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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
七章 白薔薇の祭り編
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白薔薇の祭り part4

 「さあさあお二人さん着替え終わりましたか?」

 「あ、はい!」

 「終わりました!」


 僕達は着ていた服をたたみ隅に置いた。僕は赤色のドレス。スフィーニアは紫色のドレスだ。この前トバッシュ家で着たドレスと同じくらい高そうなドレス・・これでパン何個買えるのだろうか・・。

 なんてことを考えているとドレスを用意してくれたおばさんに声をかけられた。


 「ねぇお嬢さん方、ちょいとここの椅子に座ってくれないかい?髪型をドレスに合うようにしたいんけ」

 「えぇ!?ドレスだけでも嬉しいのに髪型まで・・ありがとうございます!」


 スフィーニアはウキウキの表情で椅子に座った。・・なんだかスフィーニアが嬉しそうで僕も嬉しい。僕もお言葉に甘えてやってもらおうと思って椅子に座った。


 「「「・・・・」」」


 おばさんは黙々と髪型をやってくれているので会話はない。このまま髪型が完成するのを待っていてもいいけどどうせならこの村・・ソアンの出身地のこと知りたいなと思っておばさんに声をかけた。


 「あの・・このお祭りってどういうもなんですか?」

 「んーこの祭りかい?・・確か村長さんが突然やろうと言い出したんだ。これをやることで魔物が寄ってこなくなるからって・・。うちらはこんな金がかかるならやらなくていいっていったんだけどね・・金は大丈夫だって村長さんが言うから・・。まぁ魔物が寄り付かなくなるのはいいことだしね。もうソアン君の父親はいないし・・」


 おばさんは僕の髪をとかしていた手を止めどこか悲しそうに窓の外を見ていた。


 「ソアンさんのお父さんと魔物に何の関係が・・?」

 「あぁ・・いや。ソアン君の父親はソアン君みたく戦士でね。よくここ近辺の魔物をこっそり狩ってくれていたんだよ。この村ではのけ者にされていたけど何も文句も言わず・・いい人だったよ・・。少しでも村の一員として認められるようにって夜遅くまで村の周りを警備して・・。なのにあんな・・・。ごめんね祭り前なのにこんな話。さ、髪は綺麗になったよ。あの男たちに見せてやんな!」

 「あ、はい・・お話ありがとうございました・・」

 「ありがとうございました・・!」


 僕達はお礼を言って部屋を出た。・・暗い顔してちゃダメ!せっかくお祭りなんだ!楽しそうな顔しなきゃ!楽しそうな顔を・・


ーーーーーーーーーーーー


 さてはて‥着替え終えた男子二人ですが・・。


 「遅いな・・」

 「遅いですね・・」


 じっと扉の前で待機していた。かれこれ二十分待っている。俺たちはすぐに着替え終わったがなかなかティルディーとスフィーニアは出てこない。

 まぁすぐに祭りが始まる!というわけではないから問題ないんだろうけど。あと何分待てば出てくるんだろう・・と考えた時、目の前の扉が開いた。

 そこにいたのは赤いドレスを着たティルディーと紫色のドレスを着たスフィーニアだった。


 「お待たせー!」

 「・・・・」


 ティルディーは元気よく右手を上げて登場したがスフィーニアはティルディーの後ろに隠れてもじもじとしている。


 「綺麗ですね、二人とも!とってもお似合いです!ね、ソアンさん!」

 「うっ・・!?えっと・・あぁ・・」


 ・・・綺麗だし、可愛いんだけど・・可愛いんだけれども!!可愛すぎて直視できない。・・顔が真っ赤になっているのは自覚している・・うぅ・・・恥ずかしい。


 「もう、しゃんとしなさいよ!しゃんと!ほら・・行くよ!」

 「え・・・うわっ!」


 俺はティルディーに腕を引っ張られ思わずこけそうになった。・・急に引っ張るなと思ったけどなんか緊張が解けた。今はしっかりティルディーの顔が見れる。なんだかんだ感謝しつつ俺は体勢を整え、外に出た。外に出ると焚火の周りに人が集まっている。そして集まっている人たちの手には白薔薇が握られていた。

 そういえば祭りには白薔薇が持参と書いてあった・・確かキラの鞄に四人分入っていたはずだ。とりに行かなきゃ・・と思ったとき目の前に白薔薇が現れた。


 「白薔薇!四人分です。はいこれ、ソアンさんの分」

 「ありがとう」


 白薔薇・・あまり花屋でも見ないから売っていないと思ったけど今がちょうど旬だったらしく多くの白薔薇が売っていた。


 「綺麗ですね・・白薔薇。私初めて見ました!」


 そう嬉しそうに言いながらスフィーニアは白薔薇を眺めていた。・・確かに俺も白薔薇は初めて見た。赤い薔薇とかはよく見るが白薔薇はあまり見ない。

 意外とレアなのか?と思い俺もじっくりと白薔薇を見る。


 「・・・」


 うん。別に白色ってだけで普通の薔薇だな。なんか体に良い作用でもあればいいのに・・なんて考えたがまぁ花に詳しくない俺ではあっても分からないだろう。

 もうさっさと祭りを進めてもらおうと思ったとき声をかけられた。


 「ソアン様・・それとお仲間の方々・・。白薔薇の祭りの参加・・感謝いたします。ではさっそく祭りを進めさせていただきます。皆さまどうぞこちらへ・・」

 「あ、はい」


 白髪で長い髭が目立つおじいさん・・村長さんがそう言い焚火へ近づくよう言われた。俺たちは言われたまま焚火の前へ行った。

 その次はどうすればいいのか分からないので「次はどうすれば・・?」と聞くと次は薔薇の棘で指先を刺し、指先の血で白薔薇を少し赤く染める。その後白薔薇を焚火の中に入れれば儀式は終了らしい。

 何の儀式か分からずなぜ儀式をやるのかを聞いたが、どうやら”魔物が近寄らなくなる”儀式”らしい。まぁ最近は星を多く食べた魔物なども多くなっているからこういう儀式をやってでも魔物を村に近寄らせたくないのだろう。

 俺は儀式関係に詳しくないからこういうので魔物が近寄らなくなるのかは分からない。どちらかというとキラとかティルディーの方が詳しい気がする。


 「あの・・・」

 「あ、すみません!」


 考え事をしていたせいで儀式が止まっていた。すみません・・と謝り俺は白薔薇の棘で自分の指を刺した。ジワリと指先から血が出てくる。

 腕を切られたり、足を切られるのと違って小さな痛みだがなんというか地味に痛い。足の小指をタンスの角にぶつけたような感じだ。

 小さな痛さを我慢して白薔薇に血を垂らした。白い部分に赤い血が広がっていく。三人の様子はどうなんだろうと思い横を見ると三人とも真剣な表情で白薔薇に血を垂らしている。

 ・・そしてある程度白薔薇に赤い血が染まった頃俺たちは一斉に焚火に向かって白薔薇を投げた。白薔薇は火の中へと消えやがて塵となった・・。まぁ塵になったのは見えなかったので勝手な憶測だが。

 これで儀式は終了でいいんだろうかと思い村長を見る。だが視線を向けた先には村長はいなかった。どこに行ったんだ?と思い辺りを見回していると足の力が抜けた。


 「・・・・?」


 意識ははっきりしているのに力が抜けていく・・。なんでだ?この前と違って毒を飲んだわけでもないし白薔薇は持参したものだ。

 原因を知るべくティルディー達の方を見たがみんな同じ状態だ。何が起こっているか分からない状況だ。


 「・・・村長・・何をした・・?」


 俺はギロリと村長を睨むが村長は涼し気な笑みを浮かべるだけだ。内心舌打ちするがこの状況をどうにかできるわけもない。


 「・・・ソアン・・お前も家族のように逝けるよ。良かったな。そしてティルディー嬢・・。お前はリボン様がご所望だ・・大人しくそのまま・・・」

 「・・・・・・・その手をどけなさい」

 「!?」


 透き通るような声が聞こえた。どこから・・?と思ったが思いの外すぐ見つかった。とある一軒家の屋根の上に立っていた。緑色のドレスを着て立っている。・・どこかの不良令嬢だろうか・・?

 なんて思った瞬間俺たちの顔の近くにビー玉のようなものが転がり煙を出した。


 「ー!?ゲホッツゲホッ・・・・」


 煙のせいでむせた。・・周りが見えない・・敵?と思ったが気づいたら俺達四人と謎の女性はどこかの茂みにいた。


 ーーーーどうやら助かったらしい。力は抜けたままだが・・。



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