一女子目「朝から好かれすぎてツラい」
ずしりと重たい感触に、御影司はゆったり揺蕩っていた意識を浮かび上がらせた。
目を薄っすらと開けると、窓から差し込んできた光に思わず目を細める。
やがて明るさになれ色づいた視界に映ったのは、幼馴染で同級生の鈴本瑞奈の顔だった。まだ少女のあどけなさが残る顔に、肩辺りで揃えられた綺麗な茶色い髪がよく似合っている。
だが、眠気でぼんやりとしていた司の頭にふとした疑問が上る。なんで瑞奈は制服を着た彼女がここにいるのだろう。
「瑞奈、なんでお前は俺の顔覗き込んでるんだ?」
司の問に瑞奈は、はにかんだような笑顔を浮かべた。
「司が可愛らしい顔で寝てるのが悪いんだよ? だからしょうがなく、私が見つめてあげてたんじゃない」
「意味が分からない。とりあえず、起きるから俺の上から降りてくれ」
司の当たり前な主張に、瑞奈は微笑しながら首を振った。
「ええ~。やだよ。久しぶりに司と一緒に横になってるんだもの。……ね、もっと一緒に寝よ?」
「お、おい! ちょっと待てって」
司の反論虚しく、瑞奈はより身体をもたれさせ、彼の胸に顔をうずめてしまった。
「ああ~、司の匂いがする~。癒される~~。」
そんなことを言いながら、瑞奈は司の胸元で大きく息を吸い込んだ。
「お、おい、瑞奈。どけって! ……その当たってるし」
司の戸惑ったような声に瑞奈はニヤリと笑みを浮かべ、身体を起こした。
「もう、司ったら男の子なんだから……。ねえ、司にだったら~、見せても、いいよ?」
瑞奈は恥ずかしそうに眉根を寄せると、頬を若干赤らめながら、ブレザーの下に着ているシャツのボタンに手をかけた。
突然の瑞奈の行動に、司は頬を赤らめて硬直している。顔を背けようとしているが、その目は瑞奈の胸元に釘付けになっていた。
瑞奈はそんな司の様子を内心楽しみながら、胸元のボタンを一つ外した。
少し汗ばんだ白い肌が朝の陽光にキラリと光る。そして、瑞奈の豊満な胸の谷間が、シャツの合間から妖しく見え隠れした。
いよいよ、司の動揺が激しくなってきた。頬の赤みは顔全体に広がり、視線は揺れ口が半開きになる。
そんな司の様子に満足したのか、瑞奈は「はい、お終い!」と言いながら胸元のシャツを抑えてベッドから降りた。まるでイタズラがばれた子どものように無邪気そうな笑顔を浮かべている。
そして、まだ呆然とする司に振り返って頬を赤らめて言った。
「ほら、司。早くしないと遅刻するよ! ……リビングで待ってるから」
そう言い残すと、瑞奈は部屋のドアを開けて出ていった。
残された司は、朝の思いがけない出来事に、ただただ呆然とするしかなかった。
はい、突然始まりましたハーレムもの。
今後もドシドシ可愛く積極的な女の子たちが登場しますのでご期待ください。
はたして、主人公の心臓はもつのか。というか、むしろ爆発すればいいと思うのは私だけではないはず。
それでは、また次回お会いしましょう!