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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
三章 宝石の姫編
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宝石の姫 part5

 「じゃあ次は私から質問していい?なんで不法侵入なんてしているの?見つかったら鞭打ちだけじゃすまないよ」


 さらりと鞭打ちというワードを出されたことに身震いしつつも正直に話すことにした。そもそも依頼主だしなルビアって・・。


 「俺達今情報収集中なんだよ。そもそもルビアが依頼したんだろ。城での異変調査なんだから城へ忍び込まなきゃわかんないし・・」

「あ、そっか情報収集中だったのか」


 めっちゃくちゃ忘れていたみたいな顔をされたのでカチンときた。じゃなきゃなんでこんなところにいると思うんだよ!と内心怒りに満ち溢れていたが王族相手なので強気に出れず「ハハハ・・・。」と愛想笑いしておいた。


 「まぁ依頼したのは私だし、私の知っている情報は教えるよ。母は花の姫って言われるほど綺麗でさ、私の妹も綺麗だった。生まれた時綺麗だったから宝石の姫って第二の名前がついたみたいだけど。だから情報を手に母に会いに行ったんだこの姿で。そして色々聞こうと思った。でもまともに話はできなかった。なんていうか精神的にやられて・・。言っておいて悪いけど私もたいして情報は持っていないんだ。持っていたら依頼なんてしないからな・・」


 「・・・そうなのか・・悪いななんか込み入った情報を聞いて・・・」


 少し気まずくなった。確か第二王子を生んだのは十四年前ぐらいだったはずだ。かなり昔のはずなのに精神的ななにかは治らないものなのかと思った。侍女・・何か情報を持っていそうだが息子の第二王子で話せなかったなら他人の俺なんて尚更・・あ。


 「待ってくれ。元王妃の専属侍女の・・ルビアの母親が住んでいる場所ってわかるのか?」


 俺はさらりと流しかけた情報を聞き返した。話せないとしても位置情報ぐらいは知っておきたい。


 「あぁ。ん。これ地図。昔の母の仲の良かった同僚に聞いたんだ。」

 「うわっ!投げるなよ」


 急に投げられた紙を慌てて掴んだ。髪を広げると住んでいる街、家の位置などが書いてあった。


 「あとはそうだな・・。王妃関連だと。王妃は国王と結婚して一年後ぐらいから様子がおかしかったらしい。体調は崩れただけみたいだったが話をしても曖昧な返事しか返ってこなかったみたいだし。それから一年たったあたりからましにはなったみたいだが・・・。あ、これは十五年ぐらいまえの話だ。最近ではない」


 人差し指を俺のほっぺに突き付けてそう言ってきた。さすがに昔と今は間違えないってと思ったが。

 

 「そうか・・情報ありがとう」

 「あ。あと変わったことかはわからないんだが少しだけ・・。少しだけ父上の様子が違うって誰かが言っていた。私が小さい時だったから誰が言ったかは覚えていないんだが・・」


 もうちょっと情報があればその人物に聞けたが小さかったのならしょうがない。十数年前の出来事ならもうその人も仕事を辞めている可能性もあるしな。それに・・・


 「国王ねぇ・・」


 あまり国王についの情報は二人からは聞かなかった。でも王妃と元王妃の専属侍女に関してのおかしな情報が上がっているから国王も少なからずあるとは思っていたが。うーむ。


 「なぁソアン・・・。私・・。この城の異変を解決して兄上に元気になってほしいんだ・・。頼む。こ異変を解決してくれ!兄上は不義の子の私に良くしてくれたんだ。そんな兄上が王妃の話になると暗くなってしまわれるのが辛いんだ・・」


 兄上・・か。そういえば第一王子についてもあんまり聞かなかったかもしれない。まぁ正妻の子だし悪いこともしてなければ、噂とはたたないものだが。でもこんなに第二王子が懐いているとは思わなかった。てっきり仲が悪いのかと思っていたが・・・そうではないらしい。


 「・・・分かった。だがその前に俺の仲間に情報を共有させてくれ。同じく城に情報収集しに来ているんだ」


 さすがにこの情報を一人で扱うのは大変すぎる。一旦情報共有したい。もしかしたらティルディーとキラも何か情報を得ているかもしれないし。


 「・・・分かった。だが私が合流するのは後になる。もうすぐ授業の時間なんだ第二王子の姿で・・の。いないと叱られる」


 残念そうにしているルビアに頭をなでた。


 「・・・なんのつもりだ?」

 「・・なんとなく?頑張っているなぁって」

 「・・・お前私が寛容なことに感謝しろよ。普通だと牢獄行」


 グサッと胸を刺された気分だ。だが真実・・・反省した。思いっきりタメだったし・・。心に槍が刺さったまま俺はティルディーとキラを探した。


 ーーーーーーー

  


 そして俺は一度ティルディーとキラに合流し先程ルビアと話した内容をすべて話した。


 「そうなんですか・・・。というかあの子王子だったんですね・・」


 めっちゃくちゃびっくりしたような顔でキラは言った。まぁそうだよな俺も驚いたし。それに声変わりしてるであろう男子がよくあの声出せたなと別の意味で感心した。

 だってめっちゃくちゃ可愛い声出してたし。もう俺見た目を信用できないや・・と思った、


 「街で会った時の姿からは想像もつかないね・・。めっちゃくちゃ顔は美人だったけど」


 ・・それは強く同意する。俺も顔を見なければ多分分からなかった。話はそれたが情報は共有できたし、これからどうするかを話そうかなと思った時だった。


 「あ、そうだ僕、今の王妃付きの侍女に話を聞けたんだけどさ・・・」


 思い出したかのようにティルディーがそう言った。情報があるなら早めに共有してくれよとマジで心の中で思ったがそんなことティルディーはお構いなしというように王妃付きの侍女から聞いた話をし始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 <情報収集中のティルディー>


 「王妃様・・について・・・?えっとあなたどこから来たの・・・?」

 「えっ・・・・!?」


 ※ティルディーは現在城の侍女の服装をしています。相手の思考を誘導する魔術もセットでかけています。


 「私は最近配属されてきたばかりで・・。お仕えする方に関して何も知らないのに仕えるのは失礼かと思いまして・・」


 ・・・やばいかも・・?ちょっとおかしな言い訳だし・・。怪しまれるかな?話してくれるかな?内心バクバクしていると・・・


 「ふーん・・。まぁいい心がけね・・。そうね王妃様は十五年ほど前から少し変わられたのよね。前は積極的に慈善活動とかしていたし私たち侍女にも心優しかったのだけれど最近は壁を感じるわね」

 

 「壁・・?ですか」


 意外とすぐに情報を話してくれたことに驚きつつ『壁』という単語を聞き返す。

 

 「えぇ。侍女とも関わり合いを避けているようだし。それに・・これは護衛騎士から聞いた話だけど夜な夜な『あの方に顔を合わせられない』 『どうしたら許されるの・・』って言っているみたいなの。

それも十五年間ずっと。何かご病気かしらと思うんだけど医者からは何も病気はないと言われてねぇ。心配だわ・・・」


 それだけ言いおえて侍女はまた掃除を始めた。もう得られる情報はないようだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「・・・って感じで夜な夜な呪詛のようになにか言葉を言っているんだって。『あの方に顔を合わせられない。』『どうしたら許されるの』とか・・。なんのことかはよく分からなかったんだけど・・」


 ティルディーは頬を膨らませながらそう言った。・・なんだかハムスターみたい。


 『あの方に顔を合わせられない』・・。あの方って目上に使う言葉だよな・・。王妃より上って・・。上かはわからないが国王か・・?『どうしたら許されるの』はよくわからないな。なんか王妃はやらかしたのか?


 「僕は国王様の側近の方に話を聞けましたよ。国王様体調とかは平気みたいですけど、なんていうか王妃様と顔を合わせないみたいですよ。国王様の方が避けているみたいで・・」


 あれ?国王の方が避けているならさっきの王妃の『あの方に顔を合わせられないは」なぜなんだ?


 「・・・・ねぇもしも僕の読みがはずれてたらすみませんなんですが・・・。もしかして・・」


 キラは最後に「あってるかわかりませんよ?!」とだけ付け足した。でもその予想は。


 「「・・・・・・・・」」

 「いや、ありえるかもな・・」


 当たっているような気もした、


 「うん・・。国王様に会わなきゃ・・!」


 ーっつても国王は領主よりも会えない・・。どこかこっそり・・。


 「あ。会うなら夕食とかどうでしょう。国王、王妃、第一王子は毎食ご一緒されているらしいですし。第二王子に説得してもらえれば・・」


 「そうだね!じゃあソアン伝言頼んだ!」

 「え、俺!?」

 「うん!だって僕は元王妃の専属侍女を連れてこなきゃ、あの伯爵令嬢。ソアンが地図をルビアからもらったおかげで場所は特定できたからね」


 そう言って煙に撒かれるようにティルディーは消えた。あ、付け足すと猛者すごいスピードでどっかに行っただけである。もう少し話をしてからと思ったがもう遅い。仕方がないと思いながら第二王子が住んでいるという離宮へ足を運ぶことにした。


 キラはどうするのだろうと思って声をかけようとしたが。


 「・・?あれ」


 もうその場には俺しかいなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


 <第一王子の部屋>


 「・・・。はぁ・・・」


 私は深いため息をついた。いつかの誕生日お父様が送ってくれたぬいぐるみを抱えて言葉を吐き出す。お母様は私が生まれた時からあんなかんじで、たまにヒステリックを起こしたり暴力を振るっていたりするのを目にする。

 私には暴力は振るわないということは分かっているので暴力を振るわれている従者などを見かけたら仲裁へ入るようにはしている。

 ・・・昔は心優しく国母にふさわしいと国民のほとんどが思っていたような方・・。私も昔のお母様が書かれた本を目にするととても尊敬の念を抱く。


 ・・・どうしてあんなにも変わってしまったのか・・。


 「私は昔のお母様に会いたいです・・・」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「・・・・ふーん」


 そんな王子の独り言をキラは聞いていた。


 


 

 

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