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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
七章 白薔薇の祭り編
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白薔薇の祭り part2

 「えぇ!?ソアンさんの故郷って南の国だったんですか・・」


 キラが右手に持っていたパンを落とした。・・そんなに驚くことか?


 「あぁ。俺の故郷の村は南の国の首都から少し南に行ったところにある。・・言ってなかったか?」

 「初耳ですよ・・教えてくれてもよかったのに・・ 」


 半目でキラが俺を見てきたが無視無視。せっかくの朝食がまずくなる。・・・でもそうか。言われてみればキラには話していなかったかもしれない。


 「でも南っていいところですよね。私たちもトバッシュ家の当主様に拾われるまでは南の国の孤児院で暮らしていたんです。あ、生まれは違うんですけどね」


 おぉ!まさか育ちが同じ人が二人もいるとはなんだか嬉しい。南は田舎っぽいという謎イメージのせいで貶されがちなので「いいところ」と言ってくれるだけでも嬉しい。

 農業大国というだけで別に南の国自体は田舎ではないのに・・どちらかと言えば西の国の方が何もない田舎である。あの国は武闘大国だしな。


 「でも・・南の国の首都付近まで行くんだよね?日程とか大丈夫?頑張っても五日ぐらいはかかるよ?」


 今まで静かにパンと目玉焼きを食べていたティルディーがそう言った。・・確かに東の国から南の国までは距離がある。それにここ東の国の首都から少し離れているし。


 「・・・でも日程って書いてなかったんだよな・・。だからあんまり日程は気にしない祭りだと思ってたんだけど」


 これで実は明日開催とかだったらどうしよう・・お前のせいで祭りができなかったとか言われたら嫌すぎる。


 「まぁ書かれていなかったらいいんじゃないですか?別にやっていなくてもソアンさんの故郷は見れますし」


 大雑把だなと内心思ったがまぁやってなかったらやってなかっただ。


 「そうだね!うわぁ楽しみ!どういうルートで行こうか・・」


 「うーん」とティルディーが朝食とにらめっこしながら悩んでいる。確かに移動手段は悩むところだ。トバッシュ領からだとこのまま東と南の関所へ馬車で行って、またそこから南の国の首都まで馬車で行くのが一番効率がいい気がする。

 俺も悩み始めると横から「あっ」という声が聞こえた。何だ?と思い横を見ると「いい情報があります!」と何やら嬉しそうなキラの笑顔があった。


 「秘密裏に東の首都から南の首都までつながっている機関車があるんです。これルビアに言ったら乗せてもらえると思うんですよ!」

 「本当か!?その機関車があるのは」


 俺も知らない。秘密裏にというほどだから王族とか貴族とかしか使えないとかいうやつだろう。それか貿易のためか・・。


 「じゃあさっそく行ってみよー!」

 「え、えぇ?」


 ティルディーの元気な声とは裏腹に状況を飲み込めてないスフィーニアが困惑の声を上げていた。


 ※朝食後ちゃんとソアンとティルディー、キラの三人で東の王族の間に会った事件そこでルビアと出会ったとなどなど詳しく説明して何も知らなかったスフィーニアがめっちゃくちゃ事件のことに詳しくなったのはまた別の話・・。


ーーーーーーーーーーーーーーー


 ーーーというわけでフレア城下町へ行き、ルビアこと第二王子に会いに行った。


 もう関わり合いもないし簡単に会えるのか?と思ったが東の王家の恩人ということもありすんなりと会わせてもらえた。


 「ーーーで?機関車に乗せてほしいと?」

 「そ、そうなんです・・・南の国に用事があり・・なるべく早くいくためには機関車を使った方が・・・」


 手をもじもじとさせながらティルディーが言った。気を悪くさせたか・・?と思ったけど思いのほかルビアは怒っているような顔はしていない。・・隠しているだけかもしれないが・・。


 「・・・いいけど条件がある・・」

 「え!?いいのか!?」

 「敬語・・まぁいいや。私の婚約者が南の都にいるんだ。ルルア・アレディー嬢と言うんだが南の国に行ってくると言ったのが一か月前でな・・・。そろそろ顔を合わせたいんだが手紙を出しても帰ってこない。見つけたら連れて帰ってきてほしい。命があればいい」


 命があればいいだなんて物騒だな・・と思ったけど後が面倒なので黙っておく。


 ・・あ。今思い出したけどアレディーって「謎の症状」があった街の名前だ。街の名前と同じ苗字だしそこのご令嬢なんだろうか。まぁ会ってないからわかんないけど。


 ・・だけどこれで機関車へ乗る手立てができた。


 「分かった。必ずルビアの婚約者を連れて帰る」

 「頼む!これはアレディー嬢の似顔絵だ」


 そう言われてルビアから受け取った紙には美人・・というより可愛らしい令嬢が描かれていた。紫の髪に金色の目。髪の長さは胸くらいまである。


 「・・そういえば婚約者さんどこにいるかだいたいの場所分からないんですか?」

 「分からない。そもそも一か月前も「家出したくなった!」とか言って急に南の国へ行ったのだ。だから南の国のどこにいるかは分からない。・・・でも畑とか村とかが好きだから都会を調べるより村などを調べた方が見つかるかもしれない・・」


 難しい顔をしながらルビアが教えてくれた。・・婚約者との仲悪いのか?


 「あの・・・・婚約者様と仲悪いんですか?」


 あ・・それ言わないほうが・・と思ったが言ってしまったものはしょうがない。発言者のスフィーニアはまだよくわかってないようだ。


 「・・・仲が悪いわけではない・・ただあいつがいつも好き勝手他国へ行くから少し愚痴りたいだけで。そもそも私の婚約者なのに色々な所に行くのも問題だしそれをアレディー公爵に無断で行くのが一番の問題で・・帰りにお土産を持ってきてくれるのは嬉しいがなぜかいつも傷だらけだし・・剣とか馬が好きなのは別に文句は言わないが盗賊とかに向かって戦うのはちょっと危険というか・・あいつはそんなことわかってないしいつもやめろって言ってるのに・・ぶつぶつぶつ・・」

 「「「「・・・」」」」


 ・・・と数十分の婚約者トークを聞かされたのち機関車へ乗せてくれた。


 四人の中でルビアに婚約者の話を振るのはやめようと思った瞬間だった。


 

 

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