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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
三章 宝石の姫編
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宝石の姫 part8

 ティルディーは雷雲を作り出し思いっきり魔物に当てようとしていた。だが魔物も反抗し結界を作り出す。魔法陣を使っているだけあって結界に傷もつかない。俺は魔物が結界で雷を防いでいる間にディルディーに近づいた。


 「なぁティルディー、剣に風を纏わせることってできるか?」

 「できる。時間がないからなんでとは聞かないけど調整が難しいから文句は言わないでね!」


 そういうとティルディーは俺の剣に風を纏わせてくれた。文句は言うなと言われたが竜巻級に強い風だ。心の中で「強すぎだろっ」と思ったのは秘密で。俺はディルディーに魔術をかけてもらうと自分背中の壁に向かって一振りした。


 すると思いっきり俺は魔物の方へ向かっていった。


 ・・・なんだか弾丸になった気分だがこれが作戦だ。俺は魔物の背後に近づくと思いっきり剣を振り下ろした。魔物は反応しきれずに体勢を崩した。それを見逃すまいとティルディーは魔術を詠唱し氷で突き刺した。

 その追撃でキラが短剣を魔物に向かって数本立て続けに投げた。


 「ぐはっ・・」


 ・・・そう。前に戦った魔物は動物の形をしていたが今回のは人間に乗り移った魔物だから反応速度も前魔物より遅い。俺たちと同等だ。俺はそれを利用し風を使い自分を早く移動できるようにした。と言うわけである。

 魔物はまだ動こうとしていたがそんな力も残っていないのか「ググググ」とうなるだけだ。もう攻撃はしてこないと思い魔物に背を向けた瞬間。


 「ソアン!!」

 「ソアン!!!!後ろ!!」


 ティルディーとキラが大声で俺を呼ぶ声が聞こえた。俺は何が何だか分からずその場で固まってしまった。後ろを振り返れば魔物がこちらに向かい魔法を打とうとしている。俺は避けきれないと判断し腕で顔を覆う。効果はないと分かっていながらもそうしてしまう。眩い光に包まれもうだめだと思った瞬間さっきよりも大きな氷が魔物を囲い突き刺していた・・。


 「よかった。ソアン無事で・・」

 「・・良かったです」


 ティルディーは涙を流しながら俺に抱き着いてきた。キラも俺を見てほっと一息ついている。俺も助かったのか・・という気持ちと同時にさっきのことを思い出していた。

 ・・・一瞬のことであまり分からなかったが・・・。今ティルディーが魔術を放つときに詠唱が聞こえなかった・・魔法を使っていなかったか・・?でもキラはその点について気になっていなさそうだし・・。気のせい・・?でも・・。


・・・・俺はそんな疑問をのこしつつティルディーの涙をハンカチで拭った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そして戦いが終わりた数日後。


 王は責任を取るため王位を退くことを決めたそうだ。そして第二王子が王としてになることが決まった。だが第二王子がまだ未成年なので成人してからになるそうだが・・。

 あともう一つ。宝石の姫が死んだというのはすぐに広まったが王妃と侍女の入れ替わりについては公表しないらしい。まぁ多分公表しても真実味が薄いから信じる者も少ないだろう。


 あ、気になった人も多いがなぜ第二王子が継ぐのかって?それはね・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<時は遡り 戦い後>


 第一王子は侍女と対面していた。中身は王妃の・・。

 

 「あなたが・・・本当のお母様なんですね・・・」

 「・・・・・・・」


 侍女の方は話はしなかったが目からは涙を流し第一王子を抱きしめていた。第一王子もそれに応え心優しい目で侍女を見ていた。第一王子は失った時間を取り戻すため侍女の住んでいる地方の領地に行くそうだ。

 侍女を城に呼び戻すことは王室の醜聞になるのできないためが第一王子は侍女と一緒に地方へ行って一緒にいる道を選んだみたいだ。

 第二王子は・・ルビアは真相を知れて満足のようで第一王子に代わり王になることに抵抗はないらしい。そもそも王位には興味あったらしいが自分は妾の子という立場だったので無理だろうとあきらめかけていたらしい。

 第二王子の母親も侍女(中身は王妃)になるがそもそも母親という存在がない状態で育ったのであまり情は感じないらしい。冷たいなと思ったが貴族っていうのはそうなのかな?と思い口を挟むのはやめた。それに第二王子にとっては宝石の姫であった妹の方が大事みたいだ・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 まぁそんなわけで第二王子が将来王になるらしい・・・。今俺らは城下町のカフェでルビアとお茶をしている。城での一件の礼をしたいそうだ。


 「本当にありがとう・・。感謝してもしきれない。十五年も闇に包まれていた城の謎を解いてくれて。」


 ルビアは頭を俺たちに向かって頭を下げた。あ、ちなみに今日はお忍びなのでルビア・・女装バージョンである。第二王子のほうのルビアもカッコよかったが最初に会ったこの女装バージョンの方が俺たちは見慣れている。ーーっというか今はそれよりもルビア・・王室が頭を下げたのが衝撃だった。周りの人が分かっていなくてもやっぱり駄目な気がする。


 「いやっ!!頭を下げないでください!!!」


 ・・・これ・・頭下げさせたから~みたいな理由で牢に入れられたりしないよな・・?大丈夫だよな・。

 

 「でも・・お前たちのおかげで兄上が最近笑顔になったんだ。とても毎日が楽しそうなんだ。本当に・・

 「・・・・ルビア・・・」

 「あ!忘れる前にお礼を・・。これ・・イヤリング・・。妹の・・」

 「え!形見ですか!?もらえませんよ!!そんなもの!!」


 ティルディーが首をめっちゃくちゃ横に振っている。


 「いや形見は・・これ以外にもある・・。ただ・・このイヤリングだけは貰ってほしい。お前と私の友好の証として・・」

 「・・・分かりました」

 「あ。そろそろ城に戻らなくては。最近は警備がきつくなってきたのでな・・。では」

 「えぇ。ルビア様もお元気で・・」

 「またな!」


 俺は走っていくルビアの後姿を見てそう言った。もうあの姫・・王子はやっていける。何かが吹っ切れたような笑顔で笑っていたのだから。


 俺はふと空をみた。


 ・・・後八日。 新月の日はもう少し。俺たちの旅はまだ続く・・・。



これにて宝石の姫編終了です。



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