天国か。あの神様、死ねない代わりに新しい人生をあげるとか偉そうに言ってたけど本当は冗談だったんだろうよ。



あははと情けなく声に出すと俺はその豚の耳を抓つまんだのと同時に声にならない悲鳴をあげた。



「.....っ!!」


「ブゥー!」


「いってぇっ!!何すんだ、この豚足野郎!」



ガブっ。



「...っ!!お前...豚汁にして喰うぞ!」



あぁ、天国に着いたばかりでいきなり黄金色の豚から噛まれるしついてねぇ。しかも歯形付いたし。



「君、気が付いたのね。後、サンド噛んだら駄目でしょ?」


「(誰だ?あの女。サンド?)」


「えと、初めましてかな。私はユリナ、こっちは相棒のサンドよ」


「ブゥ・・・・・・」


「スライムを刈ってたら森で倒れてる貴方を見つけたの。私が魔法で運んだのよ?男の子を魔法で運ぶのは結構魔力使うから疲れちゃったけどね」



何を言ってるかさっぱり分からない。それに俺が森で倒れていただと?いくらなんでも冗談がキツすぎる。



てかこの子今、魔法とか言ってなかったか?魔法なんて夢みたいな話じゃないか。



本当に魔法とか存在するのか?



そんな事を考えながら水色ロングヘアの子を見つめてると何か察したのか俺の方に近付いて来た。



「君、お名前は?」


「東條・・・・・・陸人・・・・・・」


「東條陸人かぁ・・・・・・。ねぇ、東條陸人君。良かったら私達のパーティに入らない?」


「は?」



その子は優しく微笑みながら手を差し出して来た。


この優しさもいつかは俺を裏切るのかも知れない。だから女は嫌いだ。



「無理にとは言わないけど、君・・・・・・この世界の人じゃないでしょ」


「え・・・・・・っ!」


「たまに別の世界からこっちの世界にやって来る人が居るらしいんだけど、代償が必要らしいの。新しい人生を手に入れる代わりに一つだけ何かを失うって。もし君も別の世界からやって来たのなら何かを失ったんじゃないの?」



言われてみればそうかも。じゃあ、此処は天国じゃないって事だ。それはそれで安心したけど俺の代償は"死ねない人生"。なら、何をしても危険な目にあっても絶対に死ねないって事だろうか。



何か複雑な気分になるのは何故だろう。

だけど新しい人生か・・・・・・。



「入れてくれ・・・・・・」


「何か言った?」


「俺をあんたの・・・・・・ユリナのパーティに入れて欲しい!」



ここから俺の人生が新たにスタートした。どんな人生が待ってるかはまだ分からないが絶対にハッピーな人生を送ってやるんだ!



そう、自分の心に語った。

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