表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

異世界転生者は最強です

作者: るりやま

 何年前の事だろう……?

 …………あ、300年前位だっけか。いやぁ、歳をとるとそういう所がだんだん曖昧になってしょうがない。やっぱ歳はとりたく無いよね。

 まぁ、歳云々と言ったものの実際の外見年齢は全く変わらない訳なんだけども、そんな事は置いておこうと思う。


 じゃあ………。話をしよう、あれは今から300年ほど前のことだが……『俺』は死んだ。

 色々とすっ飛ばして説明すると、『双子の妹のクズ彼氏の侍らしている女どもによって妹が、線路上にある鉄橋から突き落とされる瞬間を目撃した。気付けば俺も妹を追って飛び降りていて、兄妹仲良く電車に轢かれた。俺が最後に見たのが妹を突き落とした女どもの嘲笑う表情だった………』……と、そういう訳なんだけど、いつの間にか俺ってば異世界に来てたんだよね。しかも、妹の姿で。

 電車に轢かれたと思ったら見知らぬ土地にただ一人……。しかも妹の姿になってるおまけ付き。当然の如く俺はパニックになってた。

 だけど、そんな最中に出会ったんだよ。これからの……いや、この世界に転生きてから最も信頼した相棒に……。


 当時のそいつは奴隷商をやってた。ただ、下っ端の下っ端で、個人営業なんかをしてる奴の下についていて顎で使われる様な生活をしていたんだよね。

 まぁ、パニックで頭の働いてなかった俺はまだ、誰とも解らない様なそいつに泣きついた…………らしい。

 当時の記憶もだいぶ薄れてきてるのだが、そんな事は関係なく覚えていないんだよな。

 気がつけば俺は宿のベットの上で、アイツは床に転がって寝ていた。

 まぁ、その後色々あって当時最大規模だった『奴隷商商会』に入る事になったんだ。


 昔のことはそろそろ良いだろう。まぁ、暫く後に俺は最強バケモノになった訳なんだが………その話は別にいいだろう。

 ただ、1つ言うとすれば……そのおかげで俺は寿命で死ぬことがなくなった。って事だけだ。


 で、俺は今や『奴隷商商会』の現会長をやっている訳だ。

 この世界には俺と同様に最強と呼ばれる奴等が俺含めて5人存在している。しかもその5人の内3人は組織の頂点に立ってるっていう具合に最強は社会的な立場も割と強かったりする訳だ。


 さて、此処で疑問に思った奴が居るんじゃないだろうか?

 さっきから俺は自分の事を最強だ最強だと言っている割に同じ様に最強と言われてる奴が居るじゃないか!……と。最強って言ってるのは、簡単に言えば比喩だ。正確には『魔王討伐可能クラス』別名『S級』これが俺が自信を最強と言う、訳である。

 S級は一定以上の強さを世界に知らしめた時、突然なるものだ。一定以上と言うのは少なくとも『単騎で一国を滅ぼすだけ』の実力である。だが、これはあくまで最低ラインなのだ。これが出来たらS級!という訳でもないのが恐ろしい所だ。

 ついでに、現S級の殺害が最も手っ取り早いS級のなり方だったりする。


 そんなS級だが、国から時々依頼が来る。内容は総じて『国家が対応出来ない』レベルの『魔物の群れ』が攻めてくるとか、『大型の魔物』が現れる等である。

 それらは総じて『災害級カラミティクラス』と呼ばれている。

 ちょくちょく来るその依頼を受けたり受けなかったりしながら、俺は今のんびりと暮らしている訳だ。


 さて、今俺はちょうどその災害級の現場に立っている訳だが……これは今、俺の実力み見せる良い機会だと思う。


 ……てな訳で、まぁ、俺の実力。しっかり見とけよ?




 ◇ ◆ ◇




 何も無い広野。そこに、一人の少女がポツンと立っていた。

 少女は広野の先、そこにある山を見ていた。いや、それは山ではない。山と見間違う程の大きさの魔物モンスター。名を『マウンテンゴーレム』それは既に人の手に終える様な物ではない。一歩踏み出せば、その衝撃は凄まじく小さな国程度ならそれだけで滅ぼせる程だ。

 そんな生ける『災害』とも呼べる魔物と対峙する少女。

 その少女は、笑っていた。

 少女の小さな手には身の丈に合わない大きな、死神を思わせる『大鎌』が握られていた。


 刹那、少女の姿が掻き消えた。忽然と、元からその場に居なかったのでは無いかと錯覚してしまう程に。

 だが、次の瞬間、更に驚くべき事が起こった。

 『災害』とさえ呼ばれる、『マウンテンゴーレム』の巨体が轟音をたてて崩れ落ちた。


 災害はほんの刹那の間にその命を散らしたのだ。





 そして、その倒れ伏したその巨体の上で、大鎌を手にした少女が笑っていたのを見たのは誰もいない。

誤字脱字のご指摘等よろしくおねがいします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ