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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
四章 氷竜の渓谷編
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氷竜の渓谷 part1

少し時が進み旅を始めて十日・・。新月まで今日を入れて後四日。星の丘にたどり着いたように思われる俺達だったのだが・・・・。


 「・・・もうここにきて二日・・・もう嫌だーーー!!!!!」

 「・・そうだな・・。俺ももう限界・・・」

 「はは・・奇遇ですね僕もです・・。もう無理諦めたいです・・」


 俺達三人+御者さんは氷竜の渓谷と呼ばれるところで彷徨っていた。ここは城下町と星の丘近くの村の中間地点にある場所だ。ーーなんでこんなところにいるのかって?それを説明するには二日ほど時を遡らなければいけない・・。


ーーー二日前ーーーーーーーーーー


「ちょっと怪我とか色々あったから城下町に長居しちゃったけどそろそろ出発しないとね!男子ー!どんな感じ?様子を見に来たよー!」


 ティルディーは身支度を整えた後、俺とキラの部屋のドアを開けた。

 ・・・せめてノックはしてくれ・・。ティルディーには人間の常識がかけているのか・・?これで俺たちが着替え途中だったらどうしてくれるんだ・・責任取ってくれるのか!?・・・なんとなく責任取らなければいけない事態になるのは俺達な気もするが・・。


 「ちょっ!ティルディー様・・!」


 お、ここは従者としてティルディーに注意してくれるのか?と期待した俺だったが・・。


 「来るならもう少し早く来てくださいよ!もう少し早ければ僕の筋肉を見てもらうことができたのに・・」


 ・・こいつに期待した俺が馬鹿だった。そうだ。キラは結構ティルディーファンだ。こいつにティルディーを注意するなんて天と地がひっくり返ってもありえないことだった・・。


 「あ、そう?ごめんね・・」


 そしてティルディー・・それをおかしいと思え!なんで筋肉見てもらうことができたのに・・みたいなおかしなセリフ言われた後に謝っとんじゃい!

 ・・・ゴホン。この二人に突っ込んだところで俺の脳内体力が消耗されるだけだ考えないようにしとこ。それにさっき出発しなきゃと言っていた。なら俺は商店街で食べ物でも買っていくか・・。


 「・・・・。じゃあ俺は食料とか買ってくるから馬車の手配やっておいてくれるか?」


 そう・・あとどれくらいで村に着くかはわからないからいざというときの食料を買わなければいけない。この先何が待っているか分からないからな・・のちにこれが俺達の命を救うがこのときの俺はそれをまだ知らない・・・。


 「分かった!」

 「ティルディー様!僕も一緒に行きます」


 そう言いキラは慌てて身支度を済ましティルディーの後を追っかけて行った。・・・まぁ初日もティルディーに任せたら迷子になったしキラが付いていったのは正解だと思う。

 多分付いていかなかったら馬車はいつまでたっても手配されないしティルディーを探しに行くという球が増える。そしてここの街を出るのが数日遅れていた気がする・・・。


 「・・・・」

 

 ぽつんと一人部屋に取り残された俺はゆっくりと準備をし商店街へ買い物に出かけた。

 ・・一人の買い物は久しぶりだ。というか一人行動が久しぶりな気がする。ずっとティルディーかキラは傍にいたし・・。


 「寂しいな・・・」


 俺は独り言のように言った。独り言だが・・。・・・あの時からずっと一人だったしもう一人に慣れたと思ってたけど・・慣れないもんだな・・。

 俺は心の中でそう思うと颯爽と買い物を終わらせた。

 三十分後。馬車の手配を終えたティルディー達と買い物を終えた俺は宿で合流し支度が終わると馬車へ乗った。そして星の丘に一番近いベルラの村に着く・・・はずだった。のだが・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーー


 「・・・・何か変な匂いがしません?」


 馬車に乗っているとキラが突然そう言った。変な匂いっていうもんだから火事か!?と思ったけどそう言う匂いじゃなかった。


 「匂い・・・?あ、ほんとだ。確かに花みたいな感じの・・。」


 俺も手で仰いで匂いを嗅いだ。花みたいな安心する感じの匂いだ。いい匂いだなと思って目をつぶるとティルディーが何かを思い出したように俺とキラの口元にハンカチを当てた。


 「これ、魔物の攻撃!匂いで眠らせて人を襲うの!」


 ティルディーが慌てて説明し俺たちに自分でハンカチを当てるように目線を送って来た。だが次の瞬間馬車が大きく揺れた。御者さんを見ると眠っている。そして馬が暴れていた。馬は暴れ馬車のスピードは物凄く上がっていく。このままじゃやばい・・どうにかして止めなければと思っていたその時・・。


 「!待ってこの先は!」


 キラが大声で叫んだ・・が時すでに遅しというやつで・・俺達は谷に落っこちていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 空を飛ぼべないか?とティルディーに聞いてみたが二人乗りは不安定だしそもそも数十メートル上の地上までは持ち上げることは不可能だと言われた。


 「詰んだな・・・」


 俺は空を見上げながらそいった。ここから見える空なんて隙間からの空だが。あぁ人生にさよなら・・。俺はそう青空に向かって呟いた。


 

 ーーーーーーーーーー



 「さぁ・・この三人と御者は無事に渓谷から出られるのか!?それともここで旅は終わってしまうのか!?ドキドキの第二話・・・が・・」

 

 「ちょ!久しぶりに出てきたナレーターさん!そんなウキウキになるのやめて!?僕達人生の終わりを覚悟しているんだよ??」


 「そうですよ!もう。ナレーターさん、引っ込んでいてください!」



 

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