天使、神様に嫌われた (1)
あるところに1人のおかしな天使がおりました。なにがどうおかしいのかというと、なにもかもです。その天使は何もかもがおかしくて、何もかもダメで、何もかも悪いところだらけの、どうしようもない存在でした。
具体的にどう「悪いところだらけ」なのか説明してみましょう。まず見た目です。他の天使たちは神様に似てとても美しい姿をしているというのに、この天使だけは目も当てられないくらい醜い姿をしていたのです。
神様とは似ても似つかない、輝きの失われた瞳。色も形も、毎日天を優雅に駆けまわる小鳥でさえ見た瞬間墜落してしまうような、恐ろしくひどい様でした。
しかしその天使のひどいところといったらそれだけではありません。性格だって容姿に負けず、悪いところだらけなのです。
まず、その天使には通常天使が持ち合わせているはずの「優しさ」というものを持っていません。生まれたときから持っていなかったし、それを手に入れる方法もチャンスもその天使にはなかったのです。
その天使の趣味といえば他人の悪いところを探すことと、人の噂話や悪口を言うことでした。
通常の天使は人の悪口など言ってしまったそばから気分が悪くなって吐きだしてしまいそうになるというのに、その天使にとって人の悪口を言うことは、もはや生きがいと言っても良いくらいの、最高の楽しみとなっていました。
それにその天使は他人のことというのを滅多に考えません。自分がこの世の誰より一番大事で、他人の痛みや苦しみなどその天使にとっては痒みでさえないのです。
むしろ他人の苦しみというのはその天使にとって最高のごちそう。三度の飯よりも、5つの宝石よりも、何よりもその天使が夢中になれるのが「他人の不幸」という甘い菓子でした。
おまけにその天使は非常に不真面目でした。他の天使たちが頑張ってお仕事をしている中、その天使だけはいつも遊んでいます。
他にも、周りの天使たちに迷惑ばかりかけていること、誰かを傷つけることが大好きなところ、そのくせ臆病で周囲の顔ばかりうかがって、常に良い人ぶっているところ……この天使の悪いところをあげるとなるときりがありません。




