甘い果実
なんか突発的に思いついた話なので意味が分からないかもしれませんが、暇な方などになんとなく読んで頂けたら嬉しいです。
色がない。
上べだけの世界。
薄っぺらな人間関係。
何もかもなくって消えちゃえば良いのに。
人に合わせて上べだけで笑ってるやつ。
死ねば良いのに。
人をちゃんと見てない大人、教師。
そいつらもみんなみんな消えちゃえ。
* * *
学校の殺風景な屋上から見える空を見つめて溜め息をつく。どんよりとした曇り空。いまにも雨が溢れて来そうなほど重いし暗い。
‥‥なんかあたしの今の気持ちに似てる気がする。
黒々と私の中で渦巻く汚いあたしの心に。
先週転校して来た私にはまだ友達がいない。それはあたしの性格も関係していて、一週間くらいたって私の性格を大分知ったクラスの奴らはもうあたしには近付かないし、あたしも近付かない。最初だけ好い人面していた奴も二日で根を上げた。ザマァミロ。
あたしになんか構うな。そう私は心の中で呟く。
教師は浮いたあたしをクラスに馴染ませようと馬鹿みたくあたしに構うし、親もしつこく学校のことを聞く。それもどうせ上べだけ。本当は世間の目を気にして、動物園の飼育員みたく私達の監視をして子供のご機嫌とりをしてるだけ。見てると本当、滑稽で仕方ない。本当無様。
私は小さく笑った。
本当世界って滑稽。とっても無様に見える。
どうせならこんな世界無くなってしまえ。
滑稽で醜いこんな無駄ばかりの世界、あるだけで無駄だ。
‥‥そうか。
私はひとり小さく呟く。
ならこんな世界に止まっているのも無駄じゃない?
‥‥だったら。
あたしは今心の中に浮かんだ甘い甘い、誘惑という、誰もが持っている果実に手を伸ばした。
安全のために屋上に設置されている古びて錆び付いた手摺に足をかけてゆっくりとまたぐ。
――もう少し。
もう少しで手が届く。
手摺の向こう側に立ったあたしは一度周りを見渡した。ひとつの思い出も執着もない街並。それを見てまた笑う。鳥の様に腕を広げてみる。
そして、
『‥‥バイバイ。』
甘ぁい甘い果実を私は掴みとった。