氷竜の渓谷 part3
・・・まぁ色々とあり、渓谷迷路(ティルディーが名付けた)を開始することとなった。だが、すんなり氷竜に会えるわけでもなく、かれこれ二日が経とうとしていた・・・。【氷竜の渓谷編第一話冒頭に戻る・・・】
「・・・ここの道さっきも来ませんでした?」
キラはもう顔が「無理」と言っている顔をながら、真剣に紙にかいたマップを見ながらそう言った。あれからいつまでたっても出らなくなりそうだという話になりマップを作ろうとなったのだ。
でもそのマップもグルグルとペンが走っていて読みづらいし、もうごちゃごちゃになっていた。今更思い出したことだが、普通ダンジョンや、洞窟用のマップという物が存在するのだ。
ダンジョンなどは地下に潜ってく型が多いので、階ごとに地図を書けるように魔法陣が組み込まれているマップを使うことが多い。ダンジョンや洞窟とはまた違うが、渓谷だって似たようなものだ。ダンジョン用のマップ買っておけば地図もこんなことにはならなかっただろう。
いや?俺もいざという時用にダンジョン用マップがあったはず・・・あ。そうだ。ダンジョン用マップは高額だ。・・・恐らくだが初日で盗まれていたかもしれない。
金銭類が盗まれたことに意識が向いていたせいでダンジョンマップの存在なんて忘れていた。・・まぁ結局この思い出しも意味がないのだが・・。俺は心でため息をつき現実世界へと戻る。
「・・・確かに・・・?」
頭が回らないせいかでぼーっとしながらキラの意見に御者さんは同調した。
「ちょっと!ここは通ってないよ!似ているけどさっき壁に埋め込まれてたのは青い宝石だったじゃん。今は緑色の宝石だよ!」
そうティルディーが高い声で怒鳴った。・・少しだけ耳がキーンとしたけど頭が冴えた気がする。やいのやいのと言い合いをしながら俺たちは道を進んでいたがそろそろ集中力も切れ始め道に迷い始めていた。もう二日ぐらい歩き続けているせいで足が痛い・・たまに小休憩はしているが。(ティルディーの体力が無いので結構な頻度で休憩はしています)
食料とかも出かける前に買っておいたから一応は問題は無いがもう残り少ない。
そろそろ氷竜に会わなければ俺たちの旅はここで終了だ。というか人生終了だ。ここで骨になって誰にも見つけてもらえなくて悲しい一生を終えるだろう・・・陰キャな俺にはこんな感じの渓谷で最期を迎えるのがちょうどいいんだろうか・・。
この迷路で分かったことだが迷路のところどころに宝石が壁に埋め込まれていた。赤い宝石だったり青い宝石だったりと規則性はないが来ていない場所来ている場所と判断するのにはちょうど良かった。
「・・ねぇソアン」
疲れたのかぐったりした顔でティルディーは聞いてきた。
「ん?なんだ?」
「もうさ、いっそのこと壁を魔術でぶち抜いちゃだめかな?」
遠い目をしながらティルディーは言った。・・・めっちゃやってほしい自分がいるが多分壁を壊したら岩とかが崩れ俺たちは死ぬ気がする・・。ここは我慢だ・・。だめだといおうとしたがそれよりも前にキラが口を開いた。
お、ティルディーのこと止めてくれるのかさすがだな!と思ったが・・・。
「いいアイデアですね!ティルディー様!噂話では強き者とか言っていましたしちょうどいいのではないですか?力を見せつけられて。やっちゃってください!!」
キラキラとした顔でキラはティルディーを見た。キラだけに・・。・・・一人でギャグをやっている場合ではないのだがマジでティルディーが魔術をぶっ放そうとしているので慌てて止めた。
キラって真面目でできるやつだけどたまにティルディーのことになるとねじが外れることがたまに・・いや。割とある。
・・だがそろそろ頭の方も働かせなければいけないかもしれない。噂話をもう一度思い出すか?・・でも印象に残ったのが強き者なんだよなぁ。どういう強さなのか俺にはあまり心当たりがなかった。




