差別
掲載日:2026/09/18
次回から新作は『オチがある短い話』の中に投稿いたします。連載作品の分類ですが、短いオチのある話を投稿するつもりですので、よろしくお願いいたします。
「同じ土俵に立つ事はありえないね」
牛丼は高飛車に言った。
「その通りですわ」豚丼が鼻息荒く言う。
「でも、ご飯の上に乗っているのは同じだから差別しないで欲しいです」
卵かけご飯は懇願した。
「じゃあ、どうして欲しいのさ」
「丼の付いた名前になりたいです。なまたまご丼と呼んでもらいたいのです」
「まぁ、なんて図々しい。調理しなくても簡単にできるから、そんな名前になったんでしょう」
「ではイクラは何故イクラ丼なのです? イクラかけご飯とは言いません」
「理由なんて分からないわよ。イクラは高いからじゃないの」
「ひどい、ひどいわ。差別です」卵かけご飯は叫んだ。
「だいたい差別なんて、どこにでもあるものでしょ。私達にだってあるわ」豚丼は急に悲しげに言った。
牛丼も頷いて言う。
「そうなのだ。牛丼、豚丼、イクラ丼、みんな普通の名前だ。それなのに……どうしてアイツだけが特別な名前なんだ。これもきっと差別だ」
牛丼はくやしそうに、にらみつけた。
その視線の先には
ドヤ顔の鉄火丼がいた。




