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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
三章 宝石の姫編
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宝石の姫 part7

 「ふふふ。あはは!!おもしろいショーをどうもありがとう」

 「誰だ!?」


 少女のような声がこの部屋に響き渡る。俺やティルディー、キラや国王までもが辺りを見回している中ルビアが何かを見つけたように目を見開いた。


 「お、お前・・・はなぜ・・・」


 口を開いたのは国王だった。俺もルビアの視線の先を見ると少し驚いた。なぜならその先にいた少女はルビアの・・・第二王子の女装姿をした少女だったからだ。でも見た目はかなり幼く六歳ぐらいだ。


 「なんで、生きているんだルビア・・・」


 そう少女のことをルビア(第二王子)は言った。まぁそれもそのはずだ。もう死んでいるはずの妹が生きて動いているのだから。まぁ生きているかは怪しいが。口調からして本人ではないと思われる。それに気配もなんだか嫌な感じだ。


 「?どういうことだ、シリル」


 ・・シリル・・第二王子の本当の名みたいだ。まぁそれはおいといて。・・国王には知られていないが双子の王女は死んだのだ。それなのに生きている。・・・いや亡霊か?確認するためにティルディーに視線を送るとティルディーは頷き説明を始めた。


 「あれは多分死体を依り代にした魔物・・。まぁ亡霊ではないわね・・」

 「国王もなんて醜いのかしらフフ・・。まぁそろそろ潮時かもね。もうバレてるみたいだし。最後に食料ぐらい狩っていっても問題ないわよね」


 そう言うと魔物は魔法陣を数個展開させてこちらに槍を降らせてきた。


 「・・・!魔法陣を使われると魔法の威力が増す!気を付けて!」


 ティルディーが魔術で水の結界を作りそう言った。現にティルディーの結界にもうひびが入っている。かなり魔力を注いでいたのかティルディーも驚いたように目を見開かせている。


 「僕は国王様や王妃様方を避難させます。戦闘はお任せしても大丈夫でしょうか!?後で必ず合流しますので!」


 キラがそう叫んだ。本当のところは戦闘に参加してほしいところだが避難は大事だ。しょがない、ここはティルディーと俺の二人でこの魔物を倒すしかない。


 「大丈夫だ!こっちは任せてくれ!だが急いで戻ってきてくれると助かる!というか急いでくれ!」


 俺がそう言うとキラは急いで扉を開け部屋を出ていってしまった。これで避難の方は大丈夫だ。・・・さて魔物との戦闘開始だが・・。魔法陣を使われると魔法の威力が強まるとティルディーは言っていた。

 俺が闇雲に攻撃しても意味はないだろうが・・。悩んでいるとガラスが割れるような音がした。音のした方を見ると、水の結界が水滴のような形で散らばっていった。ティルディーは割れた結界を利用して魔物に向かって鋭い水滴を打っていた。

 鋭い水滴を散らばらせようとしているのか、魔物は風を作り出しそれをだんだん大きくし竜巻を作った。・・・!今なら俺の姿は相手から見られていないかもしれないと思い猛ダッシュして魔物の横に行き剣を振おうとしたが、近づいたのがばれ、竜巻が俺を吹き飛ばした。


 「うわぁ!」

 「ソアン!『暖かな雲よ精霊と共に 現れん!』」


 ディルディーが呪文を唱えると俺の背後に雲ができ、壁に直接当たるのを回避した。・・だか、魔物は厄介だな。魔法を使うから対戦がディルディーでやっとだ。

 だが俺も上級の戦士。これより強い魔物でも戦士や剣士で討伐に成功している人は存在している。俺にやれないわけがない!やれないわけがないんだ・・・。この前だって魔物を倒せた。でも今回はこの前の魔物の比では無いくらい強い。


 ーーー倒せないかもしれない。俺では力量不足かもしれない。・・それでも俺はティルディーの剣になりたいんだ。俺は魔術にだって剣は届くって、証明したいんだ!


 そう思い立ったら行動は早く俺は柱の影を使い魔物と距離を詰めることにした。途中魔物に気づかれ柱を折られたがどうやら俺の走る速さの方が魔物の魔法の打つ早さよりも早いらしく魔物の攻撃に当たることもないまま近くまで来ることができた。


 俺は魔物の腹らへんを思いっきり突こうとした。・・が。


 俺の目の前に思いっきり魔法陣が現れ光を帯びる。まずい攻撃が来ると思い俺は後方へくるりと回転して逃げる。


 その数秒後魔法陣からは無数の棘が現れた。そして俺。ティルディーの下へその棘は飛んできた。俺は剣でその棘をはじき返しティルディーは結界を張り防ごうとしていた。が棘の数が多すぎるのかティルデイーの結界はすぐに壊れてしまった。


 ティルディーはすぐに結界を張り直したが追い付かず棘がティルディーの体を貫こうとしていた。


 「ーーーー!ティルディーっ!ーーーー間に合え!!」


 俺は全力でティルディーの下へ走りティルディーに迫る棘を弾き飛ばそうとしていた。


 「!ソアン!だめ!来ちゃ!」


 もう棘が目の前にまで来ていたので間に合わないかと思ったが・・。


 「ーー!もう!二人とも大丈夫ですか?」

 「「!キラ!」」


 目の前にはキラがいた。両手に短剣を持ち棘を弾き飛ばしていた。おそらく避難誘導が終わりこちらに駆け付けてきてくれたんだろう。マジで助かった。


 「ティルディー様を守るのは僕の役目ですから!よし!じゃあ三人で行きますよ!」


 そうキラが言い魔物へ向かってキラが距離を詰めていく。俺もと思いキラの援護へ向かうことにした。ティルディーは炎の大玉を作り上げ魔物に向かって投げている。でも大きいゆえに連発はできないらしくその間氷の刃などを作って魔物を攻撃していた。

 そして俺達はというと、キラが、魔物に向かって短剣を投げ弾き飛ばされると魔物の反対側へジャンプしまた短剣を投げつけ距離を縮めていた。

 俺はキラの短剣に当たらないように魔物への攻撃をしていた、キラの短剣には毒薬が塗られているらしく弱い魔物では即死するレベルらしい。だから普通の人間がそれを触ったりでもするとすぐには死なないが嘔吐や腹痛の症状の後死に至るらしい。


 だからガチで当たるとやばい。ーーーーまぁそんなこんなで魔物と戦っている。三人体制になったおかげか攻撃が入りやすくなった、でも入りやすくなったというだけで威力は変わらない。攻撃を入れてもすぐに治癒魔法を相手はかけるからなかなか致命傷にならない。


 考え事をしていたら急に目の前に葉の形をした刃が飛んできた。急に来たため後ろへそれて避けた。だけど前髪が少し切れた。どっから来た攻撃だと思い魔物を見ると体はティルディーに向いて応戦しているが左手で魔法を乱射している。

 多分これが俺にかすった。でも乱射されると思うように近づけないと思い周りをきょろきょろと見る。俺もキラのように投げられる武器があれば・・あ。


 ふと目の前に植木鉢、落ちてきた装飾品などを見つけた。とりあえず魔物に対して投げてみる。かなり立て続けに投げたので数個は当たったがびくともしていない。

 このままでは俺の方が先に体力が切れるためものを投げつつ魔物と距離を詰めることにした。その間にもティルディーは魔術を打ち続けている。


 「精霊よ 自然の恵みを ここに !!!」

 「精霊よ 炎とともに すべてを消し去らん!」


 キラも短剣をなげつつ攻撃を入れてきたようだが魔物が乱射してきたのを見て投げることに専念し始めたらしい。でもキラが投げられるのも本数が限られている。でも俺が植木鉢やそこらへんに落ちているものを投げ始めるのを見てキラも投げ始めた。

 そう魔物が乱射するならこっちだって物量で押し切ってやる!ティルディーが本格的に相手してもらっている中で声をかけるのは悪いが途中で声をかける。


 「ティルディー!魔物の手を切り落とすのに専念してくれ!」


 俺はそう叫んだ。この魔物は第一王女に乗り移っている魔物だ。それに前戦った魔物と違って口では魔法を打ってこない。多分手からしか魔法を放てない。なら攻撃できる手を落とした方が早い!

 ティルディーは俺の言いたいことが伝わったのか鋭い氷や風の魔術が多くなった。だがさっきまでティルディーは雷や炎という大きな魔術を使って魔物を押さえていたために細かい魔法になったら魔物にも余裕ができる。


 だから・・何が言いたいかというと!


 「わっ!」

 「っーーち」


 ・・・こちらにも魔法が飛んでくる・・。ティルディーの方も手を落とすことに専念しつつ結界魔術や大きな魔法を使って魔物の気を逸らそうとしているが結界魔法は魔物によってすぐに消えてしまった。

 だけどそれにも動じずバンバンとティルディーは魔術を打ち続けている。でも魔物よりティルディーの方が魔力量は少ないはずだ。このまま打ち続けてしまえば魔力切れを起こしてしまう。

 魔力切れを起こせば意識がぷつりときれて倒れこんでしまらしい。そんなことが起きれば俺たちの・・国の負けは果実だ。

 だけどキラと俺は魔物と距離は少し詰められたが剣で攻撃してもすぐにはじかれてしまうという状況が続いていた。どうしたら・・と思っていると


 「ーーーー!」

 

 魔物が膝をついた。!?何があったと思ったと同時にキラの毒のことを思い出した。弱い魔物なら即死レベルの毒・・。今頃効いてきたのか!俺は嬉しさのあまりガッツポーズをしてしまった。

 だけど喜ぶのはまだ早い俺は魔物の背後に近づき魔物を背中から刺した。刺したと同時に弦で足が捕まりかけたので急いで後方に下がる。キラも短剣を投げその隙に短剣で魔物の腕を切った。

 ティルディーはキラが魔物の腕を切り付けたと同時に雷の魔術を繰り出そうとしていたが魔物が復活してしまいそれは叶わなかった。

 

 ・・・・でも今ので一つ気づいたことがある。魔物が人間に乗り移ってる・・なら!


 俺は思わず口角をあげた。

 

   

 

 

宝石の姫編は次で終了です。



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