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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
序章 星の下の運命
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星の下の運命 part2

 フードの少年が実は女の子だったという事実(勝手に思い込んでいただけだが)に驚いた後、俺は一度深呼吸をした後もう一度金髪少女の方を見た。


 ・・するとなんということだろうか金髪少女がこちらをずっと見てくるではないか・・。


 女子耐性が無い俺にとっては心臓が今にも飛び出しそうな気持だった。


 学生の頃ドッキリの告白にマジになって一か月付き合った後に全校生徒の前でネタばらしをされて、大恥をかいた記憶が蘇る・・・。


 そうあれは四年前の出来事。


 「ソアンさん!実は私ずっと前からあなたのことが好きでした!付き合ってもらえませんか!!」


 そう言って俺をまっすぐな瞳で見てくるのは学校一の美女と言われている少女だ。そんな少女に今俺は告白されている。授業が終わった後、校舎裏に呼び出されなんだと思ったらいきなり告白されたのだ。


 話したこともないただ噂話しか聞かない存在の美女・・こんな美女相手だ。だから付き合ったらクラスでいつも空気扱いなのにそれがヒートアップして虐められでもしたらと思い最初は断ろうとした。


 なのに・・。


 「私ソアンさんのこと本気で好きなんです。大丈夫です周りからは私が守ってあげます!だから!」


 とすごく押され結局は付き合うことになった。それからというものクラスでは空気扱いもされなくなりなぜかは知らないがみんなから祝福され友達も新しくできた。


 こんなに幸せな生活をしていいのかと思うほど順風満帆な学校生活を送っていたはずなのに。


 それから一か月後・・。俺の学校では毎週、週の初めに全校集会というものがある。連絡会といった感じだ。俺はいつものように「早く終わらないかな・・。」と思いながら先生の話を聞いていた。


 そしてあともう少しで話が終わるというとき生徒からの連絡で一人の生徒が手をあげた。


 その生徒は俺の彼女で「何を話すんだろう」と地面を見ていた俺の視線が彼女へ向いた時だった。


 「私ーー!みなさんに伝えなければいけないことがあります!一か月前私はソアンさんとお付き合いを始めましたが実はあれドッキリなんでーす!では!」


 そう言い残し少女は元の位置へ戻っていた。俺は一瞬何のことを言っているか分からずぼーっとしていた。周りの生徒は


 「やっぱりね。」 「釣り合ってなかったしね。」 「ドッキリだったんだあの人かわいそ・・。」


 などなどいろいろ言っていた。俺はその場にいるのが恥ずかしくなりトイレに籠って泣いた。


 ・・あの頃は初めての彼女に浮かれすぎてネタばらし後ショックのあまり二ヵ月間学校を休んだ。


 あ、そうそう。これは後から噂で聞いた話だが俺の付き合っていた女子生徒には本命がいてその本命に振られたということでうっぷん晴らしに俺が使われたらしい。


 ・・・今でも思い出しただけで顔から火が出そうだ・・。うぅ恥ずかしい・・・。・・これドッキリじゃないよな・・・?


 実はイケメン冒険者に助けてもらう予定でした!とかじゃないよな!?苦い思い出を思い出したせいでめっちゃくちゃ嫌な考えが浮かんできた。


 ・・まぁそれはないだろう・・ガチぽかったし。それに顔は良いって昔、誰かに褒められたし・・・。ん?じゃあなんでこの少女は見てくるんだ??


 俺の顔に何か付いているのだろうか・・。昨日食べた焼きそばの青のりが歯に?それとも寝癖が付いているとか? 俺の顔が気に入らないとか?・・・いやまてそれ言われたらさすがに傷つくな。

 

 冷汗が止まらない本当に何なんだ!? 心の中で自問自答していると


 「その真っ黒な黒髪に海みたいな青色の目・・・君がソアン・・・?」


 「んなわけない。んんってごめんえっとはい。」


 危ない危ない考えすぎて金髪少女の質問に嘘をつくところだった。人の話はちゃんと聞かなきゃな。


 ・・・ん?というかなんで俺の容姿情報と名前をこの金髪少女は知っているのだろう。まさかストーカー!?こんな可愛い子が!?と思い少しだけ疑いの眼差しを金髪少女に向けた。


 だがその考えは俺の頭の中ですぐに否定された。だって付けられていたらさすがに分かる。俺こんなんでも上級の戦士だしな。気配を捉えるのは上手いはずだ。・・・多分・・。


 でも俺のこと知ってるってことは昔あったことあるのか?いや・・でも俺村出身でここら辺の知り合いは少ないから基本的に覚えているはずだしな・・。んー誰だろ・・。でもなんか見たことあるような?


 「・・・・ねぇ・・。君。星の丘を探し回っているって本当・・?」


 真剣な眼差しで目の前の金髪少女は聞いてきた。怪しいし適当に嘘をつこうかとも考えたが目の前の赤い瞳になぜか嘘はつけなかった。というかつきたくなかった。


 「・・・本当だ。俺は星の丘にどうしても行きたいんだ。・・行かなくちゃいけないんだ・・!!」


 俺はすぐに我に返り詰め寄って話したことを反省した。初対面の男にこんな急に距離詰められても怖いよな・・。これじゃさっきの二の舞だ。


「・・・僕。星の丘を知っているんだ。・・・僕。行くあてもない旅をしているんだ。もしよかったら案内するよ。星の丘に・・。それに・・」


 少女は少し微笑み俺にそう言った。今何かいいかけていたが言うのを止めてしまった。何だったんだろう。なんか言おうとしていたことを「やっぱ何でもない」って言われると一番気になる・・。


 まぁ初対面だしそんなにグイグイとは聞かないが。惹かれるしな。・・というかそれよりも・・。


  「・・・・。」


 俺達の間に沈黙が続いた。・・・ 聞き間違いか?いや違うこの金髪少女は星の・・って・・え?なんかとてつもないことを言っていた気がする。


  頭の整理が追い付かず思わずフリーズしてしまう。すぐに返事をしなければと思うが頭の中で言葉が詰まって出てこない。


  「行きたいんでしょ?」


 こてんと金髪少女は頭を傾げる。その首を傾げる行為かわいい!!ーーっじゃなくて!


 「ほ。星の丘に!?場所は!?北の都?それとも西、東?ここ南の都にあるのか!?」


  俺はやっと情報を飲み込み、少女を質問攻めにした。 ちょっと押しすぎな気もするが数年探していた場所を知っている人物に会えたのだこれくらいは許してほしい。


 「ちょっと、ちょっとすとーーーっぷ!!ここじゃ目立つ場所を変えて話そう。それに・・。」


 金髪の少女は目線を顔の怖い大男に向けた。彼はまだ気絶したままで周りにいた人たちが回復薬などを傷口にかけている。


 そのおかげか頭からの出血は止まったようだ。良かった・・・じゃなく俺はハッとし周りを見る。周りを見ると先程の揉め事のこともあり大勢の人が俺達を囲っている。


 ・・なんか急に恥ずかしくなってきた。女子耐性と同時に注目耐性もない俺はこの状況に耐えられずガタガタと手足が震えだす。体がもう耐えられん!やばい急いでどこかへ退散しなければ!!


 「そ、そうだな。じゃあ近くのカフェにでも。」


 ・・ということで俺と金髪少女はギルドを出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 (ちなみに暴力事件についてはギルド嬢にこっぴどく怒られただけで活動停止にはならなかったそうで・・・。)ヨカッタネ、ソアン!


 「良くない!!」


 俺は半泣きでナレーターにつっこんだ。もう・・このナレーター他人事だと思って・・。


 

全エピソード修正中なので一旦投稿してあったエピソードも削除しました。

一日に一・二エピソードずつ投稿しようと考えています。

投稿時間は前はバラバラでしたが二十一時に揃えようと思います。


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