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Opening †Death and Scythe†
サブタイトル中の“Scythe”は、“草刈用の長柄の大鎌”って意味なんですけど、都合上“草刈用の”は無視してください。
時刻は夜12時。
高層ビルの屋上で、ビルの端に座っている一人の少女がいた。
年齢は10歳位。
黒い布を、右肩に引っ掛けてワンピース位の長さの所で無造作に切り取った様な服に、先の方が広がった長いアームウォーマーをしている。
足には何も履いていなかった。
胸あたりまでの長い髪を少し高い位置でツインテールにしていて、右眼は髪で隠れていた。
髪の隙間から少し覗いた左耳からは、チェーンピアスが垂れていた。
風貌が変わっていることは、一目見てわかる。
そして
少女は自分の背よりも遥かに長い“鎌”を持っていた。
その少女が他の人間と何よりも違っていたのは、
少女が“死神”だということ。
少女は口を開いた。
「聞こえる。
あの街から。」
“鎌”は答えた。
「じゃあ、今度はそこに行こうか。」
少女は小さく頷いた。