ティグリス洞窟
「おーーーーーい!誰かいますかーーーーー!」
洞窟の中はお風呂の中より響くから少し楽しい気持ち。
そんなウキウキ気分で洞窟の中をどんどん進んでいく。
暗く何もないが奥に行けば行くほど涼しいを超えて寒い。
風を感じるから、もしかしたら何処かに出るのかもしれないと期待を持ちつつ少しばかり手に汗を握った。
「害獣ってめっちゃ強いのかな?」
夢だから死にはしないけど、匂いとかはさっき感じれたし痛みとかやだなぁ~
と思いつつ大きな空間にでた。葺き抜けているようだが高すぎて光が差し込んでは来ない。
ーーーーーーーーズドンッ
「あれ?」
後ろを振り返ると今までの通ってきた道が塞がれてしまった。
と同時に正面は開く扉。
「それはさすがに行かなきゃだよねぇ」
「グルルルル・・・・・」
「お!やっとだ!真っ黒ふっさふさで可愛い~!」
「何しにきた・・・・人間・・・・。」
「話せるんだ!!遊びに来ました!」
「虚言はよい。もう何日も来た人間たちが我を害獣として殺すと言っていたからな。返り討ちにしてやったわ。それからry・・・・」
なんだろう。朝礼で校長先生が話す時の感覚だ。
よくしゃべる幻獣だなぁ。
「お前にその気がなくても、教会送りにしてやるわ!」
「硬直!!」
「は・・・・?動けない・・・だと?」
この夢はわからないけど、もう何度も魔法は使ってきたし(夢の中で)
目の前には極上なケモ様がいる。
それつまりもふもふタイムだ。
誰だよこんなに素敵なケモ様に手を出す不届き者は。
ゆっくりと近づき、遠目からでも迫力あるお顔はよく見ると美形なのでは?
自分の身長を超す身体つきも引き込まれるような漆黒も魅力的だ。
「では、失礼して・・・・・・」
もふっ。もふもふもふもふもふもふ。
「小娘!何をする!!」
もふもふもふもふもふもふ
「離せっ!やめろ!」
もふもふもふ・・・ん?
「後ろ足の付け根、わかりにくいけど怪我してない?治しちゃうよーん!完治」
身体が黒いから余計見えなかったけど、かなり深い傷だった。
どれくらいで治るのかわからなかったから、とりあえず欠損治せるくらいの魔力を込めた。
知識だけは膨大だからね!使わないと損!損!
「・・・・!・・・小娘。おまえは我を殺しに来たのではないのか」
「そんな草むらで出合い頭にバトルしたりしないよ~ひぇ~懐かしい~」
「・・・そうか。なら我もそうしよう。身体を元に戻してくれないか?」
「もちろんいいよ!」パチンッ
「おまえほど悪意を感じない人間は初めてだ。」
「言いすぎだよ~私はユズ!あなたは?」
戦意喪失なのか気軽に話し出したケモ様に手を差し出した。
これじゃあお手になっちゃうかなんて手を引っ込めようとした瞬間
「我はヒョウ。気に入ったぞユズ。」
もふもふは何処へ人間の姿になったのだ。