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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
六章 星の花嫁編
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星の花嫁 part8 【ティルディー&キラvS大蛇】

 【キラ&ティルディーVS大蛇】


 ・・ソアンがフリッド様を連れて行ってくれたおかげで、こっちに集中できる。私は花弁を大蛇に向かって投げ時間差で爆発させた。だけど、それより前に水の結界を張られた。

 敵の魔力はかなり多いから結界なんて張られると私の攻撃なんて一切入らない。キラが攻撃してくれている間なら僕の攻撃も少しは入ると思うんだけど・・。僕は杖を握りしめ大蛇を見る。

 ・・結界の弱点としては継続時間が少ないこと。僕も結界を作ったとしても十秒程度しか保てない。魔力が多くても二十秒が限界なはず。だから攻撃を打ち続ければいいだけなのだが、そこまで魔法を連発していたら私の魔力が無くなる。魔力切れを起こしたらかなりまずい。

 ただでさえ強い敵を前にぶっ倒れたら僕は確実に死ぬ。ここは相手の魔力切れを待った方が・・?・・おっと、そうこうしているうちに攻撃が来る。


 「ティルディー様!!下!!足元!」

 「え・・・?」


 キラにそう言われるまま足元を見ると植物のつるが巻き付いている。よく分からないが早く脱出しなければと思った瞬間・・。


 グサッ・・・。


 「ーーーっぐ!」


 何もなかったつるから棘が飛び出して僕の足を突き刺した。抜くと出血がより多くなるが敵の攻撃を放っておくと、後から何の攻撃が来るか分からないので炎の魔法でつるを焼いた。つるはすぐに焼けたが、思いの外出血が酷かった。次の攻撃が来る前に僕はスカートの布を破り、足に強く巻き付ける。

 回復魔法を使いたいところだが、回復魔法は魔力消費がかなり激しい。なるべくなら回復魔法は使いたくない。これからもっと怪我をするかもしれないし。

 僕は応急処置をした後、大蛇と戦ってくれているキラを見る。キラは短剣を大蛇の尻尾に釘付け動きを固定した後、真正面から短剣で切ろうとしたみたいだが、その前に大蛇の魔法攻撃が来て跳ね返されていた。


 ・・あの大蛇の厄介な攻撃は強風だ。殺傷能力が無いように見えるがあの風には刃が組み込まれている。自分の服を見ると所々服が破けている。壁ごと飛ばされたせいもあるだろうけど、この切られ方は刃だ。

 強風の攻撃が強くなると、致命傷を負ってきっと僕は動けなくなってしまう。キラになんか案があればいいけど・・・。僕はそう思って雷の魔法と霧の魔法を大蛇に向かって繰り出した後キラに近づいた。雷の攻撃は結界によっては弾かれてしまうだろうが、霧の魔法は長くは持たないが一分程度なら持つと思う。


 「キラ!・・・何か弱点とか見つけた?このまま持久戦に持ち込んでもこっちがやられる・・」

 「そうですね・・・そもそも蛇の弱点のはずの大きな音とかが弱点としていないので普通の蛇とは違うんですよね・・。でも視力が弱いというのは同じな気がします。僕と目線があまり合わないんですよあの大蛇。だからそれを上手く活用できればいいんですが・・・。」


 ・・・そうなんだ・・目・・。でも、これと言った弱点が効かないのが厄介だな・・。僕はどうしようかと頭を悩ませていたら霧が一気に晴れた。どうやら時間切れらしい。敵の強風の隠れ脅威と違って僕の霧の魔法はただ霧を生み出すだけだ。殺傷能力なんてない。きっと敵にとって休憩時間になってしまっただけだ。


 「ティルディー様!光る魔法を大蛇にかけてはくれませんか!それと霧の魔法をもう一度お願いします!」

 「分かった!キラ!気を付けてね!」


 僕は正反対に走っていったキラにそう叫んだあと光の粒を魔法で出現させ大蛇に向けてはなった。お、ちょうど背中のど真ん中に付いた。後は霧の魔法。さっきより濃い霧を作って周りが見えないようにする。もう数メートル先は見えない。・・が光のおかげで大蛇の位置が分かった。


 僕は石の粒、数百個を大蛇目掛けて打った。が、大蛇が水の玉を魔法で作り出し、数百個の石を包み込んでしまった。僕は遠隔で威力を強めるがあまり効果はなかったようだ。遠隔の魔法は暗殺度に便利な魔法だが魔法を発生させる距離が遠くなるため、威力は下がる。僕が威力を強めても普通の威力と変わらなかったのかもしれない。

 

 僕は内心舌打ちしつつ大蛇に近づくキラを見る。キラは大蛇の背後へ近づき毒付きの短剣を投げた。その後、短剣で大蛇を突き刺そうとしていたが大蛇が魔法で大きな木を出現させ、木はキラの背中辺りに当たりキラを突き飛ばした。


 「ーー!うわっ!!」

 「キラ!!??」


 木に当たったせいかキラは血を吐いた。その追い打ちと言わんばかりに大蛇はキラを口に咥えた後キラを体に巻き付け握りつぶそうとしていた。


 「ーーーっぐ・・」


 ・・・早く治療をしなければ・・どんなに視力が弱くても感覚が鋭すぎるせいで近づいたらこうだ。僕は氷で槍を作り大蛇に向かって勢いよく刺した。何本かは大蛇が火の魔法で溶かしていたが、それを通りぬけた数本は大蛇に突き刺さった。突き刺さった瞬間一瞬だけキラを巻き付けていた力が緩み、その間にキラを僕の方へ魔法で移動させ。回復魔法をかけた。


 「・・・・すみません・・・ありがとうございました」

 「ううん・・でも少し動き鈍くなった?」


 ・・何んとなくだけど動きが遅くなった気がした。気のせいだろうか。ーー実を言うと僕も視力はあまりよくない。星だったときは良かったんだけど、この体ティルディーのだからな。仕方ないかと心の中で苦笑いしていると、攻撃が来た。僕は横に避けたが、自分のいた場所を見ると、地面が真っ二つに割れていた。・・・地面を魔法で裂くとか規格外すぎません・・?


 若干引きつつも、ゆっくりしている時間は無いので魔法を繰り出そうとした。だが、それよりも前にキラが大蛇の元へ走っていった。今度は短剣を大蛇の目に向かって投げた後、くるりと回って大蛇の頭の上へ着地し大蛇の頭を短剣で突き刺した。


 「ーーーーグーーグアァァッ」


 このまま倒せるかもと思い、僕は炎の玉を大蛇の尻尾付近目掛けて投げた後、連続で土の壁を作り上げ大蛇を囲う。キラは追いで短剣を何本か刺した後、土の壁を乗り越え外側へ逃げてきた。・・器用やな。

 そして魔法で大きな炎の華を作り出し土の壁の囲みの中にいる大蛇に向かって突き落とす。


 『火炎華!』


 この炎の華の温度は普通の魔法で作り出す炎よりも高温だ。一瞬で鉄が溶けるぐらい・・約千五百度くらいかな。

 これで倒せれば一番いいんだけど・・


 バンッ・・・!!!


 (やっぱ無理か・・・)


 大蛇は水の結界を作り出して抜け出してきた。水が渦巻いている・・あの炎をかき消すんだからあの結界の水はかなり冷たい・・なにか混ぜているのだろうか?

 ・・それよりも。だ。少しだけ大蛇の背中は少し焦げている。・・攻撃は少し通っていたようだ。でもこの攻撃は魔力の消費が激しい。もう一発いければ倒せる気もするんだけど・・。


 「ティルディー様!大蛇動きが確実に遅くなっています!これなら強力な毒が通るかもしれません!少し足止めをお願いします!」

 「分かった!ーーっ」


 キラの指示通り大蛇の足止めに専念することにする。・・体力無さ過ぎて息切れがすごい・・。でもここで足を止めるわけにはいかない・・。よし・・ここは。


 僕は作り出した鋭い岩を大蛇全体に刺す。けど今回は一本も刺さらず氷の結界を張られた。そして僕の足元を氷で固定されてしまった。ーーキラから足止めを任されてるんだ。僕が足止めに失敗したらキラが毒を打ち込めない。僕は焦って足を氷から抜こうとするが・・


 「ーーーとれない!」


 引っ張ってもびくともしない。段々と下半身を氷が覆っていく。・・このままだと氷漬けにされる。僕はそれより前に火炎華より温度が低い火炎華を作り、氷を溶かす。火炎華より温度は低いが十分高い・・だから溶けるはず・・・。(魔力消費が少し激しいけどこのまま氷漬けにされて行動不能になる方がまずい。)


 その数秒後。少しずつだが氷が溶けていく。けど氷を溶かすのに夢中で大蛇の攻撃が来ていたことに気が付かなかった。気づいた頃には氷の粒は目の前まで近づいてきていた。僕は急いで土の壁を作る。火で相殺した方が良かったが、さっき炎の魔法を何回か使ったせいでもう大きい魔法が作れない。僕の得意な魔法は炎じゃないらそこまで使える魔力は無い・・。


 土の壁は氷の粒から守ってくれたがヒビが入り始めている。・・早く次の魔法をと思ったがそれより前にキラの攻撃が入ったようだ。


【僕が土の壁を作った同時刻】


 キラは僕が大蛇と戦っているうちに、刃に強力な毒を塗っていた。そして塗り終えた後、大蛇に向かって数本の短剣を大蛇に向かって投げた。僕に攻撃が繰り出された時キラは大蛇の口に短剣と毒を放り込んだ。大蛇は口から攻撃するため口に何かを入れるのは容易なのだ。・・・通じるか通じないかは別として。


 そうして大蛇は短剣と毒を飲み込んだ後動きを止め、血を吐いた。


 「よしっ!」

 「やったぁ!あともう少し!」


 僕とキラは嬉しさのあまり歓喜の声をあげた。けどここで油断してはならない。大蛇は血を吐いた後、余計魔法の威力がヒートアップし魔法を打ち続けている。でも回復をしないということは、回復するほどの魔力が残っていないか、回復魔法系の星は食べていないのどちらかだろう。。・・でも好都合だ。


 「キラ!このまま攻めるよ!」


 僕はそう言った後、雷を落としたり。風で刃を大蛇に向かって打った。もう大蛇は結界を張る力もないのか雷の攻撃は通った。一方キラは投げる用ではない短剣で大蛇に向かって剣を振り下ろそうとしていた。一回目は大蛇の尻尾に妨げられていたけど二回目の斬撃は入って赤い血がぽたぽたと垂れているのが見て分かる。


 けど攻撃に専念しすぎると防御が薄くなるわけで・・。


 「ーー痛っ・・」


 大蛇が地面を裂いたせいでその割れ目に足が挟まりバランスを崩した。そして体勢を整える前に強風を吹かせられた。さっきより強度が上がっているせいで肌が切れた。

 キラも強風の攻撃を食らったせいで屋根まで吹き飛ばされていた。真下にいた僕の頭に血が垂れてきた。ーーこの攻撃でキラが怪我をしている・・。もう少し待てば魔力が回復して回復魔法をかけてあげられるけど、大蛇が弱っている今しか倒せるチャンスはない・・。


 僕は怪我も気にせず大きな岩を作り大蛇の頭上へと落とす。キラも上から爆竹のようなものを落とし大蛇の近くで爆破した。僕も巻き込まれそうだったので少し後ろへ下がる。下がったついでにもう一度『火炎華』を繰り出す。もうこれ以上魔法を出せるかは分からない・・もう少し・・・温度を上げて!!


 『火炎華!!!』


 「グアアアァァ」


 魔法は見事クリティカルヒットし、キラが止めを刺すように大蛇の中心を突き刺した。僕は息を切らし大蛇の状態を確認する。


 「・・・・・・終わった・・・・?」


 僕は息を切らして大蛇に近づいた。けどキラが目を見開いて僕に向かって叫んだ。


 「ティルディー様。こっちに来ないで!!まだ!」

 「・・・えっ!!?」


 僕は大急ぎで水の結界を張ってキラにも届くように展開した。大蛇は僕が結界を張った数秒後、さっきよりも比にならない強風を吹かせた。


 「・・ぐっ・・・・」


 僕は今の魔力を全て注ぐ勢いで結界の維持に専念する。結界を解くときっと致命傷だ。もう僕にも回治せないほどの致命傷を負う。・・死んでしまう。誰かが死ぬのは・・・見たくない!


 僕はその一心で魔力をこめる。キラは心配そうに僕を見ている。けどその努力もむなしく結界は壊された。


 「ーーーうわっ!」

 「ーーーーっ」


 僕達は結婚式場より数十メートル離れたところに飛ばされた。飛ばされたのはいいけど風の中に入っていた刃のせいで腕がかなり切られている。腹部からの出血もひどい・・。キラも足からの出血が多い・・。


 怪我・・と思ったがそれよりも大蛇だ。どうなったと思ってみるともう大蛇はぐったりしている。どうやらあれが最後の力を振り絞った攻撃だったらしい・・・。


 「・・・勝ったんだ・・・」

 

 そう僕は安堵のため息を吐いた。ーーきっとあと少ししたら魔力も戻ってキラにも回復魔法をかけてあげられる。だからもう少し我慢してね。そして


 「お疲れ様、キラ」


 僕はそう呟いて目を瞑った。魔力が戻るまで寝るのは許されるだろう・・

 

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