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星は僕を見ていない  作者: 雪道 蒼細
二章 謎の症状編
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謎の症状 part3

 俺たちは街へ戻って来た。だがもう日が落ちかけている。


 「もう暗くなってきたな。ティルディー、どこか休める場所を探そうってどうしたティルディー?」


 俺が後ろを振り返るとティルディーは手を頬にあてて考えるポーズをしていた。なんだ?銅像の真似事か?と茶化そうとしたが、そういう雰囲気ではない。それになんだか近づきにくいような・・


 「・・・さっき領主と会ったとき、少しだけなの少しだけ魔物の気配がした気がする。それに部屋からも」

 「それ、本当か!?」


 俺はおもわずティルディーの両肩を掴んで聞いた。俺には分からなかったがティルディーには分かったらしい。・・野生の勘か!?


 「本当だよ、だから魔物があの館内にいると思う・・」


 ・・でもさっき館へ行ったときは動物の気配すらしなかった。それに魔物なんていたら誰かが気がつくはずだ。 気が付かないということは・・・。


 「魔物は人に化けているのか?」

 「可能性はあるけど・・。そしたらかなり強い魔物だと思うよ。人型になれるんだもん相当星を食べているはず・・」


 深刻そうな顔をしながらティルディーは言った。人型の魔物・・いや魔人?は俺も見たことがない。南の国にはあまり星を食べていない魔物しかいないから遭遇する機会すらないのだ。


 「まぁ考えていても仕方がない。今日はもうやす・・?ねえ、やっぱり甘い匂いしない?なんかこう・・」


 甘い匂い?急にそう言われたので俺も匂いを嗅ぐ。言われてみれば確かに甘い匂いだ。そういばさっき領主からもそんな匂いがした。

 貴族様ってのはこういう香水つけるんだなーなんて思ってあまり気にしなかったが。


 「お菓子・・症状が軽い人が作ってるのかな?館へ行く前も思ったけどお菓子いいなぁ・・ソアン。何かお菓子持ってない?」


 ティルディーはお腹に手を当てて俺を見た。

 (あぁ。お腹がすいてるからお菓子が食べたいのか・・)


 だが生憎お菓子は無ーーあ。無いと思ったがそう言えばアレはあった気がする。俺はポケットから取り出したブツをティルディーに渡した。


 「何?これ・・クッキー?じゃないよね・・丸くて・・?」


 ティルディーは不思議そうな目で俺の渡したお菓子を見ている。そんなに不思議なものだろうか。南の国じゃ結構有名なお菓子なんだが・・


 「シュネーバルだよ。このお菓子の名前。食べてみな?美味しいから」


 ティルディーは警戒するようにお菓子を見つめる。あ。そう言えば食べ方を説明するの忘れた。


 「シュネバールはこうやって一枚一枚剥がして食べるんだ。ほらやってみ」


 俺は生地を一枚剥がし口に入れる。んー!美味い!持ち運んどいてあれだが存在をすっかり忘れていた。いつもは魔物討伐のご褒美に食べているから・・

 俺はどんどん生地を剥がし口に入れる。ティルデイーも俺が食べているのを見て警戒を解いたのか、ゆっくりと生地を剥がし口に入れた。


 すると・・


 「!甘くて美味しい!生地がサクサクしてて・・シナモン?もちょっと苦くて!ちょうどいい!」


 目を輝かせてどんどんティルディーはシュネバールを口に入れていく。気に入ったようで何よりだ。ん・・でもシュネバール有名だったと思ったんだけどな。雪玉とか言われてて他の国の人も買ってるの見るし・・まぁ人それぞれだよな。


 俺は最後の人口を口に入れた。ふぅー満足満足。ティルディーも満足したようだ。


 「ソアンありがとう!ん・・なんか寝たくなっちゃった」


 そう言うとティルディーは何もない芝生へ歩いて行った。自由だなと思いつつ俺もついていこうとしたとき、とあるものが目に入った。

 (お香・・・?今時平民でも持っているんだな・・)

 俺はさほど気にも留めずティルディーのそばへ座った。ティルディーは思いっきり芝生の上へドサッと座った。・・音的に痛そうだな・・と思った。


 「痛っつ」


 勢いをつけて座ったせいかお尻を強打したらさいい。ティルディーは涙ながらにお尻をさすっている。


 (やっぱり痛かったんだな・・)


 「・・・っ、気をつけろよ」

 

 俺hs何にツボったかは分からないが口元を腕で抑えながらそう言った。こうなんでもない時にツボることはたまにある。どうでもいいことが笑えて来るのだ。


 「もう、笑わないでよ!ーーーふふっあはは」


 ティルディーも俺につられて笑い出した。その日の夜は少しだけ気分が晴れた二人であった。やっぱり笑うと嫌なもやっとした気持ちは晴れるもんだ。


ーーーーーアレディーの街・館ーーーーー


 「ふふ。ふふふふ。これでこの街はもう・・。あとはあの二人組を・・・。ふふでもこの薬さえあれば・・」


 館の一室にて高い女性の声が聞こえてくる。


 「・・・・・君と出会った頃はこんなんじゃなかったのに。君は変わってしまった・・・。どういたらいいんだ・・ううっ・・」


 領主は女性の声を聞くと自室へ戻り静かに涙を流していた。


 ーーー(補足)ーーー


 ①魔物は星を食べると強くなり色々な魔法が使えるようになります。(星を食べたら星の力が譲渡される)


②魔物は星を食べるとき、まず自然に影響を与えます。(環境破壊をする)星が環境破壊により力が弱まったところを魔物が天から引き寄せて星を食べるという感じです。


 

 

ソアンは意外と笑いのツボが浅いです


ティルディーは笑いのツボはそこまで浅くはありませんが誰かが笑うとつられて笑います

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