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謎の症状 part2

 俺とティルディーは街の人に聞き込みをすることにした。


 「この街でなにがあったんですか?」


 涙が止まらないというおじいさんに俺は


 足をかがめて聞いた。


 「領主様の・・。ううっ、領主様がご結婚された

 

  奥様が来てから謎の症状が出始めたんじゃ。」


 おじいさんは泣きながら事情を説明してくれた。


 他の街の住民にも同じことを聞いたが皆


 症状は領主の妻が来てからだという。

 

 始めは数人程度だったがここ一か月でさらに


 症状を訴える人が増えたらしい。この街はもともと


 冒険者や商人などの出入りが少ない


 閉鎖的な街だったそうで


 他の街やギルドにすら情報が


 流れていなかったらしい。

 

 ここ一ヶ月は前よりも閉鎖的だったらしいが。


 数人の冒険者は一か月以内に


 も来たけれど逃げてくものや


 治そうとして症状が現れて


 しまったものなどでどにも


 ならなかったらしい。


 「・・領主の妻か。そもそも


 領主ってすぐには会えないよな。」


 「そうだけどさ、街がこんな状態なわけだし


  きっと領主さんも話を聞いてくれるよ。


  行くだけ行ってみよ。」

 

 ティルディーはそう言うと領主


 の館のある方向へ向かった。


 

 ーーーー領主の館前ーー


 「ここだね・・・。」


 「ここだな・・。」


 俺とティルディーは大きすぎる館を前に


 立ち尽くしていた。


 南の都にいたときでさえ、こんなに


 大きな館は見たことがなかった。


 「ほら、ソアン、門をたたいてよ。」


 いまだに立ち尽くしている俺に対して

 

 ティルディーがそう言った。


 「あぁ。」


 俺は返事をして勢いよく門を手でたたいた。


 ギギッギギギ


 門の音と共に


 なんかやばそうな音もセットで鳴り響いた。


 「ソアン壊したんじゃない・・?」


 ティルディーが恐る恐る聞いてきた。


 「やめてくれ、何も言うな。」


 俺はそう言うと耳を塞ぎじっと館をみた。


 すると数秒後、館の扉が開いた。


 「あれ?あの人は?」


 杖をついて出てきた三十代くらいの男性は


 門の前に立たずむ俺たちの前へやって来た。


 「お前たちは冒険者か・・?」


 「あぁ。街の様子がおかしいから


  領主に事情を聞きに。」


 俺は街の人から聞いた情報を男性に話した。


 「領主は私だ。やはり街でもそんなことが・・・。」


 事情を聞いた男性は顔をしかめながらそう言った。


 というか、この人が領主か・・。


 俺は失礼ながらもじっと顔を見た。


 「『やはり』とは?なにか心当たりが?」


 俺が領主を観察していると今まで静かに話を聞いていた

 

 ティルディーが口を開いて領主に聞いた。


 「いや、私の家の住み込みの使用人もその症状を


  訴える者が数名いてな。それと


  妻がたまに街を降りては何かを配っているんだ。」


 「そうですか・・。領主の妻の配っているものに


  何か含まれていた?」


 「あの、領主様、一度奥様と会話することは可能でしょうか?」


 領主の妻に何か聞ければ少しはこの状況も

 

 進展するかもしれない。

 

 「・・・妻は最近部屋にこもっていて


  会えるかどうか・・まぁ一旦入ってくれ。」


 領主はそう言うと俺達を館へ案内した。


 その時領主がドアノブを回すとき服から腕が少し見えた。

 

 ーーー?今領主の腕に傷跡が見えたような?

 


 

 

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