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天使、神様に嫌われた (2)

 ある日、こんな天使に呆れ果てて、神様はこの天使を天界から追放し、地獄同然のほの暗い絶望の世界へと叩き落とすことを決めました。その天使は、神様の美しく巨大な手で天空から堕とされ、唯一持っていた天使の象徴である白い翼をもがれました。


 その天使……いや、()天使は、天から堕とされたあと、翼をもがれた痛みに耐えながら周囲を見回しました。そこは、不治の病の如く青ざめた空と、牢獄の壁のように硬い大地の広がる、暗く、いかにも希望の光すら見出せそうにない場所でした。


美しい天界とは大違い。しかしどれだけ元天使がこの世界を嫌おうと、天界のある大空を求めようと、もう元天使の背中には翼はありません。自由に大空を飛ぶことも、この薄暗い世界から脱出することも叶わないのです。


 さらに、この元天使を嫌った神様は、元天使に過酷な試練を与え続けることを決めました。その試練というのはあまりにも様々です。


突然まったく別の世界に歩み出さなければならないという試練、大切なものを失うという試練、孤独、体を蝕む悪魔、自分の体に合わないことも嫌なことも全てしなければいけないという試練……


ただ生きるにはあまりにもつらすぎるであろう試練の数々に、天界を舞う心優しい天使たちはときどき同情の涙を流しました。


その涙は水の粒となって、元天使のいる場所へと降り注ぎました。元天使はその同情の涙を嫌って、やがて天使たちの涙を、洞窟の中に入ったり大きな葉をかぶったりして避けるようになりました。


 神様は、どんな試練も与えるだけ与え、助言も手助けもしようとはしませんでした。それだけこの元天使が憎かったのです。


 この元天使は今でも、暗く険しい世界で意味のない試練を受け続けています。

 神様がその元天使に付けた名は「人間」。この世で最も醜く、恥ずかしい名前です。

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