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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
九章 過去の記憶編
80/90

過去の記憶 part1

 フィルア家を出発し早三時間。俺たちは魔王が死んだ場所だとされる、西の国の北へ来ていた。


 「本当に何もないんですね。ここ」

 「そりゃあ数十年前まで魔王の拠点だったんだからな。さすがに、こんなところに家を建てようなんて誰も思わないだろ・・」


 目の前に広がる景色は瓦礫の山。ガラスの破片や、レンガなど色々なものが散らばっている。噂だと魔王城が半壊した状態で放置されていると聞いていたが半壊どころではなかった。全壊している。

 (そう言えば二十年くらい前に西の国で大規模な地震があったんだっけ・・)

 きっと地震によって全て壊れてしまったのだろう。んーでも全壊してあるならしてあるで、張り紙とか欲しかったな・・間違って迷い込んできた人が怪我をしたらどうするんだ・・

 危ない破片ぐらいは片付けておいてやるかと思ったとき、ティルディーが何かを探していることに気が付いた。そう言えばここに着いてから一言も言葉を発してない気がする。

 

 「ティルディー?何を探しているんだ?」

 「魔王の・・持ち物というか装飾品を探しているの・・・その破片でもいいんだけど・・」


 魔王の装飾品?武器とか防具類か?大体の物は冒険者ギルドが回収しているだろうが、破片ぐらいなら多分ある。でもなんでそんなものを探しているんだ?

 まぁティルディーが探しているんなら仲間として俺も探すが・・


 「ティルディー様!話は聞いてました私も探しますよ」

 「僕も探します!・・あ、でも魔王の装飾品ってどうやって探せば・・?」


 いつから聞いていたんだ・・って・・ん。待て

 言われてみれば俺たちはどうやって魔王の装飾品を探せばいいのだろうか。ティルディーは魔力探知が使えるだろうが、それは高難易度の技術だ。俺達にはできない。

 「そうだね・・禍々しい気配を探せばいいと思う。魔物を探すみたいに気配で・・」

 

 気配か。それなら俺達でも探すことができそうだ。

 

 ーーというわけで俺たちは魔王の装飾品を探すこととなった。


 ーーーーーーーーー


 (探すのを手伝うとは言ったが・・本当にあるのだろうか魔王の装飾品とやらは・・)

 瓦礫の周りを四人で手分けして探しているがそれらしきものは見つからない。あったとしてもこの瓦礫の山に埋もれているような気がする。


 「あ!」


 そんなことを思っていると、スフィーニアの声が聞こえた。何かを見つけたのだろうか。

 確かスフィーニアは西側を探していたはずだ。北側で探している俺とは距離が近い。少し様子を見てくるかと思いスフィーニアのいる方向へ俺は向かった。


 


 少し歩くと、見覚えのある後姿が見えた。地面に座り込み何かを凝視している。


 「おーい、スフィーニア。何かあった・・って」

 「ソアンさん。これ見てくださいよ・・」

 「うわっ引っ張るなって見るから見るから」


 と言っても見ていたくはない。だがここは見るしかないよなと思い片目を開け、それを見た。・・目の前にあるのは黒い木の棒状の何かである。付け加えると禍々しい気配を漂わせた何か。

 

 「これ・・魔王の装飾品ですかね?」

 「そりゃそうだろ・・どう見たって禍々しさがすごい」


 一目見れば魔王が持っていたと分かるような物だ。でもこの棒あれと似ている。・・そう杖。ティルディーが持っている木の杖とそっくりだ。

 ティルディーが持っているのは白く塗られた木の杖だが、形がそっくりだ。ティルディーの杖はくねくねと曲がっていて特徴的だから間違いないと思う。

 でも仮にこれが杖だとしてなんで魔王が杖?今まであって来た魔人や魔物は杖なんて使っていなかった。まぁたまたまか。


 「・・これティルディー様に見せます?」

 「そうだな。探していたものかもしれないし・・んじゃ行こうぜ」


 俺はティルディーがいるはずの東を目指し歩くことにした。


 「?どうしたんだスフィーニア」


 俺は後をついてこないスフィーニアを不思議に思い声をかけた。地面を見つめているので何かと思えば、先程の禍々しい何かを見ている。


 「・・・あの・・これ触って害ないですよね?」

  

 あぁそういう。言われてみれば禍々しい何かを触りたくはないよな。俺だって触りたくない。でも年下に押し付けるのもな・・


 「・・・」


 禍々しい何かとにらめっこした末、俺が持つことにした。嫌だったけどさすがにスフィーニアに持たせるのは気が引けた。

 目線を前にすると禍々しいオーラが見えるので、俺はそっと視線を逸らした。


 ーーーーーーーー


 (ここは特に気配なし)

 僕はまた数メートル進んだ先で魔力探知を発動させた。だがまたもや怪しい気配はない。

 (魔王の装飾品があれば夢の内容が完全に分かるのに・・)

 僕はため息をついた。僕が魔王の装飾品を探している理由は夢で見た記憶の中の『影』と魔王が同一人物なのかを知るため。

 あの声と夢を見なくなったということは僕が思い出せる記憶の限界が来たということだ。あとは『影』の記憶さえあれば、難易度は高いが、装飾品から持ち主の記憶を全て見ることができる魔術を使うことができる。それを使って僕は『影』の記憶が見たい。

 独りぼっちにしてしまった君の心を僕は知りたい。

 なんで魔王になったのか、世界を支配したかったのか・・僕にはわからない。だけど・・それを僕は知らないのままにしたくない。

 君を知りたいんだ。

 

 ーーそれにそれを知れればリボン様が僕を狙う理由が分かるかもしれない。

 力を手に入れるために僕を襲ったわけじゃないとしたら狙いは僕の魂かもしれない。魔王とリボン様の繋がりさえわかれば・・きっと分かるはず。



この作品は11章で完結予定です。

おそらく10月中には完結すると思います。


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