宝石の姫 part1
まぁ色々ありなんとかフレア城下町へ到着した。だが到着したのは夕方ごろでもう辺りは暗くなりつつある。だが俺はそんな事実より都会のすごさに圧倒されていた。
「と、都会ってゴホッすげぇ」
俺はきょろきょろ辺りを見る。右を見ても多くの人左を見ても人!そして建物の多さ。生まれてずっと田舎暮らしだった俺にとっては都会というものはとても新鮮なものだった。
「もう、そんなはしゃいで。子供みたいですよソアンさん」
キラがむすっとした声で言う。まぁ、まぁ少しはしゃぎすぎた自覚はある。おとなしくしようと思い珍しく静かなティルディーに顔を向ける。まぁティルディーも俺を見て呆れ・・って
「・・・・」
ものすごく目を輝かせて辺りを見ていた。俺よりもそわそわしているような気がする。
「ティルディー?」
「ティルディー様?」
キラと声が重なりながらティルディーの顔をのぞいた。俺たちの声に気づいたのか顔を真っ赤にして俯いた。
「ご、ごめん。ちょっと都会がすごいなって」
俯きながらティルディーはそう言った。俺はニマニマとしてティルディーを見た。いつもさっぱりというか照れるというものにティルディーは無縁だと思っていたのでこれはこれで新鮮である。
ニマニマしているのに気づかれてティルディーに少し睨まれたがまぁ気にしない気にしない。心のなかで色々思っているキラの鋭い視線に気づいた。
「え、と?」
「ティルディー様に対して失礼です。それにティルディー様も都会なんて見慣れているではないですか・・」
「あ、ハイ」
「もう、様なんていいのに。それに僕は本人と違うの!見慣れてないの!」
ティルディーがムスッとしながらキラに言った。お、これで話はそれたな。心の中で安心したソアンなのであった。
俺達は都会の話をしながら今日止まる宿屋を探していた。・・人が多くて宿屋が見つからない。都会はこんなことが起こりえるんだなと感心しつつ宿屋が見つからないことに若干焦りも感じていた。
俺は前を見ることを忘れ宿屋の看板を探すことに専念していた。
すると・・
「ドンッツ」
桃色の髪をした少女にぶつかった。
「わ、ごめん。って?」
少女は俺に目もくれず走っていった。なんだ?俺は訳が分からず目をぱちくりさせる
「・・もしかしたらなんですけど今のスリではないでしょうか?」
キラが少女の去っていた方を見て言った。・・スリ?いやいやまさか初日の爺さんで学んだ・・そう財布はひもでバックに固定していれば盗まれないんだと。
・・だが結論・・甘かった。
ひもは切れていて鞄から財布は消えていた。
「ま、まじかよ・・」
俺は軽く絶望した。なぜ俺たちは二回も財布を盗まれなければいけないのだろうか・・・。これからのお金どうしようとティルディーに相談しようとして顔をあげた。
だがそこにはティルディーはいなかった。
「あれ、ティルディー様?」
キラも慌てて辺りを見回す。そういえば財布が盗まれたあたりから会話に入っていなかったような・・。
「ティルディー、ティル・・」
「ここにいるよ・・」
呆れた顔で俺とキラの後ろに立っていた。そしてティルディーの右手には先ほど俺の財布を盗んだ桃色髪の少女がいた。
「「あ・・」」
俺とキラは同時に桃色の髪の少女をみて声をあげた。
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俺たちは一度近くのカフェに入った。机の上には四人分の飲み物と大量のスイーツが並べてあった。俺が好きなものを食べていいよといったらこうなった。まぁ金はあるからいいけどさ・・。
「いい食べっぷりだな・・。あ、自己紹介まだだったな俺はソアン。上級の戦士だ」
「僕はティルディー。上級の魔術師だよ・・」
「僕はキラと申します。一応ギルドには所属しているので冒険者です。短剣を扱えます」
俺たちは各自少女に自己紹介をした。少女はスイーツをゴクンと飲み込むと話し始めた。
「・・まずお財布とってすみませんでした。私はルビア。お金が欲しかったのはギルドへ行くためです」
もじもじと視線をスイーツに向けてルビアは話した。でもそうか・・ギルドに行くためか・・。多分だがルビアは何かの依頼をしようとギルドに行こうとしたのだろう。
でもギルドはお金を支払わなければ依頼書を作成してもらうことはできない。前にも話したが依頼書は街とか村からの発注が多い。あまり個人では依頼書の発注を頼まないのだ。
・・お金結構かかるしね。
「ギルドに行こうとしたってことは何か依頼したいことがあったんだろう?これも何かの縁だ。話は聞くよ?」
「・・最近おかしいんです」
ポツリと少女は呟いた。
「えっと・・おかしい?どこが・・・?」
あまりにも情報が少ないのでティルディーはあれこれ質問を始めた。
「あそこが・・」
「「「え??」」」
俺たちは同時に声をあげた。だってルビアが指をさした先は白くてとても大きい城だったのだから・・・。




